就職活動を終えた大学生が、そのまま卒業まで、内定先の企業でアルバイトをするケースがある。
はっきり言うが、これほど時間の無駄でおすすめしないものはない。もし、このエントリを読んでいるあなたが大学生で、どこかの企業の内定をもらっているとしても、絶対に内定先でアルバイトをするのは辞めた方がいい。
そもそも、僕は大学生がアルバイトをすること自体非常に勿体無いと思っているのだが(これについては、また後日書きたい)、それ以上に内定先でのアルバイトは意味が無いと断言できる。
内定先でアルバイトをするというのは、入社後にやるであろうことを1年とか半年前倒ししたに過ぎない。どうせ入社したらたっぷりと、やりたくなくてもやらなければいけないことを、何故大学生の貴重な時間を犠牲にしてやらなければならないのか。理解に苦しむ。
こう思っている人もいるだろう。早いうちから会社で働くことで、同期より一歩リードできる、自分はそのために働いているのだ、と。
はっきり言うが、半年や1年そこら内定先でアルバイトをしても、同期にはほとんど差はつけられない。身につく能力も微々たるものである(所詮バイトなのだ、正社員がやるようなことはさせてもらえない)。社内システムとかルールには早く慣れるかもしれないが、どうせ入社して2、3ヶ月したらアルバイトなんてしてなくても慣れるものだ。
それよりも、アルバイトをする時間で本を読むとか、英語を勉強するとか、プログラムを書いたりしてみるとか、そういうことをしたほうが能力は格段に上がるだろう。逆に、こういうことに時間を使えなかったために、そういう勉強を卒業までにしていた人達に入社後差を付けられるということは十分ありえる。
同期より一歩リードすることに意味があるのか?という根本的な疑問もある。終身雇用が崩壊気味な昨今、同期間で出世争いをするケースも稀だろう。会社とは独立した、自分個人に帰属する能力を育てなければいけない時代なのに、会社にべったりな能力を育ててどうするのか。時代錯誤も甚だしい。
そもそも、なぜ人事は内定先でのアルバイトを持ちかけてくるのか。これは、安い労働力が手に入るという点と、内定者の囲い込みが目的だ。要は、内定段階から社畜教育を施そうとしているに過ぎない。
社畜として、ライバルよりも抜きん出たいというなら止めないが、あなたが入社しても賢明でありたいと思うのなら、内定先でのアルバイトは絶対に辞めておくことだ。
- 作者: 三菱総合研究所,全国大学生活協同組合連合会
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2011/02/02
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