脱社畜ブログ

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怒鳴る上司に、怖い先輩――「恐怖」で人を動かそうとする人たち

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もう21世紀になって10年以上が経つが、会社という組織では未だに「恐怖政治」が横行しているようである。後輩や部下に仕事をさせるために、怒鳴ったり、脅したりする上司や先輩が、あなたの周りにもいないだろうか。「いない」と断言できる人は、仲間に恵まれている。しかし、そう断言できる人ばかりではないというのが、実際のところであろう。大きな会社になれば、このように「恐怖」で人を動かそうとしている人は、必ず存在する。

 

間違った行動をした人に対して、恐怖を与えることで次はもうそのような行動をとらないようにさせる、というのは動物に対するやり方そのままだ。こういったマネジメントの方法は、人間に対してはあまりよい効果を生まない。確かに、怒られた人は「もう二度と怒られないように」と注意はするだろうが、その分間違いなくモチベーションは低下する。仕事の主眼が「価値を生み出すこと」から「ミスをしないように注意すること」にシフトし、仕事の質も二流のものに成り下がってしまうだろう。

 

さらなる恐怖政治による弊害は、怒られることを恐れるあまり、仕事上のミスやリスクを隠そうという動きが起きてしまうことである。チーム内が恐怖によって支配されていると、ミスやリスクがマネジメント側に届かなくなる。これは、組織として大きな問題である。マネージャーに報告が届いたころには、もう手遅れになっている場合も少なくない。チーム内で発言しやすい空気を作っておくということは、健全な組織運営にはどうしても必要なことである。

 

そういった意味で、「恐怖」によって部下や後輩をマネジメントしようとする人は、マネージャーとしては完全に失格だと言えるだろう。そもそも、立場にまかせて人を怒鳴ったり、脅したりするだけだったら誰にでもできる。そんな人が、高い給料をもらっていい道理は存在しない。

 

では、自分の上司や先輩が、この「恐怖」で人を動かそうとするタイプだったら、どうすればよいのだろうか。これは、非常に難しい問題だ。特定の人物だけが酷い、ということであればさらに立場が上の人に越訴することでなんとかなるかもしれない。しかし、組織全体がそういう空気に毒されているのであれば、そんな組織に長く身をおいていては体も心も持たなくなってしまう。さっさと、逃げる方法を考えたほうがよいだろう。大事なことは、「俺は怒られてばかりだ、俺は仕事ができないやつだ、ダメなやつだ」と自分を責めたりしないということである。いささか謙虚さに欠けることを言うと、基本的には、部下や後輩にプレッシャーをかけて怒る人のほうに問題がある。自分を責めて、追い込んでしまうようなことだけは避けた方がいい。「所詮、こいつとは仕事上の関わりだ、会社を出れば赤の他人」という気持ちは忘れずに持ち続けておきたい。

 

負の感情は連鎖する。新人時代に、酷い上司や先輩に怒鳴り散らされた人は、そのまま部下や後輩を怒鳴り散らす人になってしまう可能性が高いという。これは、非常に辛いことである。どうか、「自分がやられたから」という理由で、部下や後輩を恐怖で支配するようにだけはならないでもらいたい。負の連鎖は、自分のところで打ち切りにしよう。

 

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

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