数日前、インドネシア人看護師が日本人の労働観について言及した次のようなポストがTwitterを中心に話題になっていた。
これを見て、うまいこと言うなぁ、と思った人も多いはずだ。
実際、このツイートはジョークでもなんでもなく、本当にそのとおりである。1分でも遅刻をすれば実害も無いのに文句を言われる職場が日本にはいっぱいあるし、サービス残業という犯罪行為は未だに横行している。日本の中にいると当たり前だと思って慣れてしまうのかもしれないが、国の外から見ると日本が世界標準とは到底言いがたい。
このインドネシア人看護師の言葉を見た後、僕はもし日本人が、本当の意味で時間を守るようになったらどんなことが起きるだろうか、と考えてみた。定時の徹底がなされた際に、日本はどんな社会になるのだろうか。ざっと考えただけで、次の5つのメリットがあるように思える。
1.健康な人が増える
当然ながら、過労死の問題は少なくなる。過労死だけでなく、労働に起因していた精神病も減るだろう。自殺者も減ることになる。日本人は、今よりも健康になるはずだ。
2.仕事の効率が上がる
終わりの時間に強制力がないから、どうしても仕事をだらだらと非効率にやってしまうという側面があるのは間違いない。就業時間厳守が徹底されれば、それに間に合わせるために効率的に仕事をしようという意識が働くはずだ。結果的に、単位時間における一人あたりの生産性は増加するのではないかと思う。
3.雇用が創出される
2に書いた仕事効率の増加で賄えない分については、人を雇って解消することになる。これにより、雇用が生まれる。今の日本は、一部の人に異常に仕事が集中しているという状態なので、定時の徹底によってそんな状態の緩和が図れるはずだ。
4.少子化が食い止められる
定時が徹底されれば、家に帰るのは日付が変わったころ、ということがなくなる。そうすれば、平日であっても、子供との時間が確保できるようになるはずだ。仕事との両立を考えて、出産に躊躇していた人はこのことで出産を前向きに考えられるようになる。結果的に、少子化対策になるのではないだろうか。
5.経済効果がある
仕事がしっかり定時に終わることが保証できないから、仕事の後に遊びの予定が入れづらい。しかし、定時の徹底が行われれば、安心して仕事の後にも友人との約束をすることができる。結果的に、夜の街に繰り出す人は増え、平日もアミューズメント施設に人が入るようになり、様々な経済効果が期待できる。
いかがだろうか。結構大雑把で荒い考察も目立つが、今の日本で問題になっていることの多くが定時の徹底で「良い方向に」動くように僕には思える。仕事の終了時間をしっかり守ることで、僕たち日本人が得られるメリットは計り知れない。逆に、時間を守らないことで僕たちはどんなメリットを享受しているのだろうか。悪いことばかりの気がしてならない。
日本人も、仕事の終了時間を守ることを真剣に検討してみてもいいのではないだろうか。
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