脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

大企業に入ると「大企業はクソだ」ということが学べます

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大企業のほうが成長できるとか完全にウソ- Chikirinの日記
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20131113

 

「成長」ってそもそも何なのだろうか?という話が前提としてあるのだけど、何かを習得するのに研修を受けるよりも実際にやってみたほうがよいというのは多くの場合そうで、そういう点で大企業が微妙だというのは同意できる。

 

もっとも、エンジニアのような職種であれば「最初は大きいところに行ったほうがいい」というアドバイスも一理あるとは思う。たとえば新卒でベンチャーに入って、「とにかく動けばそれでいいんや」的な独善的なコードを書きまくるというのが本当に「成長」なのかと言われると、これはどうなのだろうか。『徒然草』の「仁和寺にある法師」ではないが、案内者がいないことで独善に陥り、それでお山の大将になってしまうというのはこういう職種だとありうる気がする。もちろん、やる気のあるエンジニアは自分で本を読み、勉強会とかにも通って自己研鑚に励んでいるのだと思うのだけど、ビジネス職よりも体系的なものを扱っている以上、最初は大きなところである程度「お膳立てされた学習」をすることが実は一番手っ取り早いなんてこともあるかもしれない。業務経験にしても、大規模開発をしたいなら、それなりに規模のある会社でなければいけなくて、創業期のベンチャーみたいに「エンジニアは1人です」みたいなところではなかなか難しい。

 

まあ、エンジニアの話は置いておこう(僕も一応エンジニアの端くれだけど、この手の話は得意ではないので、ボロが出ないうちにやめる)。エンジニアに限らず、大企業に入ることでしか学べないものはたぶんある。それは、「大企業はクソだ」という実感だ。「腐った」組織を中から見られるというのは、考えようによっては結構な財産になるかもしれない。

 

何か意思決定をするのによくわからんプロセスがあったり、根回しが必要だったり、派閥があったり、しょうもない足の引っ張り合いが行われたりなどなど、大企業というのはおよそ「非効率」と「理不尽」の宝庫である。こういう非効率かつ理不尽な環境で、「なんでこいつらはこんなことやってるんだろう?」とか、「どうしてこうなってしまったんだろう?」とか、そういうことを自分なりに考えてみることは、もしかしたらよい経験になるかもしれない。もちろん、そこに自分ものめり込んで派閥争いや足の引っ張り合いの片棒をかつぐようなことになると非常にマズいのだけど、とりあえずフィールドワークのようなものだと思って大企業の中を見てみるというのも、「いずれ世界を変えたい!」という意識高い方々にとってはいい経験なのではないか。ベンチャーみたいなところは常時人員不足で、ある意味いつでも入れると言えなくもないので、「大企業ってホントクソだなー」と心から実感してからベンチャーとかに転向しても遅くはないかもしれない。

 

仮に本当に酷い組織になってしまった会社があったとしたら、そこは壮大な「失敗実験」をしてくれたと見ることもできる。その実験結果を色々と観察し、考察することは割とためになるのではないだろうか。いずれ自分がリーダーシップを発揮する立場になるつもりがあるなら、最初に「べからず集」を叩き込むのはいいことなのかもしれない。もちろん、怪我をしそうになったらすぐに逃げ出す必要があるので、そういう身軽なキャリアを歩むことを最初から決めている人にしかおすすめできないのだけど。

 

大事なことを最後に言っておくと、このような「大企業は◯◯」とか「ベンチャーは✕✕」という話はだいぶ乱暴な議論で、あくまで傾向を語っているに過ぎないということだ。大企業だっていい感じに成長できる会社はあるだろうし、ベンチャーでまったく成長できない会社だってあるだろう。

 

そういう意味で、就活中の学生の方には、「大企業」とか「ベンチャー」とかいう枠にとらわれるのではなく、企業単体をよく見て、さらに自分自身の特性をよく考えた上で就職先を検討することをおすすめしたい。

 

大企業サラリーマン 生き方の研究

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