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脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

それでも僕は起業を「手段」と考える

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昨日話題になっていた2つの記事について。

 

起業して3ヶ月で会社を崩壊させて思ったことと、近況報告です。
http://shunsuketakahash.fool.jp/blog/?p=947
「目的があっての手段だ」なんて考え、つまらなくないですか?
http://blog.livedoor.jp/kensuu/archives/54448950.html

 

nanapiの社長さんのエントリは面白くて、気持ちとしては同意したくなるのだけど、こと起業に限っていえばやはり僕はあくまで「手段」だと考える。

 

なぜかを一言で言うと、起業は遊びではないからである。

 

「手段」と「目的」が非常に近いものになって、あまり区別がつかなくなっている、というのはたとえば趣味の世界ではよくあることだ。趣味で小説を書いている人は書くこと自体が楽しいのだろうし(人に読まれてナンボだと思っている人もいるだろうから一概には言えないけど)、趣味でスポーツをやっている人だって、そのこと自体に楽しさを見出していることは間違いない。こういう領域で「目的があっての手段だ」とかいうことを言われても辛いだけである。それは確かにナンセンスだと僕も思う。

 

一方で、起業の場合はこういった趣味と同じように語ることはできない。なぜなら、起業はお金を稼ぐ行為であり、そしてお金が稼げない状態が長く続くと、自分やその関係者は大きな不利益を被ることになるからだ。例えば、雇っている人がいるならその人の給料は払わなければその人が生活に困るだろうし、投資を受けているのであれば、それなりに投資家への責任を果たす必要がある。人を雇わず、投資も受けずにやっていたとしても、ずっと赤字続きでは自分がご飯が食べられなくなって困ることになる(他に収入源でもあるなら別だが)。

 

このように、起業は「遊び」ではないので、やるなら「結果」を出す必要がある。仲間とワイワイ仕事をするのが楽しくて、それが目的で起業をしたとしても、結果が出せなければ会社は潰れてしまうのだ。そして、往々にして手段の目的化はよい結果を生まない。一部の天才や、運がよかった人が「それがぼくには楽しかったから」式に手段を目的にして素晴らしい結果を残すが、これを誰もが真似できるとは思わないほうがいい。ただでさえ失敗する人が少なくない起業という領域では、手段が目的化したブレブレなやり方ではそう簡単には勝てない。

 

勝たなくてもいい、利益を上げなくてもいいというのであれば、「起業」自体を楽しめばよいと思う。しかし、そうなったらそれはおそらく起業ではない。サークル活動と何ら変わりがないのである。ビジネスをやろうと考えているのであれば、やはり手段と目的の混同はご法度だ。

 

ちなみに、僕自身が起業した時の話をすると、僕は「本当にどうしても、これ以上は会社を作らないと絶対に進められないというフェイズになるまでは会社設立はしない」というルールを自分に課していた。最初は企業名も決めず、ただプロダクトを友人と作ることだけに集中した。登記事項証明書を出さなければならない状態になって結局会社を作ったのだけど、このやり方は間違っていなかったと確信している。別に、会社を作らなくったって商売は始められる。具体的なサービス内容も決まっていないのに会社名を考えたり、CEOは誰がやろう、CTOは誰がやろうという議論から入るのはいわゆる死亡フラグだ。厳しいことをいうと、これは起業ごっこである。

 

僕は本来、こういった「起業は怖いんだぞ、危ないんだぞ、甘くないんだぞ」という言説は好きではなくて、「借金もせず、投資も受けず、人も雇わないのであれば気楽に起業してみればいい、別にそんなにがっぽり稼がなくても立派な起業家だ」という意見の持ち主なのだけど、それでも「起業したいから起業する」という意見を持つ人(特に、意識高めの学生)には釘を指しておきたいと思っている。それゆえこういうエントリを書いてみた。

 

会社の設立登記をしただけでは、一円も儲からないし誰も驚かない。お金を稼ぎ、人を驚かせ、ひょっとしたら世界を変えるかもしれないのはあくまでプロダクト(サービス)だ。体の底から溢れ出てくる若いエネルギーは、ぜひ会社を作ることではなくプロダクト(サービス)を作ることに傾けてほしいと思う。

 

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