脱社畜ブログ 仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。 2020-05-04T18:50:32+09:00 dennou_kurage Hatena::Blog hatenablog://blog/12704591929888614347 値段が安い店が特にモンスター消費者をひきつける hatenablog://entry/26006613561438023 2020-05-04T18:50:32+09:00 2020-05-04T18:50:32+09:00 昨日までで、4/30発売の新刊『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』にページ数の関係で載せることができなかったコラムの掲載を一通り終えたのですが、そういえば本文でも、ページ数の関係で割愛したものがあることに気が付きました。 今回は、その中でも独立して読めそうな部分を、ひとつ抜粋して掲載します。本当は2章に組み込むつもりだったのですが、2章のテーマ「やりがいと裁量」の話とは必ずしも関係がないので、泣く泣く削ったものです。 はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。 作者:日野 瑛太郎 発売日: 2020/04/30 メディア: 単行本 新刊は鋭意発売中ですので、ぜひ合… <p>昨日までで、4/30発売の新刊『<span style="color: #454545; font-family: 'Helvetica Neue', Helvetica, Arial, 'Hiragino Kaku Gothic Pro', Meiryo, 'MS PGothic', sans-serif; font-size: 15.2px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</span>』にページ数の関係で載せることができなかったコラムの掲載を一通り終えたのですが、そういえば本文でも、ページ数の関係で割愛したものがあることに気が付きました。</p> <p> </p> <p>今回は、その中でも独立して読めそうな部分を、ひとつ抜粋して掲載します。本当は2章に組み込むつもりだったのですが、2章のテーマ「やりがいと裁量」の話とは必ずしも関係がないので、泣く泣く削ったものです。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51+Zo7aZajL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>新刊は鋭意発売中ですので、ぜひ合わせてお読みいただければと思います!</p> <p> </p> <blockquote> <p class="p1">   値段が安い店が特にモンスター消費者をひきつける</p> <p class="p2"> </p> <p class="p1"> モンスター消費者を引きつけてしまいやすい店には、ひとつの特徴があります。</p> <p class="p1"> それは、価格設定が安めであるということです。</p> <p class="p1"> ことわざに「金持ち喧嘩せず」というものがありますが、高級店で消費者が店員と揉めている姿を見ることはまずありません。金銭的な余裕があると心にも余裕が生まれるのか、高級店を利用する客は、店員に対しても柔らかな物腰で接する人が多い印象があります。</p> <p class="p1"> かくして高級店は雰囲気を維持することができ、さらに質の高い客を集めることができるようになります。</p> <p class="p1"> それに対して価格設定が安めの店では、消費者が店員に文句を言っている場面に出くわすことがよくあります。言い返せない店員をつまらないことで詰っている客は、実はそれほど高いお金を払ったわけではないことがほとんどです。</p> <p class="p1"> こういうことを書くと僕が低価格の店を利用する客を不当に蔑んでいるように見えてしまうかもしれませんが、傾向として低価格店のほうがクレームをつける客が多いのは事実です。</p> <p class="p1"> 本来であれば、サービスの質が多少は低くても、値段さえ安ければ消費者側も妥協してくれそうなものですが、少なくとも日本ではそういうふうにはなっていません。</p> <p class="p1"> むしろ、価格帯が安い店に来る消費者のほうが、サービスに対する要求水準は高いとすら言えます。</p> <p class="p1"> なぜこのような歪な状態になってしまうのでしょうか?</p> <p class="p1"> 思うに、高い価格帯の店を利用する客は、少なくとも「サービスはタダではない」ということを知っています。店側もそういう意識のある客を相手にしているので、必要なサービスを提供するために十分なお金をかけて、余裕を持ってサービスが提供できます。</p> <p class="p1"> その結果、従業員に割りに合わない負担をかけることもなくなるので、接客の質も上がります。「客を選び、お金をかけてサービスの質を上げる」という、ある意味ではあたりまえのやり方によって、サービス提供の好循環が作り出せているのです。</p> <p class="p1"> 一方で、低価格帯の店を好んで利用する客の中には、そもそも「サービスにはお金がかかるものだ」という意識がない人が大勢います。この人たちにとって、サービスとは「お金を払わなくても受けられてあたりまえのもの」という位置づけです。</p> <p class="p1"> ゆえに、その「あたりまえのもの」が受けられなかった場合には、店側から損害を与えられたという被害者意識が高まり、激しいクレームへと発展します。</p> <p class="p1"> 逆に言えば、このような認識でいる人たちには、どんなに良いサービスを提供しても強く感謝されることはありません。「あってあたりまえ」のものに対して、いちいち感謝することを人はしないからです。</p> <p class="p1"> 「誰かに喜んでもらいたい」という思いから接客の仕事を始めた人にとって、このような客は仕事へのモチベーションを削いでいく存在でもあります。</p> <p class="p1"> 低価格店ゆえに給料も上がらず、相次ぐクレーム対応に疲弊し、客から感謝もされないことで仕事へのモチベーションも失った店員は、長く店にとどまることをせず、すぐに離職してしまいます。</p> <p class="p1"> このように人の入れ替えが激しい店では、満足な従業員教育も施せません。その結果、接客の質も上がることはなく、ますます接客上のトラブルが増えるという悪循環に陥ります。</p> <p class="p1"> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>で働く人を保護するためには、店はある程度の価格を維持することが必須だと言えるでしょう。</p> </blockquote> <p> </p> dennou_kurage 「お客様は神様です」という言葉の本当の意味 hatenablog://entry/26006613561128444 2020-05-03T20:35:32+09:00 2020-05-03T20:43:39+09:00 本日も、新刊『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』にページ数の関係で載せることができなかったコラムを掲載します。 はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。 作者:日野 瑛太郎 発売日: 2020/04/30 メディア: 単行本 コラム:「お客様は神様です」という言葉の本当の意味 商売の世界などでは「お客様は神様です」という言葉が使われることがあります。 この「お客様は神様です」という言葉ほど、世のモンスター消費者を勘違いさせる言葉はないようで、「おい!客を何だと思ってるんだ!お客様は神様だって教わらなかったのか?」 などと店員を詰るのに、便利に使われてしまっている… <p>本日も、新刊『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』にページ数の関係で載せることができなかったコラムを掲載します。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51+Zo7aZajL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <blockquote> <p>   コラム:「お客様は神様です」という言葉の本当の意味</p> <p> </p> <p> 商売の世界などでは「お客様は神様です」という言葉が使われることがあります。<br /> この「お客様は神様です」という言葉ほど、世のモンスター消費者を勘違いさせる言葉はないようで、<br />「おい!客を何だと思ってるんだ!お客様は神様だって教わらなかったのか?」<br /> などと店員を詰るのに、便利に使われてしまっている光景をよく見かけます。<br /> 実はこの「お客様は神様です」という言葉は、もともとはまったく違う文脈で使われていたもので、接客業の現場などで使うべきフレーズではありません。モンスター消費者はそのことを理解せずに、どこかで聞いた便利なフレーズを自分に都合よく解釈して使っているだけなのです。</p> <p> 一番最初に「お客様は神様です」という言葉を使ったのは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CF%B2%B6%CA">浪曲</a>師の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C7%C8%BD%D5%C9%D7">三波春夫</a>さんだと言われています。<br /> 1961年にある地方都市の体育館で行われた対談の中で、聴衆のことをどう捉えているかと問われた時に、<br />「うーむ、お客様は神様だと思いますね」<br /> と三波さんが答えたのがどうやら初出のようです。<br /> その後、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%C4%A5%B4%A1%BC%BB%B0%C9%A4">レツゴー三匹</a>という<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%A1%BA%CD%A5%C8%A5%EA%A5%AA">漫才トリオ</a>が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C7%C8%BD%D5%C9%D7">三波春夫</a>のモノマネをする際に「お客様は神様です」というフレーズを使うようになり、それで日本中に広がったのですが、今ではこの経緯を正しく理解している人はほとんどいません。<br /> 三波さんの言う「お客様」というは、ステージに立つ三波さんの演技を見ている聴衆・オーディエンスのことです。<br /> 三波さんにとってステージで唄うという行為は神聖なものであり、雑念を払って澄み切った心で完璧な芸を見せなければならない、そのために聴衆を神様と見て唄う――というのが「お客様は神様です」という言葉の真意であり、言うならばこれは芸事の心構えです。<br /> ところが、「お客様は神様です」というフレーズ自体が持っている印象が強かったためか、気づくと本来の芸事の心構えという文脈は無視され、接客業で働く人の心構えのような形となって定着してしまいました。このことには<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%C7%C8%BD%D5%C9%D7">三波春夫</a>さん自身も困惑していたようで、公式ホームページにはこの誤解について言及した文章が掲載されています(<a href="https://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html">https://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html</a>)。</p> <p> この本をここまで読んできた方なら、接客業において「お客様は神様です」などという標語を持ち出すことがどれだけ間違ったことか、理解していただけていると思います。<br /> もっとも、日本では<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%AC%C9%B4%CB%FC%A4%CE%BF%C0">八百万の神</a>といった考え方があり、神様と一口で言っても様々な神様がいます。これだけ神様がたくさんいれば、中にはまったく尊敬に値しない、貧乏神や疫病神のようなはた迷惑な神様も存在します。<br /> 接客業の現場で「お客様は神様だぞ!」と怒鳴り込んでくるような消費者は、神様は神様でもこの手の貧乏神か疫病神の類に違いありません。こういった神様に関わっていると、商売はうまくいきませんし、幸せも逃げていきます。<br /> この手の神様に遭遇してしまったときには、客扱いはせずに、一刻も早く退店していただくのがスマートな対応だと思います。