先日、電車に乗っていたら、リクルートスーツを着た大学生っぽい集団に出くわした。そういえば、もう11月である。早い人は、就活を意識しはじめる時期だ。
今日は、そんな就活生たちに、就活のアホらしさに気づくための本を5冊紹介したい。最初は、普通に14卒就活生のためのオススメ本をまとめたエントリを書こうと思っていたのだが、ここは脱社畜ブログである。そういうのは他のサイトを見てもらえばいいだろう。むしろ、学生諸君が就職後に社畜になってしまわないようにつとめるのがこのブログの責務であると考える。
これらの本を読んで、リクナビを筆頭とする就活サイトが作り出す「就活を通じて成長し、やりがいのある仕事に就いて社会貢献!」みたいな価値観から一刻もはやく脱却されることを願っている。
就活のバカヤロー(大沢仁,石渡嶺司)
現代の就職活動は完全に茶番である。まずはそのことを認識することが大切だ。就職活動が茶番であることは、『就活のバカヤロー』(大沢仁,石渡嶺司)という本を読むとよく分かる。これで就職活動についての「正しい」基礎知識をつけるとよいだろう(書評記事)。
- 作者: 大沢仁,石渡嶺司
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/11/14
- メディア: 新書
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格闘する者に◯(三浦しをん)
就活の滑稽さを知るという意味では、小説だがこの本もオススメである。妄想好きで、漫画喫茶でマンガを読むことが趣味な女子大生可南子が、就職活動という茶番に翻弄されつつもマイペースを崩さずに日常を送っていく。面接や説明会の描写からは、就活のくだらなさがしっかりと伝わってくる。純粋に、青春小説として珠玉の逸品だと僕は思う。ちなみに、本書は三浦しをんのデビュー作でもある。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/03/02
- メディア: 文庫
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軋む社会---教育・仕事・若者の現在(本田由紀)
本書は、本田先生の論文やコラム集で、すべてが労働について書かれているわけではないが、<やりがい>の搾取という文章は就活生にはぜひとも読んでほしいと思っている。就職活動を始めると、企業側の人間が事あるごとに「仕事のやりがい」とか「成長」を強調することに気づくだろう。こういった罠に引っかからない視点をもつことは、絶対に必要である。
- 作者: 本田由紀
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/06/04
- メディア: 文庫
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僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?(木暮太一)
タイトルが釣りっぽいが、資本主義社会において「働く」とはどういうことなのか、についてわかりやすく書いてある。就活について書かれた本ではないが、本書を読むと就職して働くということの根本に存在するアホらしさがわかると思う。はっきり言って、会社員は損だということに気づく。特に、「頑張って働けば給料が上がる」というような勘違いをしている人にはおすすめである。
- 作者: 木暮太一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/04/26
- メディア: 新書
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ニートの歩き方(pha)
インターネットが発達した現代であれば、就職して働く以外の方法でも楽しく生きる方法は存在している。そんな生き方を実践している、カリスマニートphaさんの本。就職しろ、社会のために働け、という圧力にどうしようもない息苦しさを感じている人は読んでみるとよいだろう(書評記事)。
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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世の中に就活本は溢れているが、内容は基本的にどれも同じようなものだし、「就活や働くことそのものに疑問を投げかけている」本は思った以上に少ない。就職活動をするとしても、働くということを絶対視せずに、相対化する視線は常に持っていたほうがよい。参考にしていただければ幸いである。