脱社畜ブログ

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『僕たちはもう帰りたい』:「もう帰りたい」と思えるのは、今よりも良い場所を知っているから

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こちらの本をお送りいただきました。ありがとうございます。

 

僕たちはもう帰りたい(ライツ社)

僕たちはもう帰りたい(ライツ社)

 

 

『僕たちはもう帰りたい』。この本のタイトルを見ると真っ先に、会社員時代の通勤時のことが思い出された。

 

基本的に僕はいつだって帰りたかったのだが、特に一番帰りたいという気持ちが強くなるのが、家を出て通勤のための駅に向かう道のりだったりする。一度、事故か何かで電車が止まってホームに人が入り切らず、行列ができていたことがある。その時は、自分もみんなと同じように行列に並びながら会社に「遅れます」というメールを送ったが、内心ではもう「帰りたい」という気持ちで心がいっぱいになってつらかった。おそらく、同じことを考えながらあの行列に並んでいた人はたくさんいたと思う。なんで僕はこうやって行きたくもない場所に行くために必死に頑張っているのだろうか。ああ、もう帰りたい。

 

本書は、そんなふうに一度でも「もう帰りたい」と思ったことがある人の心に刺さる一冊になっている。本書の登場人物は年齢、性別、立場の点で多様だが、とにかく「帰りたい」という一点では共通している。テーマがテーマだけに、一歩間違うと救いがない暗い内容になってしまいそうだが、どの話も最後には希望がある。

 

本書を読んで「なるほど」と思ったことがひとつある。本書では、「もう帰りたい」という気持ちが沸き起こるのは、少なくとも今よりも良い場所が存在しているからだということを指摘している。言われてみればあたりまえのようだが、実はものすごく前向きでいい考え方だと思う。会社から「もう帰りたい」と思っている人には、少なくとも帰る場所は存在している。よくある「そんなに家に早く帰って何をするんだ」的な指摘は、結局のところ帰りたい場所がないということなのかもしれない。

 

「もう帰りたい」と思える人は、ぜひともその帰った先を大切にしてほしいと思う。ある意味、みんなが健全に「帰りたい」という気持ちを抱けたのであれば、みんながその気持を実現するために一致協力し、業務を効率化して、もっとよい職場を作ることにだって繋がるかもしれない。だから、「帰りたい」という気持ちを消す方向で頑張ってはいけない。そこから「帰りたくない」職場なんて、絶対に嫌である。

 

一点、書き忘れたが本書は全編マンガなので、それこそ仕事でヘトヘトに疲れて活字を追うことができない人でも読むことができると思う。会社から帰りたいのに帰れない、そんな人は一度、本書を読んで自分の「帰りたい」という気持ちと向き合ってみてはいかがだろうか。