脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

夫婦で労働ポートフォリオを組む時代

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労働経済学の世界には、夫の収入と妻の就業率の関係を示した「ダグラス・有沢の法則」という法則がある。「夫の収入が高いと、妻が働く率は低くなる」という内容のものだが、最近はこの法則が成り立たなくなってきている、という興味深い記事を読んだ。

 

「夫婦格差社会」ー データから見る二極化する日本の夫婦像
http://atcafe-media.com/2013/02/12/powercouple_weakcouple/

 

このように、夫婦の働き方はまさに今、変化のまっただ中にあるような気がするが、今日はそんな変化の時代に適した、僕の考える夫婦の働き方についてのひとつの戦略について書きたいと思う。最初に断っておくと、これを日本中の全ての夫婦が推し進めるべきとか、そういうことを主張する趣旨ではない。また、ダグラス有沢の法則とか、夫婦格差社会の話は残念ながらあまり関係ない。

 

一言で言うと、これからの時代は「夫婦」で労働ポートフォリオを組むべきだと僕は考えている。以前、会社員が考えるべき「事業ポートフォリオ」という記事で、会社で働くことを事業ポートフォリオを構成するうちの1つとして捉える考え方について書いたが、これを、夫婦の働き方に拡大して適用するのが今日紹介する方法だ。「世帯」を1つの会社と考えて、その会社の構成員である夫と妻が、様々な事業に参画しつつ、世帯収益を最大化しつつ安定させる、そんな働き方を目指すのである。

 

具体例を出そう。例えば、AさんとBさんの夫婦がいたとする。夫であるAさんは、甲株式会社に勤務していて、Bさんは乙株式会社に勤務している。この場合、「世帯」としてポートフォリオを見ると、甲株式会社事業と乙株式会社事業の2つを同じぐらいの力で営んでいるということになる。

 

ここまではただの共働きの例だが、夫婦で労働ポートフォリオを考える際には、戦略的にリスクテイクをすることができる。例えば、CさんとDさんの夫婦がいたとして、Cさんは公務員で、Dさんが会社経営をしているとする。これは、なかなかうまくポートフォリオを組んでいる。Cさんの行なっている公務員事業は、ローリスクだがその分ローリターンである。一方Dさんの行なっている会社経営は、ハイリスクだがハイリターンでもある。これらを夫婦全体で考えると、うまくバランスする。このように、夫婦という単位でリスクコントロールができるように職業選択をしていくのが、これからの時代に合っているうまいやり方ではないかと、個人的には思っている。

 

人間、生きていればどこかでリスクを取りたいという局面もある。そういう時に、うまく夫婦で強力してリスク分散ができるのであれば、それは非常によい関係だと僕は思う。勘違いしてほしくないので書いておくと、これは別に嫁(夫)をセーフティーネットにして好き勝手やることを推奨しているのではなく、リターンもきちんと夫婦間で分け合うことを双方納得・合意した上で、戦略的にリスクを取るという話である。 旦那さんが自由奔放にやるのを嫁さんが支えてやれとか、あるいは嫁さんがキャリアウーマンなら旦那さんはノマドワーカーを目指したほうがいいとか、そういう話では決して無い。あくまで目的は「夫婦」という会社の収益を最大化しつつ、安定化させることである。

 

そんなにうまく、ローリスクローリターンの仕事と、ハイリスクハイリターンの仕事で共働きできるわけがない、という人がいるかもしれない。それはその通りだ。むしろ大事なのは、夫婦の片方が窮地に陥ったときに、もう片方がそれを助けて上げられることなのかもしれない。構成員が2人いれば、それだけシステムはロバストになるはずなので、夫婦は夫婦であるだけで一人でいるよりも強いはずなのである。仮に安定性の低い会社経営やフリーランスをするにせよ、一人でやるよりかは二人で別個にそれぞれ営んだほうが、助けてもらえる確率は高くなる(欲を言えば、業界や中心的技能をずらすなどして、ここでもリスク分散はしたほうがよいとは思う)。

 

結婚すると、「もう勝負はできない」という風潮が支配的だが、これなら逆に結婚を追い風にして勝負が出来る状況を作り出すことができる。基本的なポリシーとして、結婚することが夫婦の双方にとって得になるような結婚が、理想的な結婚だと僕は思う。

 

なお、これに育児が絡むとまた話は単純でなくなるので、それについてはまたの機会に譲りたい。というか、育児については残念ながら語れるだけの情報を僕は持っていない。

 

 「結婚は人生の墓場」という嫌な言葉があるが、墓場にならないような結婚を心がけたいものである。

 

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