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脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

会社員には「長時間労働をする自由」など必要ない

残業

電通の過労死事件を受けて、長時間労働についての議論がいま盛んになってきている。そんな流れの中、こちらの記事を読んだ。

 

www.outward-matrix.com

 

長時間労働の是非」について議論をしていると、このように「残業をしたくてしている人の自由まで奪うのはおかしい」という意見がほぼ必ずと言ってよいほど出てくる。理屈としては理解できない部分もないわけではないのだけど、残念ながらこの意見には賛成できない。

 

この手の意見を要約するなら「長時間働きたい人には長時間働く自由を与えて、残業したくない人は残業しない自由を与える。自分の意志で自由に働き方を選べるようにすべきだ」といった感じになるかと思う。なるほど、たしかに自分の意志が最大限尊重されるという点ではかなり良さそうだ。しかし、本当にそんなことは可能なのだろうか?

 

まず第一に、「自分の意志」を外から推し量ることの難しさを考慮する必要がある。会社から、あるいは周囲から残業をするように無言の圧力をかけられて、「◯◯さんは自分の意志で残業をするんですよね?」と言われて「いいえ、僕は自分の意志で残業するのではありません。帰ります」と言える人が果たしてどれだけいるのだろうか。

 

昔、とあるコンサル会社が労基署に睨まれたため、社員に「◯時以降はすべて自己研鑽のために自由意志で会社に残っています」という書類にサインさせたという話を聞いたことがあるが、このように自由意志は簡単に捏造されてしまう。そういえば、しゃぶしゃぶ温野菜のブラックバイト裁判でも、店側は被害にあったAさんについて「Aさんは自主的に店に来て、店長の制止を振り切って働いていた」という主張をしていた。都合が悪くなると、会社はすぐに「社員が自主的にやっていたことだ」という言い訳を使う。会社と社員の関係において、社員の自由意志を証明することは不可能だ。

 

blackbeitunion.blog.fc2.com

 

また、会社における仕事の大半は複数人でするものである。1日16時間働きたいという長時間労働を前提とする人間と、1日8時間で定時帰宅を前提とする人間が協調して働くのは残念ながらかなり難しいと言わざるをえない。労働時間に対する基本スタンスが異なる複数人が協調して働く場合、日本の会社ではたいてい、一番長い人に合わせることになる。仕事の多くが個人の範囲に閉じていない以上、「長時間労働をするのは個人の自由」という主張は成り立たない。必ず周りの人間を巻き込むことになる。

 

思うに、会社員の長時間労働を禁止することで労働者が被る被害はかなり少ない。残業を禁止しても週40時間は普通に働けるわけだから、勤労の自由は確保されている。もっと働きたいというのであれば、会社員を辞めて独立する自由もあるし、空いた時間で副業をする自由もある。仕事そのものは禁止されても、空き時間に仕事のための勉強をする自由までは制限されていない。残業完全禁止社会は、ディストピアとは程遠い。

 

生産性の面で言えば、残業禁止はかなりの改善効果が見込めると僕は考えている。会社には無駄な会議や無駄な仕事が山ほどある。時間を強制的に区切ることで、これらの無駄が最適化される契機になる。そもそも、1日8時間というのは冷静に考えてみるとかなり長い時間だ。これだけ時間があって足りないというのであれば、それは仕事のやり方がおかしいか、仕事の量がおかしいかのどちらかに決まっている。残業禁止はその手の歪みを適正化することになるだろう。

 

そもそも世の中の流れとして、単純な知的作業すらAIによる機械化が進もうとしているのだから、仕事の時間が短くならないというのはおかしいだろう。長時間労働の撲滅」を目指す署名活動は極めてまっとうな活動で、賛同しない理由はない。会社員にはもう「長時間労働をする自由」なんて必要ない。定時になったら家に帰る――そういう極めてあたりまえの生活を、取り戻そうではないか。

 

www.change.org

 

定時帰宅。~「働きやすさ」を自分でつくる仕事術~

定時帰宅。~「働きやすさ」を自分でつくる仕事術~

 

 

「マネたま」でマネジメントについての連載がはじまりました

お知らせ

株式会社カオナビが運営するウェブメディア「マネたま」で、マネジメントについての連載をさせていただくことになりました。

 

第1回目は既に公開されています。

 

www.manetama.jp

 

この連載は「脱社畜ブログ」流マネジメントハックというシリーズで、大体月に1回程度更新される予定です。

 

過去に僕がブログや本で書いてきたのはマネージャー向けではなく部下に向けたものがほとんどだったのですが、この連載ではマネージャーに向けた内容を書かせていただく予定です。

 

どうやら「仕事ができる」ことと「良いマネージャーである」ことはまた違うスキルのようで、「仕事ができるのにマネジメントはできない」という人が部下を壊していくような例を僕は実際に何度か目にしてきました。そういう点では、優秀なプレイヤーが必ず優秀なマネージャーであると無条件で言えることはまずないのですが、不思議なことに多くの会社組織がプレイヤーとしてある程度成熟した人を次はマネージャーにしようとします。これが多くの不幸を生み出します。

 

この連載が、少しでもそのような不幸を減らす役に立てればと思っています。

 

会社組織で気持ちよく働きたいのであれば、「良いマネージャーの下につくこと」はほぼ必須です。この連載は基本的にはマネージャー向けのものですが、自分のマネージャーが良いマネージャーなのかを判断するための情報を得るという意味では、マネジメントされる側の人が読んでも得るものがあるのではと思っています。