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脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

日本の会社員のやる気が低いのは当然だ

仕事観 時事ネタ
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世界でダントツ最下位!日本企業の社員のやる気はなぜこんなに低いのか?
http://diamond.jp/articles/-/30488

 

この記事によると、世界各国で社員のやる気を調査したところ、日本人は31%と最下位だったそうである。どうしてこんなにダントツでやる気が低いのだろうか、という考察に記事は進んでいくが、僕はむしろ、31%もやる気がある人がいることに驚いた。やはり、社畜の国は違うなと思わずにはいられない。

 

この記事では、日本人社員がダントツでやる気が低い原因を分析し、成長がどうだとか、貢献がどうだとか、エンゲージメントという概念があって、それでいて経営理念が云々と、とにかくよくわからない考察がツラツラと書かれているが、はっきり言って、ここに書かれていることはほとんど社員のやる気とは関係ないだろう。日本人社員のやる気が諸外国に比べてダントツで低い理由は、端的にその劣悪な労働環境にあると考えるのが自然である。満員電車に無理やり押し込まれて会社に行き、理不尽な仕打ちをうけながら深夜まで働かなければならないような環境で、やる気を出せというほうが無理だろう。

 

ちょっと前に流行った『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』(ダニエル・ピンク)という本がある。色々と興味深いことが書いてあってなかなか面白い本なのだが、この本は読み方を間違えるとかなり危険な本だと僕は思っている。本書でいう「モチベーション3.0」というのは、従来の金銭による外的な動機付けではなく、「新しいことを学び創造したい、世界に貢献したい」といったような金銭によらない内的な動機付けのことであり、このモチベーション3.0が従来の金銭型報酬よりもよい結果を残すことがある、といったようなことがこの本には書かれているが、これは一歩間違えば「給料の額なんて気にせずに、とにかく創造や成長、社会貢献のために頑張ってやる気を出して働け!モチベーション3.0だ!」といった論につながりかねない。これは社畜の全面肯定であり、かなり危険な考え方だ。

 

実は、この点についてはきちんと本の中にも書かれている。モチベーション3.0がワークするためには、「社員に基本的な報酬ラインを十分に保証し、公正であることが必要」である。このような手厚い前提条件が整った上で、はじめてモチベーション3.0の話になってくる。安い賃金で都合よく会社のために創造的な仕事をやってくれるといった、都合のよい話では決してない。

 

わざわざ『モチベーション3.0』の話を書いたのは、冒頭で挙げた記事の内容が、まさにこの前提条件を欠いた状態で、社員のやる気を引き出そうとよくわからない考察をアレコレとしているように思えたからだ。はっきり言うが、日本企業の99%は、モチベーション3.0がワークするための前提条件が整っていない。こんな環境で、社会貢献や自己成長、創造的な楽しみのために素晴らしい仕事に邁進できるのは、それこそ会社の価値観にどっぷりと染まった社畜だけである。

 

サービス残業過労死、上司や先輩によるパワハラ、新卒至上主義や正社員至上主義といったような、課題が山積みの日本の労働環境の中で、やる気を出せと言う方が無茶である。これらの問題が解決しないことには、どんな施策を打っても社員のやる気は向上しえない。この状態で、「成長のエネルギー」とか「実現のエネルギー」とかいう話をしても、土台のないところに家を建てようとしているようなものである。

 

日本の会社員のやる気を向上させたいと言うのであれば、まずは何より労働環境の改善からだ。こんな環境でやる気を出させようとしているのは、詐欺や搾取の類でしかない。

 

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか