脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

毎朝30分以上早く出社してたけど別に評価されてなかった新入社員の話

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以下の記事を読んで。

入社2日目の明日から試して欲しいこと|ライフネット生命 社長兼COO 岩瀬大輔のブログ

新入社員が朝30分早く来て新聞を読むのはハックとしては割とおすすめ - nanapi社長日記 @kensuu

 

毎朝30分早く来て、新聞を読んでいるだけでグングンその人の信頼が高まっていくような組織って正直どうなんだろうか、と僕は思うのだが、日本の会社の一部ではたしかにこの施策は「ハック」としては有効だろう。個人的な心情としては賛成しかねるのだけど、戦略的に「ハック」として試すという人がいるなら僕は止めようとは思わない。

 

これらの記事を読んで、そういえば前職で、毎朝30分以上早く出社していたものの、さっぱり評価に繋がっていなかった新卒社員がいたことを思い出した。

 

彼は30分どころか、定時の2時間ぐらい前には毎朝出社するようにしていたらしい。「らしい」と書いたのは僕自体がそんなに早く出社することがなかったので、確認のしようがなかったからだ。それでいて、夜は夜で終電近くまで会社に残ることも少なくなく、彼の会社に対するコミットは勤務時間だけ見れば非常に高いものになっていた。

 

そんな朝から晩まで会社に居続ける彼に対する評価は、決して高いものではなかった。彼のことをよく知らない人は、いつも会社にいる彼を見て「なんとなく頑張ってそうだ」と肯定的な評価を下していたらしいが、少なくとも彼と同じ部署にいる人からの評判は芳しくなかった。理由は単純で、彼が早く出社したり終電間際まで残る「必然性」がさっぱりわからなかったからだ。チーム内のタスクの状況などを考慮すると、彼ひとりだけがそんなにも多く仕事を抱えているようにはあまり思えない。それなのに、労働時間は他の誰よりも長い。一度、「そんなに朝早く来て何やってるんですか?」と聞いたこともある。その時は「いやー、今いろいろ忙しくて……」と、なんだかよくわからない返事が帰ってきた。どうやら彼は「頑張っているアピール」を必要以上にやりすぎたために、逆に周りから不審に思われてしまったようだった。

 

彼がなぜこんな無意味な行動に出たのか、本当の理由は本人でないのでわからない。おそらく、新人特有のやる気に満ち満ちた状態が引き起こした空回りだったのではないかと思う。彼の「頑張るぞ」という気持ちは、結果を出すことではなく、頑張ることそれ自体に向いてしまったようだ。

 

ここまで極端ではなくても、新人がやる気を空回りさせているのを見かけることは割と多い。これはその新人本人にとっても、あるいは会社にとっても、非常にもったいないことだと思う。入社式でえらい人からありがたいお話を聞いてやる気になったという人たちも、定期的に冷静になり、自分の頑張りが「空回り」ではないかどうかは振り返ったほうがいいかもしれない。戦略的に(つまり、ハックとして)「頑張っている姿勢」を見せるにしても、「あいつ、空回りしてるな」と判断されると一気に評価が地に落ちるということを忘れてはならない。