</p> </blockquote> <p> </p> <p>4日連続でお送りしてきたお蔵入りコラムの掲載も、これでいったん一段落となります。ありがたいことに、早くも拙著を読み終えたという方々からチラホラと感想もいただいています。なかなか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>以外の話題に興味を持ちづらい状況下ですが、そんな中、僕の本を読んでいただいて前向きな感想をいただけることは著者として大変嬉しく思います。</p> <p> </p> <p>引き続き、発売中ですのでどうぞよろしくおねがいします。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51+Zo7aZajL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage なぜモンスター消費者には「年配の男性」が多いのか? hatenablog://entry/26006613560253024 2020-05-02T20:50:06+09:00 2020-05-02T20:50:57+09:00 今日も、新刊『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』にページ数の関係で載せることができなかったコラムを掲載します。 はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。 作者:日野 瑛太郎 発売日: 2020/04/30 メディア: 単行本 コラム:なぜモンスター消費者には「年配の男性」が多いのか? 飲食店や携帯ショップの窓口などサービス業で働いている人たち数名に、揉め事を起こす客の年齢や性別について質問をしたことがあります。 すると答えは決まって「年配(高齢)の男性」というものでした。これは業態によらず、すべての業種に共通する傾向のようです。 勘違いされないように断っておきま… <p>今日も、新刊『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』にページ数の関係で載せることができなかったコラムを掲載します。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51+Zo7aZajL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <blockquote> <p class="p1">   コラム:なぜモンスター消費者には「年配の男性」が多いのか?</p> <p class="p2"> </p> <p class="p1"> 飲食店や携帯ショップの窓口などサービス業で働いている人たち数名に、揉め事を起こす客の年齢や性別について質問をしたことがあります。</p> <p class="p1"> すると答えは決まって「年配(高齢)の男性」というものでした。これは業態によらず、すべての業種に共通する傾向のようです。</p> <p class="p1"> 勘違いされないように断っておきますが、これはあくまで傾向の話です。実際には若者や女性のモンスター消費者もたくさんいるでしょうし、年配の男性であっても大半は善良な一般客です。年配の男性を攻撃しようという意図はまったくありません。</p> <p class="p1"> とはいえ、サービス業で働いている人たちが、こうも口を揃えて「揉め事を起こす客には年配の男性が多い」と言っていることを考えると、そうなってしまう理由が何かしらあると考えるのが自然でしょう。</p> <p class="p1"> まず考えられるのは「年配の男性」が生きてきた時代や価値観です。</p> <p class="p1"> もちろん「年配」と一口に言っても世代の幅は大きいので大雑把なことしか言えませんが、この年代の人たちは「立場」を絶対視する人が多い世代だと言えます。</p> <p class="p1"> 彼らは会社での役職にこだわる延長で、店員と客という立場の違いにもこだわります。実際には店員と客というのは接客中に限定された一時的な立場の違いでしかないのですが、そういう理屈は彼らには通用しません。自分は客で相手は店員という立場なのだから、「店員は自分の言うことをなんでも聞いて当然だ」と思っている節があります。</p> <p class="p1"> さらに、この世代の男性は古い<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%A7%A5%F3%A5%C0%A1%BC">ジェンダー</a>感を持っている場合が多く、女性を下に見ている人も少なくありません。そして、現代の日本ではサービス業に従事している人の中心は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%E3%A4%A4%BD%F7">若い女</a>性です。このことがまた、彼らに強い態度を取らせます。</p> <p class="p1"> つまりサービス業の中心を占める「若い」「女性」の「店員」という属性が、立場を絶対視する「年配の男性」から下に見られやすいという構造になっているということです。</p> <p class="p1"> この手の年配男性のクレーマーが厄介なのは、何か解決したい問題があってクレームを入れているのではなく、単に説教をしてやろうという気持ちからクレームを入れている人が少なくないということです。中には本気で「サービスの悪い店員を指導してやっている」と思い込んでいる人までいると言います。こういった勘違客を相手にしなければならない店員のストレスは相当なものです。</p> <p class="p1"> また、これは男性に限った話ではありませんが、高齢になると人間は認知機能が衰えて感情抑制が難しくなると言います。つまり、歳を取ると怒りっぽくなるのです。年配の客が店員を怒鳴りつけている光景をよく見かける背景には、そのような生理的な背景もあります。</p> <p class="p1"> さらに別の背景として、老後の孤独を紛らわせるために店員に突っかかっている年配客も中にはいると言います。既に会社は定年退職し、今ではもう何の役職もなく、家庭では邪魔者扱いを受けている――そういう人でも、飲食店に言って「客を何だと思ってるんだ!」と怒鳴り声を上げれば、店員は神妙に頭を下げてくれます。意識的にではなくとも、このことが快感になってしまっているのでしょう。とんでもなく迷惑な話です。</p> <p class="p1"> 本来であれば、年齢を重ねているということはそれだけ人生経験を積んでいるということなのだから、周囲に迷惑をかけないぐらいの分別はついていてほしいものです。ところが現実には、他の善良な客や店員に迷惑ばかりかけている困った年配客はたくさんいます。</p> <p class="p1"> 今後、日本社会の高齢化はますます進んでいきます。何か抜本的な対策を取らない限り、困った年配客は今後も増え続けるでしょう。いたずらに世代間の対立を煽ることはしたくありませんが、サービス業の現場を崩壊させないためにも、年配の方々には年齢にふさわしい紳士的な振る舞いをしていただきたいと思います。</p> </blockquote> <p> </p> <p>発売中の新刊ですが、先程見たら、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Amazon">Amazon</a>上で数ページですが中身が確認できる状態になっていました。また、帯の画像も掲載されるようになったみたいです。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51+Zo7aZajL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p>本屋が閉まっているので立ち読みできないという方も、ぜひ見てみていただければと思います。</p> dennou_kurage 感情労働がなくなる日 hatenablog://entry/26006613559656404 2020-05-01T19:16:21+09:00 2020-05-01T19:17:39+09:00 今日も昨日に続いて、新刊『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』にページ数の関係で載せることができなかったお蔵入りコラムの内容を掲載します。 コラムの内容自体はほぼ独立していますので、本を読んでいただいていない方でも問題なくお読みいただけます。こちらとあわせて、ぜひ書籍の方も手にとっていただければと思います! はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。 作者:日野 瑛太郎 発売日: 2020/04/30 メディア: Kindle版 コラム:感情労働がなくなる日 しばらく前から、AI(人工知能)というキーワードを新聞や本などでよく見かけるようになりました。 AIがブーム… <p>今日も昨日に続いて、新刊<span style="color: #454545; font-family: 'Helvetica Neue', Helvetica, Arial, 'Hiragino Kaku Gothic Pro', Meiryo, 'MS PGothic', sans-serif; font-size: 15.2px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』にページ数の関係で載せることができなかったお蔵入りコラムの内容を掲載します。</span></p> <p> </p> <p>コラムの内容自体はほぼ独立していますので、本を読んでいただいていない方でも問題なくお読みいただけます。こちらとあわせて、ぜひ書籍の方も手にとっていただければと思います! </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41kQ0NAJ+4L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <blockquote> <p class="p1">   コラム:<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>がなくなる日</p> <p class="p2"> </p> <p class="p1"> しばらく前から、AI(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%B9%A9%C3%CE%C7%BD">人工知能</a>)というキーワードを新聞や本などでよく見かけるようになりました。</p> <p class="p1"> AIがブームになるのは、実は今回で3回目だと言われています。</p> <p class="p1"> 最初に世界でAIブームが起こったのは1950年代のことでした。そう考えると、AIという概念自体は最近になって急に出てきたものであるというわけではなく、だいぶ昔からあるものだということがわかります。</p> <p class="p1"> ではなぜ今になって、また急にAIが注目され始めたのでしょうか?</p> <p class="p1"> それは長らく学問的に停滞してきたAIの世界で「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%A3%A1%BC%A5%D7%A5%E9%A1%BC%A5%CB%A5%F3%A5%B0">ディープラーニング</a>」と呼ばれる新しい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%A1%B3%A3%B3%D8%BD%AC">機械学習</a>手法が発明され、この手法を使って現実社会の問題を解決する例が急激に増えてきているからです。</p> <p class="p1"> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%A3%A1%BC%A5%D7%A5%DE%A5%A4%A5%F3%A5%C9">ディープマインド</a>社(後にグーグルに買収されました)が開発した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%CF%B8%EB">囲碁</a>AIの「アルファ碁」が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%CF%B8%EB">囲碁</a>の世界チャンピオンを下したというニュースや、自動運転技術の急激な発展の背景には、この新しい<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%A1%B3%A3%B3%D8%BD%AC">機械学習</a>技術によるブレイクスルーがあります。</p> <p class="p1"> 本書はAIの本ではないので技術の詳細に言及することは避けますが、AI技術の応用範囲は非常に広く、様々な分野で今まで人間がやらなければならないとされてきた仕事を、機械だけで完結できるように置き換えつつあります。</p> <p class="p1"> これは接客業のような、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>の代表職種にもそのままあてはまります。</p> <p class="p1"> 伝統的に、接客のような対人サービスの仕事は、機械には苦手とされてきた分野でした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%AB%C1%B3%B8%C0%B8%EC">自然言語</a>を理解し、相手が欲しているものを提供することができるのは人間だけで、そういう仕事は機械にはできないと考えられてきたからです。</p> <p class="p1"> ところが、最近はそういったことも、AI技術を応用することで可能になってきています。</p> <p class="p1"> たとえば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google%20Home">Google Home</a>やAlexaといった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%B9%A5%D4%A1%BC%A5%AB%A1%BC">スマートスピーカー</a>は、かなり正確に発話内容から人間のニーズを理解することができます。回転寿司チェーンのはま寿司では、既に人間ではなく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%E9%A5%A6%A5%C9">クラウド</a>AI搭載型ロボットのペッパーが受付業務を行っています。</p> <p class="p1"> もちろん、これらの技術は未だ発展段階にあるため、現時点ではまだ「完全に人間の接客をAIに置き換える」レベルには至っていません。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%B9%A5%D4%A1%BC%A5%AB%A1%BC">スマートスピーカー</a>にせよペッパーにせよ、頓珍漢な受け答えをしたり話が通じなかったりすることはよくあります。</p> <p class="p1"> しかし、そう遠くない未来に、飲食店の注文受付から給仕、会計ぐらいはすべてAI搭載のロボットが完結して行えるようになる可能性は十分にあります。この世界は進化のスピードが非常に早いので、あと10年もしないうちにそういう世界がやってくるかもしれません。</p> <p class="p1"> 人間と違って、AIは疲れることを知りませんし、傷つくこともありません。人間のように、ストレスが原因で離職してしまうということもないので、コストとクオリティの問題さえクリアできるなら、経営者はすぐにでも人手をAIに置き換えたいと思っているはずです。</p> <p class="p1"> では、そうやってAIが社会に広く浸透した未来には、もう<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>の仕事はなくなるということなのでしょうか?</p> <p class="p1"> これは結構、微妙なところだと僕は考えています。</p> <p class="p1"> たしかに、AI技術が本格的に対人サービスの現場に導入されるようになれば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>の総量自体は減っていくだろうと思われます。「普通の客」が店に来て何かを注文して買うぐらいのことであれば、もはや人間の店員が接客をしなくても特に問題は起きないでしょう。</p> <p class="p1"> しかし、いわゆるモンスター消費者や迷惑クレーマーのような「厄介な客」の対応までAIで可能になるのかと言われると、それは疑問です。</p> <p class="p1"> こういう厄介な客の不当な要求に対して、AIが淡々と「それはできかねます」と返し続けるぐらいのことはできるでしょうが、彼らがそれで納得して帰ってくれるとは到底思えません。</p> <p class="p1"> 結局は、</p> <p class="p1">「機械では話にならん、人間の店員を出せ!」</p> <p class="p1"> ということになり、人間が出て行って今までどおり過酷な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>をしなければならなくなる場面は、未来でも残ってしまうのではないのでしょうか。</p> <p class="p1"> もしそうなってしまうとしたら、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>の仕事の過酷さは更に増すことになると言えます。</p> <p class="p1"> 善良な客の相手はほとんどAIがすることになるので、人間が相手にするのは基本的にモンスター消費者やクレーマーのような「厄介な客」だけです。今まで、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>をする人が励みとしていた「お客様の笑顔」にも「お礼の言葉」にも、もはや接することはできません。</p> <p class="p1"> そうなってしまったら、もはや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>の仕事は「やりがい」ではなく「割り切り」の気持ち以外ではこなせない仕事ということになりそうです。</p> <p class="p1"> 未来は必ずしも、明るいとは言えません。<span style="font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Helvetica, Arial, sans-serif;"> </span></p> </blockquote> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/dennou_kurage/20200424/20200424163537.jpg" alt="f:id:dennou_kurage:20200424163537j:plain" title="f:id:dennou_kurage:20200424163537j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>閉まっている本屋さんが多いですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C5%BB%D2%BD%F1%C0%D2">電子書籍</a>版もありますので、どうぞよろしくおねがいします。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41kQ0NAJ+4L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> dennou_kurage 世界の感情労働事情 hatenablog://entry/26006613559088493 2020-04-30T19:22:22+09:00 2020-04-30T20:37:25+09:00 前の記事でお知らせした通り、本日、約6年ぶりの新刊『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』が発売されました。 はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。 作者:日野 瑛太郎 発売日: 2020/04/30 メディア: 単行本 書影 この本には、残念ながらページ数の関係で載せられなかった話がいくつかあります。当初の構想ではコラムとして章と章の間に挟むつもりだったのですが、ページ数は増やせないという話になり、掲載を断念した原稿が僕のパソコンの中に眠っています。このまま日の目を見ないのも悲しいので、ブログで何回かに分けて掲載したいと思います。 コラムの内容自体はほぼ独立して… <p><a href="https://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2020/04/23/190703">前の記事</a>でお知らせした通り、本日、約6年ぶりの新刊『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』が発売されました。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41KBqH--oCL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <figure class="figure-image figure-image-fotolife mceNonEditable" title="書影"> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/dennou_kurage/20200430/20200430191830.jpg" alt="f:id:dennou_kurage:20200430191830j:plain" title="f:id:dennou_kurage:20200430191830j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <figcaption>書影</figcaption> </figure> <p>この本には、残念ながらページ数の関係で載せられなかった話がいくつかあります。当初の構想ではコラムとして章と章の間に挟むつもりだったのですが、ページ数は増やせないという話になり、掲載を断念した原稿が僕のパソコンの中に眠っています。このまま日の目を見ないのも悲しいので、ブログで何回かに分けて掲載したいと思います。</p> <p> </p> <p>コラムの内容自体はほぼ独立していますので、本を読んでいただいていない方でも問題なく読めるはずです。このエントリをきっかけに「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>」について興味を抱いた方は、ぜひ書籍の方も手にとっていただければと思います!</p> <p> </p> <blockquote> <p>   コラム:世界の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>事情</p> <p> </p> <p> 日本には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>が蔓延しているという話をここまでずっと書いてきましたが、では他の国の場合はどうなっているのでしょうか?<br /> まずは日本のお隣である韓国の状況を紹介したいと思います。<br /> 本文の中で、韓国では「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>者保護法」という法律の制定について議論されているという話を少し書きましたが、このことからもわかるように、韓国も非常に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>が蔓延している国です。その過酷さは日本と同程度か、場合によっては日本以上と言えるかもしれません。<br /> 韓国のサービス業ではよく「愛してます、お客さま」という決まり文句が使われているといいます。<br /> このことからもわかるように、韓国では顧客と店員との間に強い上下関係があるという価値観が一般的で、カスタマーハラスメントのような事例もよく起きています。<br /> 日本でも広く報道されたので記憶している方もいるかもしれませんが、2014年の12月、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%B4%DA%B9%D2%B6%F5">大韓航空</a>86便に乗客として乗っていた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%B4%DA%B9%D2%B6%F5">大韓航空</a>副社長の趙顕娥(チョ・ヒョナ)氏が接客に対するクレームをつけ、そのせいで旅客機が搭乗ゲートに引き返して運航が遅延するという事件がありました。<br /> この事件は、客室乗務員がマカデミアナッツを袋のまま提供したことがきっかけになって起きたことから「ナッツ・リターン事件」などと言われています。<br /> たかがマカデミアナッツのことぐらいで飛行機を遅延させるほどのクレームをつけるというのは明らかにやりすぎで、これは典型的なカスタマーハラスメントです。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%B4%DA%B9%D2%B6%F5">大韓航空</a>の副社長という社内の立場に物を言わせた嫌がらせだと考えれば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A1%BC%A5%CF%A5%E9%A5%B9%A5%E1%A5%F3%A5%C8">パワーハラスメント</a>にも該当すると思われます。<br /> この例に限らず、韓国国内では顧客の行き過ぎた要求が店員を苦しめる事件が相次いで起こっており、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>者保護法」を制定しようという声はこのような過酷な状況が背景になって上がってきたものでした。<br /> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>の問題に限らず、労働環境を巡る問題では韓国と日本には多くの類似点が見られます。韓国も日本と同様、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%B9%BB%FE%B4%D6%CF%AB%C6%AF">長時間労働</a>が常態化していますし、過労死も多数発生しています。<br /> 余談ですが、日本の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AC%A5%E9%A5%D1%A5%B4%A5%B9%B2%BD">ガラパゴス化</a>した労働環境をテーマにした僕の著書『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%CD%CE%B7%D0%BA%D1%BF%B7%CA%F3%BC%D2">東洋経済新報社</a>)は韓国語にも翻訳され、向こうでも多くの読者を獲得しました。<br />「日本人が書いた本なのに、まるで自分の国の人間が書いた本のようだった」<br />という感想も、現地の人からインターネット経由でたくさんいただきました。<br /> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%F2%BB%CB%C7%A7%BC%B1">歴史認識</a>などの問題では対立することも多い両国ですが、これだけ似たような問題に悩まされているのであれば、お互いもっと協力して知恵を出し合うのも一考ではないかと僕は思います。</p> <p> 韓国のような<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>大国がある一方で、世界には「サービス砂漠」と言われるぐらい、接客業の店員がサービスをしない国もあります。<br /> それは「EUの盟主」と言われることもあるドイツです。<br /> 仕事や観光で初めてドイツに行った日本人は、日本とはあまりにも違うドイツの店員の態度にびっくりするといいます。<br /> 愛想がないだけならまだしも、ドイツの店員は平気で顧客に文句を言います。<br /> ある人は、レジで支払いのために何気なく高額紙幣を出したところ、<br />「こんな高額紙幣で払うなんて! お釣りが用意できないじゃないか!」<br /> とブチ切れられたそうです。<br /> 日本でこんな対応をされたとなれば、すぐに店を晒してSNSで拡散させてやる……と息巻く人もいるかもしれませんが、ドイツではこのレベルの接客は普通のこと。悪いのはむしろ、高額紙幣で支払おうとした客側ということにすらなりかねません。<br /> 仕事の「責任範囲」に対する考え方も、ドイツでは徹底されています。<br /> 日本の接客業では「お客様を待たせるのはよくないことだ」という考え方が浸透しており、たとえばコンビニなどで品出しをしていても、レジに会計待ちの客が現れれば品出しを中断してレジの対応をするのが普通です。<br /> ところがドイツの場合は、待っている人を無視して品出しが続行されることがままあります。なぜそうなってしまうのかというと、その人の仕事の責任範囲に「レジ打ち」は含まれていないからです。<br /> 仮に含まれていた場合でも、ドイツの店員は平気で客を待たせます。<br />「今は品出しで手一杯だから、会計してほしいなら待て。待てないなら、あきらめて帰れ」<br /> という理屈です。<br /> 日本の店が「お客様最優先」で動いているとすれば、ドイツの店は「店のルール最優先」で動いていると言えるでしょう。<br /> このように、日本の常識で考えると驚くことばかりのドイツですが、労働者目線で見た場合は、必ずしも悪くありません。<br /> たとえば、ドイツ人の労働時間は、世界的に見ても非常に短いと言えます。2018年の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A3%CF%A3%C5%A3%C3%A3%C4">OECD</a>の調査では、ドイツの平均労働時間は1363時間と加盟国中最下位です。ちなみに日本は1680時間で、その差は317時間もあります。<br /> 有給休暇の取得率も、ドイツはほぼ100%です。たった5日間の有給取得を義務づける法律(2019年4月施行)を作るだけでも大変だった日本とは大違いです。<br /> 当然ながら、カスタマーハラスメントのような問題もドイツでは起こっていません。そもそもドイツには、客と店員との間に主従関係があるという考え方自体が存在しないからです(もしかしたら、客は店員の決めたルールに従わなければならないという意味で、逆の主従関係はあるかもしれませんが……)。<br /> ドイツの場合は少し行き過ぎなところもあるので、日本もドイツのようになるべきだとは決して思いませんが、それでも日本がドイツから学べることは数多くあるように僕は思います。</p> </blockquote> <p> </p> <p>緊急事態宣言で本屋さんの多くは閉まっていますが……<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%F3%A5%E9%A5%A4%A5%F3%BD%F1%C5%B9">オンライン書店</a>などでは購入可能です。何卒、よろしくおねがいします。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41KBqH--oCL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> ↓<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版もあります</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41kQ0NAJ+4L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』という「感情労働」についての本を書きました hatenablog://entry/26006613554839020 2020-04-23T19:07:03+09:00 2020-04-30T19:35:33+09:00 実に6年ぶり(!)なのですが、また本を書かせていただきました。今回は「感情労働」がテーマの本です。 はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。 作者:日野 瑛太郎 発売日: 2020/04/30 メディア: 単行本 発売日は4/30です。帯および本文のイラストは、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』と同様に、深川直美さんに描いていただきました。今回も、とてもユーモラスで素敵なイラストをありがとうございます! 見本が届きましたので、書影を掲載します。Amazonだと帯の写真が掲載されていないのですが、実物はとてもいい感じです。 これまでも本は3冊ほど出させて… <p>実に6年ぶり(!)なのですが、また本を書かせていただきました。今回は<strong>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>」</strong>がテーマの本です。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41KBqH--oCL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>発売日は4/30です。帯および本文のイラストは、<a href="https://www.amazon.co.jp/dp/B00HPRQK9Q/">『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』</a>と同様に、深川直美さんに描いていただきました。今回も、とてもユーモラスで素敵なイラストをありがとうございます!</p> <p> </p> <p>見本が届きましたので、書影を掲載します。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Amazon">Amazon</a>だと帯の写真が掲載されていないのですが、実物はとてもいい感じです。</p> <p><img src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/dennou_kurage/20200424/20200424163537.jpg" alt="f:id:dennou_kurage:20200424163537j:plain" title="f:id:dennou_kurage:20200424163537j:plain" class="hatena-fotolife" itemprop="image" /></p> <p>  </p> <p>これまでも本は3冊ほど出させていただいていますが、今度の本ではまた新しいテーマに挑戦させてもらっています。「働き方」という根底の部分は過去作とも共通していますが、<strong>今回は「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>」といういま日本で問題になりつつあるテーマを、様々な角度から深堀りしています。</strong></p> <p> </p> <p>もしかしたら、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>」と言われてもピンとこない人もいるかもしれません。そういう人のために簡単に説明すると、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>とは<span style="text-decoration: underline;">「感情の抑制や忍耐などを不可欠の職務要素とする労働」のこと</span>です。具体的には、接客業全般や看護師・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%F0%B8%EE%BB%CE">介護士</a>などが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>の代表職種だと言われています(なお、本書ではあえて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>の該当範囲を少し広めに取るようにしています。一般的なオフィスワーカーも、本書では<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>をしているものとして扱っています)。</p> <p> </p> <p>肉体労働が「肉体を使ってする労働」であり、頭脳労働が「頭脳を使ってする労働」のことであることから派生的に考えれば、<strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>とは「感情を使ってする労働」のこと</strong>だと言っても良いでしょう。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>は、肉体労働、頭脳労働に続く第三の労働形態だ、などと言われることもあります。</p> <p> </p> <p>そんな「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>」ですが、近年、日本ではいろんな意味でこの概念への注目が集まりつつあります。オリンピックを誘致する過程で、日本が「おもてなし」を世界へのアピールポイントにしたことからわかるように、日本のサービス水準は世界的に見てもトップクラスです。飲食店に入れば、決して高いお給料をもらっているとは言えない店員さんが、笑顔で非常に質の高い接客をしてくれます。このことはサービスの受け手から見れば良いことのように見えますが、視点を変えてサービスの提供側から見れば、それだけ働き手への「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>」の負担が高まっているとも言えます。</p> <p> </p> <p>中には店員が立場的に言い返せないことを逆手に取って、店員に暴言を吐いたり、理不尽な要求をする非常識な客もいます。こういった非常識な客が相手でも、店員は基本的に無理やり笑顔を作って対応をしなければなりません。タイトルの<strong>『はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。』</strong>という言葉は、そういった「現場の叫び」を反映させたものです。</p> <p> </p> <p>本書を書き上げた時点では、世界がこんなにも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>に翻弄される状況になることは想定していなかったのですが、その後の流れを見ている限りでは、コロナ禍の影響で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%BE%F0%CF%AB%C6%AF">感情労働</a>に従事する方たちの負担はますます増えているように思われます。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SNS">SNS</a>でも、ドラッグストアやコンビニなどの小<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%E4%C5%B9">売店</a>の店員さんや、医療関係の仕事に従事している方々などの悲惨な叫びを毎日のように目にします。</p> <p> </p> <p>そういう意味では、奇しくも今の日本に必要な本を出すことになったのではないか、とも思っています。緊急事態宣言下で本屋の多くが閉まっているという、<strong>純粋に売る側の視点から言うとかなりの逆境下での出版になってしまった</strong>のですが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%F3%A5%E9%A5%A4%A5%F3%BD%F1%C5%B9">オンライン書店</a>では購入できますし、<a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/">Kindle版もあります</a>ので、どうかお手に取っていただけますと幸いです。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41KBqH--oCL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046045183/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版↓</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41kQ0NAJ+4L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" title="はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0874F4C19/packet0a-22/">はい。作り笑顔ですが、これでも精一杯仕事しています。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CC%EE%20%B1%CD%C2%C0%CF%BA" class="keyword">日野 瑛太郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/04/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage アフターコロナの社会で「優秀」な人はセルフマネジメントに長けている人 hatenablog://entry/26006613550934167 2020-04-16T21:00:26+09:00 2020-04-16T21:08:15+09:00 緊急事態宣言を受けて、すっかり家から出ない生活が定着した。仕事はだいぶ前から完全にリモートワークになっているので、日用品の買い物と、運動不足解消のために散歩をする以外の理由では、もうほとんど家の外に出る機会はない。 僕は元からインドア派だったこともあり、新型コロナウイルスが流行する前からそもそもそんなに頻繁に外出をするタイプではなかったのだが、「外出できるけどしない」ことと「そもそも外出できない」ことには大きな差がある。徐々に慣れてきた部分もあるものの、やはりどこにも出かけられない今の状態はストレスが溜まる。 問題はこの生活がいつまで続くのかだが、緊急事態宣言自体はGW明けまでとされているもの… <p>緊急事態宣言を受けて、すっかり家から出ない生活が定着した。仕事はだいぶ前から完全にリモートワークになっているので、日用品の買い物と、運動不足解消のために散歩をする以外の理由では、もうほとんど家の外に出る機会はない。</p> <p> </p> <p>僕は元からインドア派だったこともあり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>が流行する前からそもそもそんなに頻繁に外出をするタイプではなかったのだが、「外出できるけどしない」ことと「そもそも外出できない」ことには大きな差がある。徐々に慣れてきた部分もあるものの、やはりどこにも出かけられない今の状態はストレスが溜まる。</p> <p> </p> <p>問題はこの生活がいつまで続くのかだが、緊急事態宣言自体はGW明けまでとされているものの、正直なところ、それでスパッとすべてが片付いて元の生活に戻れる見通しは暗いようである。僕は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%B6%C0%F7%BE%C9">感染症</a>の専門家ではないので適当な見解を述べることは差し控えたいが、ざっくりとネット上に漂う言説を見てみると、最短でも半年という話から、長いものになると10年かかるというものまであった。10年はさすがにどうかなぁと思いながらも、<strong>少なくとも2020年中はずっとコロナ禍が続くであろうことは、覚悟しなければいけない</strong>のかもしれない。</p> <p> </p> <p>コロナ禍が長引くと仮定しての話だが、そうなった場合、社会も今の状態を「一時的なもの」ではなく「恒常的なもの」として受け入れなければならなくなる。たとえば、<strong>仕事はもうリモートワークが基本ということになり、むしろ出社して働くことのほうが例外になる</strong>だろう。これにより、今までと仕事のやり方がガラリと変わる。</p> <p> </p> <p>企業は当然ながら、リモートワークで成果が出せる人材を積極的に採用したいと考えるようになるはずだ。今まではなんとなく「コミュニケーション能力が高い」人が多くの企業で「優秀」とされていたと思うが、<strong>そういう人の市場価値はいったん下がることになる</strong>かもしれない。もちろん、オンラインでも的確に必要事項をわかりやすく伝えられて仕事が回せるような、本当の意味でのコミュニケーション能力が高い人は今後も重宝されるだろう。しかし、なんとなく周囲のノリに合わせるのがうまいとか、場を盛り上げるのに長けているだけといった人は、アフターコロナの社会ではなかなか成果を出すのが難しくなる。</p> <p> </p> <p>そんなアフターコロナの社会で間違いなく鍵になるスキルだと僕が思うのが<strong>セルフマネジメント能力</strong>だ。もう仕事は家でするしかない以上、外部からの強制力で仕事をするのには限界がある。正直、リモートワークはサボろうと思えばいくらでもサボれてしまう。たまにはサボるのもよいと思うが(仕事中にネットサーフィンをするぐらいのことは、別にオフィスで働いていた時にだって誰もがやっていたはずだ)ここで際限なくサボってしまうか、うまく切り替えてやるべきことはしっかりやれるように自分を律することができるかが、アフターコロナの社会で成果を出せるかどうかの鍵になる。</p> <p> </p> <p>これは別に仕事の話に限らず、たとえば大学受験や資格試験など勉強の世界でも、セルフマネジメント能力が今後は成功の可否を決める鍵になるだろう。これまでは、家で勉強に集中できないという人には、カフェで勉強するとか、予備校の自習室に行くとか、そういう逃げ道があった。しかし当分はもう、そういう場所で勉強をするわけにはいかないだろう。なんとか自分の部屋で集中して勉強する方法を見つけるしかないということになる。この状況は、言ってみれば全員が宅浪を強制されているような状況であり、他の世代と比べるとかなり異例な状況だ。<strong>もしかしたら、来年の東大合格者は、どの世代よりもセルフマネジメントに長けた人たちになるのかもしれない。</strong></p> <p> </p> <p>僕自身は、自分のセルフマネジメント能力は「普通ぐらい」だと認識しているのだけど、これから社会で活躍していく人たちがことごとくセルフマネジメントの鬼のような人たちになるであろうことを想像すると、凡人の自分としてはちょっと怖いような気もする。いずれコロナ禍が落ち着いた数年後に、そういう「セルフマネジメントの鬼世代」の人たちと、それ以外の世代の人たちは、果たして一緒に働けるのだろうか。<strong>もしかしたら、セルフマネジメント世代の人たちは、他の世代の人たちがあまりにも非効率的で、怠けすぎることにイライラするかもしれない。</strong>あの人たちは会社に集まって毎日なんやかんやと話し合ってるけど、何も決められないし、何の成果も出せていないと、正論で責められたら(前の世代の人たちは)何も言い返せないかもしれない。</p> <p> </p> <p>そんな妄想をしながら、今日も元気に一日、家に引きこもった。変な世代間闘争が始まる前に、早くこの状態が落ち着くといいなぁ。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B019DZSFRW/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41MGeG39xjL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="人生を変える行動科学セルフマネジメント" title="人生を変える行動科学セルフマネジメント" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B019DZSFRW/packet0a-22/">人生を変える行動科学セルフマネジメント</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D0%C5%C4%BD%DF" class="keyword">石田淳</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2015/12/18</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> dennou_kurage 学習院大学卒業生代表による謝辞への違和感 hatenablog://entry/26006613540268588 2020-03-25T19:19:05+09:00 2020-03-25T19:26:59+09:00 学習院大学国際社会学部の卒業生代表による謝辞が話題になっている。 www.univ.gakushuin.ac.jp 話題になっているのは上のリンクの謝辞①のほうで、一部では「ロックだ」と褒める声も散見される。僕も読んでみたが、正直なところ、かなり違和感を覚えた。少なくとも、僕には到底「ロック」なものには思えず、むしろこの謝辞の背後に隠れている価値観のひとつは老害的ですらあると思う。 勘違いされそうなので少し詳しく書いておきたいのだが、僕は決して「謝辞なのに誰にも感謝をしていない」という点を問題だと思っているわけではない。むしろ「感謝する相手なんて思いつかない、強いて挙げるなら自分自身だ」という… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D8%BD%AC%B1%A1%C2%E7%B3%D8">学習院大学</a>国際<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%B2%F1%B3%D8">社会学</a>部の卒業生代表による謝辞が話題になっている。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="学部長祝辞・卒業生代表による謝辞 | 国際社会科学部" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.univ.gakushuin.ac.jp%2Fiss%2Fnews%2F20200320-1.html" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.univ.gakushuin.ac.jp/iss/news/20200320-1.html">www.univ.gakushuin.ac.jp</a></cite></p> <p> </p> <p>話題になっているのは上のリンクの謝辞①のほうで、一部では「ロックだ」と褒める声も散見される。僕も読んでみたが、正直なところ、かなり違和感を覚えた。少なくとも、僕には到底「ロック」なものには思えず、むしろこの謝辞の背後に隠れている価値観のひとつは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CF%B7%B3%B2">老害</a>的ですらあると思う。</p> <p> </p> <p>勘違いされそうなので少し詳しく書いておきたいのだが、<strong>僕は決して「謝辞なのに誰にも感謝をしていない」という点を問題だと思っているわけではない。</strong>むしろ「感謝する相手なんて思いつかない、強いて挙げるなら自分自身だ」という主張だけ取り出すなら、これはまあひとつの主張として成立はすると思う。たとえば、この人が「謝辞の挨拶になると、誰もが本当は感謝なんてしてない人に対しても上辺だけは感謝の言葉を述べる。それは茶番だ、こんなことには何の意味もない」とだけ書いて終わったというのであれば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%B7%CE%E9">儀礼</a>的なものに対する純粋な反抗心を表明したものとして、もう少し好意的に受け止められたかもしれないと思っている。</p> <p> </p> <p>ところが、この謝辞にはそういった「謝辞を述べる」という行為自体に反抗するだけにとどまらず、それとはまた違った価値観に基づく主張が挿入されている。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #333333; font-family: Lato, 'Helvetica Neue', Helvetica, Arial, 游ゴシック, 游ゴシック体, YuGothic, 'Hiragino Kaku Gothic ProN', 'Hiragino Kaku Gothic Pro', Meiryo, メイリオ, 'MS ゴシック', sans-serif; font-size: 16px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: left; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">しかし、私は素晴らしい学績を納めたので「おかしい」ことを口にする権利があった。大した仕事もせずに、自分の権利ばかり主張する人間とは違う。</span></p> </blockquote> <p> </p> <p><strong>この2文が決定的に余計</strong>であり、これがあるせいで、この謝辞の「反抗」的な内容は台無しになってしまっている。</p> <p> </p> <p>この2文を読む限り、この方は「権利」というものの性質について大きな勘違いをしているようだ。そもそも、<strong>権利は何かの対価として付与されるものではない。</strong>この謝辞では「素晴らしい学績を納めたので「おかしい」ことを口にする権利があった」と述べられているが、「おかしい」ことを「おかしい」と主張する権利は別に、素晴らしい学績を納めた人でなくても保障されてなければならないものだ。</p> <p> </p> <p>たとえば、選挙権について考えてみて欲しい。現代の日本において、選挙権は何かの対価として付与されるものではない。かつては、選挙権を得るための条件として一定額の納税が要求されてきた時代があったが、今ではそうはなっていない。このことからも、権利が何らかの義務を果たさないと得られないという価値観で現代の民主主義は動いていないことが理解できる。</p> <p> </p> <p>(↓詳しくは過去に書いた記事でも述べているので、興味ある方は参照してみてください)</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="「権利行使には義務が伴う」というフレーズに対するよくある誤解 - 脱社畜ブログ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fdennou-kurage.hatenablog.com%2Fentry%2F2012%2F12%2F08%2F131213" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/12/08/131213">dennou-kurage.hatenablog.com</a></cite></p> <p> </p> <p>そして、この「大した仕事もせずに、自分の権利ばかり主張する人間」を批判するというのは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>経営者であったり、あるいは政府の保守派のお偉方だったりが好んで行っていることでもある。こういった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CF%B7%B3%B2">老害</a>的な価値観が主張の裏に見えてしまっている時点で、僕にとってこの謝辞は「大きな違和感を覚えるもの」になった。</p> <p> </p> <p>「自分の権利ばかり主張する人間」を批判する意見は、日常レベルではよく耳にする話ではある。だから、これを何の疑いもなく、あたりまえだと思っている人も多い。ただ、そこで思考停止してはいけない(「思考停止」することに対する批判はこの謝辞にも出てくる)。<strong>そういう「あたりまえ」を疑って解体していく姿勢を身につけることこそ、大学生が在学中にやらなければならないことだ。</strong>「思考停止」を批判するなら、こんな手前の部分で思考停止してしまわないでほしかったと個人的には思う。</p> <p> </p> <p>ちなみに、一番感心したのはこの謝辞の内容よりも、この謝辞をそのままサイトに掲載した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D8%BD%AC%B1%A1%C2%E7%B3%D8">学習院大学</a>である。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #333333; font-family: Lato, 'Helvetica Neue', Helvetica, Arial, 游ゴシック, 游ゴシック体, YuGothic, 'Hiragino Kaku Gothic ProN', 'Hiragino Kaku Gothic Pro', Meiryo, メイリオ, 'MS ゴシック', sans-serif; font-size: 16px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: left; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">※謝辞①は内容が謝辞として相応しくないといった意見もありましたが、本学部は多様な意見を尊重しオープンな開かれた学部でありたいと考え、原文のまま掲載しております。</span></p> </blockquote> <p> </p> <p>今後も、大学はそういった開かれが議論が行われる場であってほしいと思う。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004318009/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/31VDtJW5WVL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="民主主義は終わるのか――瀬戸際に立つ日本 (岩波新書)" title="民主主義は終わるのか――瀬戸際に立つ日本 (岩波新書)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4004318009/packet0a-22/">民主主義は終わるのか――瀬戸際に立つ日本 (岩波新書)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%20%C6%F3%CF%BA" class="keyword">山口 二郎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/10/18</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 新書</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage リモートワークだからこそ「仕事モード」に切り替える儀式が必要 hatenablog://entry/26006613533676809 2020-03-11T20:47:52+09:00 2020-03-11T20:48:32+09:00 新型コロナウイルスは相変わらずだが、そのせいでリモートワークは、だいぶあたりまえになりつつある。標準的なIT系の企業なら、社内の会議がリモートなのは当然として、最近は顧客との会議であってもリモート開催で済んだりする。それなら平常時からリモートでよかったんじゃないか……というツッコミはあるにせよ、仕事の効率が上がるのは基本的には大歓迎だ。これを機会に「意味もなくダラダラと会議をやる」とか「とりあえず会ってお話を」みたいな我が国の非生産的な働き方は、見直されてほしいと思う。 ただ一方で、一部から「リモートワークだと今までのようにうまく働けない」という声も聞く。その中でも一番多いのが、「家だと仕事に… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>は相変わらずだが、そのせいでリモートワークは、だいぶあたりまえになりつつある。標準的なIT系の企業なら、社内の会議がリモートなのは当然として、最近は顧客との会議であってもリモート開催で済んだりする。それなら平常時からリモートでよかったんじゃないか……というツッコミはあるにせよ、仕事の効率が上がるのは基本的には大歓迎だ。これを機会に「意味もなくダラダラと会議をやる」とか「とりあえず会ってお話を」みたいな我が国の非生産的な働き方は、見直されてほしいと思う。</p> <p> </p> <p>ただ一方で、一部から「リモートワークだと今までのようにうまく働けない」という声も聞く。その中でも一番多いのが、<strong>「家だと仕事に集中できない」</strong>というものだ。この問題は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">コロナウイルス</a>の心配さえないのであれば近所のカフェや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%EF%A1%BC%A5%AD%A5%F3%A5%B0%A5%B9%A5%DA%A1%BC%A5%B9">コワーキングスペース</a>に移動して働くなどの工夫で簡単に乗り越えられるのだが、今はどうしてもそういう方法は取りづらい。どうしても家で集中して働く方法を考える必要がある。</p> <p> </p> <p>「家だと集中できない」という人は、<strong>仕事とプライベートの境界線が曖昧</strong>なことが多いのではないだろうか。それで仕事中にプライベートに属することをやりたくなってしまったり、逆にプライベートでも仕事のことが頭から離れなくなってしまったりするのだと思う。これは家でなんの対策もなく漫然と働いていると起こりうる。「家だと怠けてしまう」というタイプの方ならまだよいほうで、リモートワークで一番よくないのは、「家だと無制限に仕事をしてしまう」というタイプのものだ。実際、リモートワークが一部の人を「働きすぎ」に追い込むという話はだいぶ前から指摘されている。</p> <p> </p> <p>そこで、そういう人におすすめしたいのは、<strong>何らかの方法で「仕事モード」と「プライベートモード」を明確に切り替える儀式を導入する</strong>というものだ。儀式と言っても別にそれほど大仰なものである必要はない。人によっては、仕事で履くスリッパとプライベートで履くスリッパを履き替えるだけで、モードの切替を実現できる人もいるという。</p> <p> </p> <p>標準的なところでは、たとえば下記のような方法などはいいかもしれない。</p> <p> </p> <ul> <li>仕事をする時は少しかっちりとした服に着替える(スーツである必要はないが、パジャマのまま仕事をするのはよくない)</li> <li>仕事用のPCとプライベート用のPCを厳格に分離する(情報漏えい防止の観点からもこれはおすすめできる)</li> <li>部屋の数に余裕がある人は、仕事部屋を作る。そこではプライベートに関わることは一切しない。</li> <li>仕事をする時は部屋のカーテンを開けて、外から見えるようにする。逆に、仕事が終わったらカーテンは閉める。</li> </ul> <p> </p> <p>さらにこれは賛否が分かれるやり方だと思うが、仕事中はウェブカメラをオンにして仕事している光景をチームメンバー相互で共有するという方法もある。ただ、あまり厳格にやると相互監視っぽくなって嫌な空気が流れるので、これは強くはすすめない。</p> <p> </p> <p>思うに、これからリモートワークが世の中全体で本格化していけば、リモートワークのための様々な儀式が発明されることになるだろう。まだまだこの働き方は発展中という側面があるので、いろんな試行錯誤があってよい。一律で「リモートはダメだ」と思考停止するのではなく、今後も工夫を凝らしてリモートワークという働き方を育てていければきっと未来は明るくなると思う。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JFLJ13W/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41yuQfqd1kL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="強いチームはオフィスを捨てる" title="強いチームはオフィスを捨てる" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JFLJ13W/packet0a-22/">強いチームはオフィスを捨てる</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%A7%A5%A4%A5%BD%A5%F3%20%A5%D5%A5%EA%A1%BC%A5%C9" class="keyword">ジェイソン フリード</a>,<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%A4%A5%F4%A5%A3%A5%C3%A5%C9%20%A5%CF%A5%A4%A5%CD%A5%DE%A5%A4%A5%E4%A1%BC%20%A5%CF%A5%F3%A5%BD%A5%F3" class="keyword">デイヴィッド ハイネマイヤー ハンソン</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/04/01</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 世間が面白くない時は勉強に限る hatenablog://entry/26006613532357196 2020-03-09T20:51:50+09:00 2020-03-09T23:36:20+09:00 どうも3月に入ってぐらいから、浮いたニュースがなくて世の中がどんよりしているように感じる。 新型コロナウイルスのせいで多くのイベントが中止・延期になり、ニュースはほとんどその話題で独占されている。コロナの影響は当然経済にも及んでおり、株価は歴史的な下落を見せ、巷では「リーマンショックの再来」だとか「いよいよ景気後退が始まる」とか言われ始めている。これらの予想が本当に当たるのかどうかは現段階では誰にもわからないが、少なくとも日に日に未来の不確実性は増しているように思える。 とにかく今は毎日毎日暗いニュースが多く、そういう状況の中、不確実な未来についてあれこれと心配しているとそれだけでものすごく心… <p>どうも3月に入ってぐらいから、浮いたニュースがなくて世の中がどんよりしているように感じる。</p> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>のせいで多くのイベントが中止・延期になり、ニュースはほとんどその話題で独占されている。コロナの影響は当然経済にも及んでおり、株価は歴史的な下落を見せ、巷では「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A1%BC%A5%DE%A5%F3%A5%B7%A5%E7%A5%C3%A5%AF">リーマンショック</a>の再来」だとか「いよいよ景気後退が始まる」とか言われ始めている。これらの予想が本当に当たるのかどうかは現段階では誰にもわからないが、少なくとも日に日に未来の不確実性は増しているように思える。</p> <p> </p> <p>とにかく今は毎日毎日暗いニュースが多く、そういう状況の中、不確実な未来についてあれこれと心配しているとそれだけでものすごく心が疲れてしまう。こういう時には、インターネットをずっと眺めているのはよくない。ネットは良くも悪くも「いま起こっていること」をみんなで共有するという性質があるので、世の中の雰囲気が悪い時にネットばかり見ているとどんよりとした気持ちになってしまう。同じような理由で、<span style="font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Helvetica, Arial, sans-serif;">テレビもよくない。テレビもやはり「いま起こっていること」が視聴者の一番の関心事で、送り手側はそれを一生懸命伝えようとする。世の中が楽しい雰囲気なら、そういった「いま起こっていること」に注目するのもいいのだけど、こういう状況だと世の中の暗い雰囲気がダイレクトに受け手の気持ちに影響してしまう。</span></p> <p> </p> <p>では、こういう時はどうするのがよいのか。そこで僕が思い出したのは、ドイツ語学者である<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%D8%B8%FD%C2%B8%C3%CB">関口存男</a>先生の以下の言葉だ。</p> <p> </p> <blockquote class="twitter-tweet" data-lang="ja"> <p dir="ltr" lang="ja">世間が面白くない時は勉强に限る。失業の救濟はどうするか知らないが個人の救濟は勉强だ。</p> — <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%D8%B8%FD%C2%B8%C3%CB">関口存男</a> (@sondern_<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/bot">bot</a>) <a href="https://twitter.com/sondern_bot/status/776265819734933506?ref_src=twsrc%5Etfw">2016年9月15日</a></blockquote> <p> <script async="" src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> </p> <p> </p> <p>この<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>アカウントは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%D8%B8%FD%C2%B8%C3%CB">関口存男</a>先生の名言をひたすらつぶやく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/bot">bot</a>である。多くの方は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%D8%B8%FD%C2%B8%C3%CB">関口存男</a>って誰だよと思ったかもしれないが、そういう方はとりあえず以下のサイトを見てみてください。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="関口存男特設サイト|三修社" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.sanshusha.co.jp%2Fsekiguchi%2F" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.sanshusha.co.jp/sekiguchi/">www.sanshusha.co.jp</a></cite></p> <p> </p> <p>僕は大学時代の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%C6%F3%B3%B0%B9%F1%B8%EC">第二外国語</a>がドイツ語だったので、大学で指定されたテキストとは別に、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%D8%B8%FD%C2%B8%C3%CB">関口存男</a>先生の下記の参考書を使っていた。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4384004834/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41ZoDYjfB7L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="CD付 関口・初等ドイツ語講座〈上巻〉" title="CD付 関口・初等ドイツ語講座〈上巻〉" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4384004834/packet0a-22/">CD付 関口・初等ドイツ語講座〈上巻〉</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%D8%B8%FD%20%C2%B8%C3%CB" class="keyword">関口 存男</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2005/07/30</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>ちょうど新版が出たばかりの頃に本屋で立ち読みして、「これは……!」と思い、そのままレジに上中下巻の3冊を持っていった。 これがかなり良い本で、見た目はすごく硬派なのだが、説明は丁寧でごまかしがなく、僕にはとても合っていたのだ。関口先生は1894年生まれで1958年に亡くなっているので、僕とは何世代も前の方なのだが、そういう方の書いた本で勉強をするという経験も新鮮でまた面白かった。</p> <p> </p> <p>さて、そんな関口先生が「世間が面白くない時は勉強に限る」と言っている。<strong>世間が面白くない時って、まさに今のような状況の時ではないだろうか?</strong> たしかに社会の状況は不安だが、実は個人レベルでやれることは思いのほか少ない。それならば「いま起こっていること」を注視して一喜一憂するよりも、ひとりで黙々と勉強したほうが心の安寧は保てそうだ。</p> <p> </p> <p>ということで、ちょっと世間がコロナばかりで疲れてしまったと感じている人は、<strong>黙々と勉強をしてみてはどうだろうか。</strong>もちろん、ここでいう勉強というのは、受験勉強のような「いかにも」な勉強でなくてもよいだろう。<strong>たとえば、本を読むとかでもよいと思う。</strong>世の中の動きとは特に関係がない、ずっと昔に出た小説を読んでみるとかはいいかもしれない。<span style="font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Helvetica, Arial, sans-serif;">大事なのは、</span><span style="font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Helvetica, Arial, sans-serif;">「いま起こっていること」とある程度遮断されたコンテンツに触れることだ。</span></p> <p> </p> <p>そうやって足をためることで、また世の中が面白くなってきた時に、全力で走れるようになると思う。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478102147/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51ezd3G1l0L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法" title="世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478102147/packet0a-22/">世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%D3%C5%C4%20%B5%C1%C7%EE" class="keyword">池田 義博</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/03/10</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 「コロナで強制リモートワーク」が日本の会社にもたらしたもの hatenablog://entry/26006613530862870 2020-03-06T20:44:50+09:00 2020-03-06T20:44:50+09:00 以下を読んで、これはなかなか面白いことが起こっているなと思った。 togetter.com 新型コロナウイルスの影響で、今までリモートワークを「補助的な」ものに位置づけていた企業が、相次いで「全面的な」リモートワークの導入に踏み切っている。もちろん、リモートワークに移行する難易度は業体によって異なるので、今でも普通にオフィスで働いている人たちも多いとは思うが、概してIT系などはリモートワークとの親和性が高く、実際に僕も今はリモートで仕事をしている。 リモートワークについては普段から賛成派/反対派による様々な意見を聞くが、こんなにも多くの人が一斉にリモートワークを試すことになったのは、日本ではお… <p>以下を読んで、これはなかなか面白いことが起こっているなと思った。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="今までどれだけ無駄なことをしていたのだろう...