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脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

講義がネット配信されても、たぶんそんなに教育のあり方は変わらない

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はてブのホットエントリーを眺めていて、明治大学が経済学の講義をネット配信しているのを知った。

 

経済学入門テキストをあれこれ買い込む前に・・
http://sura-taro.hatenadiary.jp/entry/2013/11/10/190849

 

大学の講義がiTunes Uで配信されているという話はどこかで聞いて知っていたのだけど、海外の大学の講義ばっかりだろうと勝手に思い込んでいた。やはりボリュームとしては海外の大学の講義が圧倒的なのだけど、さっき見てみたら日本の大学の講義も色々とある。多いのは公開講座とか特定のテーマについての講義で、まだ体系的な学習をネットだけで完結させるのは難しそうだが、これからもどんどん配信される数は増えていくことが予想されるので、いずれはある分野の基礎が一通りネットの講義だけで学べるような時代が来るのかもしれない。

 

ネットで大学の講義が配信されるのは、非常に好ましいことだと思う。僕が大学にいたころはちょうどこういった配信を実験的にし始めていたという時期で、取っていた『情報工学概論A』という講義がネット配信をされていたことを覚えている。結局一度も講義には出なかったが、試験前にネット配信で一通り講義を見ることで、普通に単位を取ることができた。探したらまだ置いてあったので、この分野に興味がある人には結構おすすめできる。内容は情報工学というかネットワーク基礎みたいな感じなのだけど。

 

情報工学概論A 相田 仁
http://ocw.u-tokyo.ac.jp/lecture?id=11314

 

ネット配信で個人的にすごくよかったのは、講義を自分の都合のいいタイミングに一気に聴けたことだ。普通に講義に通っていると、集中講義でもない限り一週間ずつ話を聴くことになり、結構な確率で先週やったことを忘れてしまう。そうなると、講義がさっぱり頭に入らず、なんだか座っているだけになって気づくとグーグー寝てしまう。ネット配信なら時間をあけずに、やる気のある時に一気に聴ける。よくわからないところを繰り返したりすることもできる。ゼミや対話が多い講義だと厳しいけど、マスプロで先生が一方的に話すだけみたいな講義だったら、ネット配信はものすごく効率がいい。

 

このようにネットで講義を配信することはとても勉強を便利にしてくれるので、ぜひぜひたくさんの大学に色んな講義を配信してもらいたい。ただ、これがめちゃくちゃ革命的な出来事で、教育のあり方を完全に変えてしまうほどの衝撃かというと、そこまでではないだろうなと僕は思っている。

 

ネットの講義配信は、一部では「知の民主化」とか「開かれた大学」とかいう言葉と共に、まるで教育革命のような風潮で受け入れられているけど、学問はもともとそんなに「非民主的」で「閉じられた」ものだったのだろうか。大学生が学部4年間でやるような内容だったら、少し大きな本屋に行けばいくらでもテキストが購入できて、大学の講義でやるような話は大体そこに書かれている。講義の配信にしたって、今みたいに高速回線が普及する以前から放送大学は講義をお茶の間に配信している。大学レベル以前の勉強であれば環境はさらに恵まれていて、NHKラジオ講座や予備校の講義書き起こし参考書(いわゆる実況中継系)が安価で利用できるし、最近は800分ぐらいの講義mp3が収録された本なんかも売っている。大学の講義のネット配信が始まる以前から、「やる気さえあれば」いくらでも学べる、という環境は整っていたのだ。

 

そして、一番厄介なのがこの「やる気さえあれば」という条件だ。ほとんどの人が勉強のために大学、あるいは予備校に通うという選択をせざるをえないのは、この「モチベーション」の問題が大きい。独学の一番の問題は、モチベーションが保てなくなることで、学校が優れているのはこのモチベーションを維持するための「環境」があることだ。

 

講義がネット配信されたとしても、学校に通わず独学を選ぶ人たちが「モチベーション」と戦わなければならない状況は変わらない。もちろん、やる気があるけど経済的な理由で学校に行けない人たちが学べるようになる、というのは好ましいことなのだけど、多くの人がうまく学べないのはそういう情報格差よりかは、モチベーションコントロールの部分が大きいのではないだろうか。

 

そういう意味で、真に教育革命を起こすのは、「独学でも多くの人が勉強のやる気を損なわずに、勉強しつづけられるような仕組み」の開発ではないかと思っている。一昔前に盛んに言われていた「ゲーミフィケーション」なんかはこの辺の問題の解決になりそうな気がしないでもないけど、具体的にどうすればいいのかはまだよくわからない。単純に教育系のゲームを作ればいいという話ではないのが難しい。

 

パズドラにハマるような感覚でみんなが勉強にのめり込んで、それで国民全体の学力が押し上がるような仕組みができたら革命的だと思うのだけど、それは難しいのだろうなぁ。

 

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