新型コロナウイルスの影響で「仕事ってこんなに楽なのか」と思うようになった話" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Ftogetter.com%2Fli%2F1477552" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://togetter.com/li/1477552">togetter.com</a></cite></p> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>の影響で、今までリモートワークを「補助的な」ものに位置づけていた企業が、相次いで「全面的な」リモートワークの導入に踏み切っている。もちろん、リモートワークに移行する難易度は業体によって異なるので、今でも普通にオフィスで働いている人たちも多いとは思うが、概してIT系などはリモートワークとの親和性が高く、実際に僕も今はリモートで仕事をしている。</p> <p> </p> <p>リモートワークについては普段から賛成派/反対派による様々な意見を聞くが、こんなにも多くの人が一斉にリモートワークを試すことになったのは、日本ではおそらく初だろう。</p> <p> </p> <p>冒頭で紹介した記事は基本的に肯定的な声だけをまとめたものなので、そういう意味では多分にバイアスがかかっているのだが、それでも喜びの声を読んでいくと面白い。ここで主に挙げられているリモートワークによって得られたメリットには、たとえば以下のようなものがある。</p> <p> </p> <ul> <li>満員電車に乗らなくてよい</li> <li>無駄な会議が入らない</li> <li>会議が早く終わる</li> <li>無駄な仕事を振られることがなくなった</li> </ul> <p> </p> <p>満員電車に乗らなくてよいというのは、通勤という行為自体がなくなるので当然として、興味深いのは「無駄な会議が入らない」「会議が早く終わる」といった項目だ。</p> <p> </p> <p>Zoomに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a>ハングアウト、Slackコール、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Skype">Skype</a>などなど、ビデオ会議に利用できるツールは山程あるし、実際やってみると画面共有などもできて対面の会議よりも便利だったりするのだが、それでもビデオ会議は「気軽に開催しづらい」「なんだか居心地がよくないのですぐに終わりたい」という印象を利用者に抱かせるらしい。一見するとそれらはビデオ会議のデメリットのように感じらるが、実際にはこれが多くの人にメリットとして受け止められている。<span style="font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Helvetica, Arial, sans-serif;">日本の会社には無駄な会議が多いという愚痴はよく聞くが、まさかそれがこんな形で解消されることになるとは予想していなかった。</span></p> <p> </p> <p>思うに、ビデオ会議系ツールはこれまで、できるだけ実際の対面会議に近づけるという方向で進化してきた。カメラを通じて話者の表情が伝わりやすいようにするとか、カレンダーと連携してスケジュールに会議の予定を入れやすくするとか、日に日に便利になってきている。<span style="font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Helvetica, Arial, sans-serif;">でも、その進化も実はこのぐらいにしておいたほうがよいのかもしれない。これ以上進化して、リアルでオフィスにいる時のように無駄な会議を気軽に開催できるようになってしまったら、逆に生産性は落ちてしまいそうだ。</span></p> <p> </p> <p>もちろん、「強制リモートワーク」は始まったばかりなので、これが企業活動にどういう影響を与えたかは、もう少し長い期間やってみないと評価を下すことはできないだろう。実際にはデメリットだってそれなりにあるとは思う。それでも、せっかく大規模に実験する機会を得たのだから、この知見はぜひ前向きに活かして欲しいと思う。「コロナが終息したので、今まで通りに戻します」だけで終わってしまい、何も振り返ることなく一夜の夢として終わってしまうのはもったいない。</p> <p> </p> <p>個人的には、<strong>コロナ終息後も「週に数日はリモートワークで働く」という習慣を残してみてはいいのではないか</strong>と思う。これなら「フルリモートはちょっと」と考えている企業だって気軽に導入できる。<span style="font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Helvetica, Arial, sans-serif;">たまにはオフィスに行って人と対面で仕事をするのもよいとは</span><span style="font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Helvetica, Arial, sans-serif;">思うが、毎日である必要はたぶんあまりない。オフィスの家賃や通勤定期券代は日割りにするのが難しそうなので、コスト面ではデメリットもあるのだが、それよりも生産性向上や社員の健康維持といったメリットのほうが大きいのではないだろうか。</span></p> <p> </p> <p>全国の社長の皆様は、ぜひ検討を。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152094338/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41nDcp8X7fL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」" title="強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152094338/packet0a-22/">強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A5%A7%A5%A4%A5%BD%A5%F3%A1%A6%A5%D5%A5%EA%A1%BC%A5%C9" class="keyword">ジェイソン・フリード</a>,<a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%A4%A5%F4%A5%A3%A5%C3%A5%C9%A1%A6%A5%CF%A5%A4%A5%CD%A5%DE%A5%A4%A5%E4%A1%BC%A1%A6%A5%CF%A5%F3%A5%BD%A5%F3" class="keyword">デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/01/24</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 「みんなで集まる」という営みは人間にとって不可欠 hatenablog://entry/26006613530499816 2020-03-05T19:11:21+09:00 2020-03-05T21:18:14+09:00 新型コロナウイルスの影響で、ライブ、演劇、勉強会などのイベントが軒並み中止になっている。僕も今月、行くはずだったライブの予定が1つキャンセルになった。前々から楽しみにしていたライブなのでショックなのだが、報道などを見る限り、ライブは感染の危険性が群を抜いて高いようなので、さすがにこればかりは仕方がない。 会社のほうも全面的にリモートワークになったので、最近は平日も休日も、基本的には家にいる。当然だが、そのままだと運動不足になってしまう。そこで、適当に近所を散歩をする。「換気の悪い密集空間」は避けるようにとのことだが、屋外を散歩するぶんには特に問題はないはずだ。何より、ずーっと引きこもっているの… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>の影響で、ライブ、演劇、勉強会などのイベントが軒並み中止になっている。僕も今月、行くはずだったライブの予定が1つキャンセルになった。前々から楽しみにしていたライブなのでショックなのだが、報道などを見る限り、ライブは感染の危険性が群を抜いて高いようなので、さすがにこればかりは仕方がない。</p> <p> </p> <p>会社のほうも全面的にリモートワークになったので、最近は平日も休日も、基本的には家にいる。当然だが、そのままだと運動不足になってしまう。そこで、適当に近所を散歩をする。「換気の悪い密集空間」は避けるようにとのことだが、屋外を散歩するぶんには特に問題はないはずだ。何より、ずーっと引きこもっているのは、身体だけでなく心にも悪い。</p> <p> </p> <p>最近は気温も春っぽくなってきたし(まだ日々の寒暖差は激しいが)、雨さえ降ってなければ外を散歩をするのは気持ちが良い。しかし、いくら晴れた日に散歩をしても、何か心が満たされていない感じがする。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>がじわじわと広がっていき、学校が一斉休校になり、報道がコロナ一色になって……という世の中が「いつもと違う感じ」になってしまったのも原因ではあると思う。でも、なんというか、もっと根源的なレベルで「満たされていない」感じがするのだ。</p> <p> </p> <p>そしてさきほど、ようやく理由に思い当たった。たぶん、<strong>自分はどこかに、みんなで集まりたい</strong>のだ。</p> <p> </p> <p>それは少人数の飲み会でもいいし、ライブでもいいし、勉強会でもいいのだけど(満員電車だけはちょっと違う)、とにかく緩やかに目的を同じくした人たち同士で集まって、楽しいことだったり意味のあることだったりをしたいのだろう。今回の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%B7%BF%A5%B3%A5%ED%A5%CA%A5%A6%A5%A4%A5%EB%A5%B9">新型コロナウイルス</a>で、それが軒並み禁止というか、できなくなってしまったので、それでちょっと心が満たされていない感じがするのだと思う。</p> <p> </p> <p>これは別に、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%FB%CB%A1">憲法</a>が保障している「集会の自由」 を守れとか、今回の自粛は行き過ぎなので政治家は行動を改めろとか、そういう話をしたいわけではない。ただ、いざこうなってみるまで、自分にとって「みんなで集まる」という営みが大事なことだったということに、気がつかなかったというだけの話だ。</p> <p> </p> <p>今はネットを使えばいくらでもバーチャルに集まれるという意見もあるかもしれないけど、やはりリアルとバーチャルでは大きな違いがあると僕は思う。テク<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CE%A5%ED">ノロ</a><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>の力を使ってその差をどこまで埋められるか、というのはチャレンジとしては面白いしやる価値があることだとは思うけど、当面はまだまだ両者の間には溝があるだろう。</p> <p> </p> <p>早くこの騒動が終息して、またみんなで集まれるようになるといいですね。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063737489/packet0a-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/516tP0hJ76L._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="人間ども集まれ! (手塚治虫文庫全集)" title="人間ども集まれ! (手塚治虫文庫全集)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063737489/packet0a-22/">人間ども集まれ! (手塚治虫文庫全集)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%EA%C4%CD%20%BC%A3%C3%EE" class="keyword">手塚 治虫</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2010/03/12</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 職場に不満があるなら、転職という選択肢はいつでも持っておくべき hatenablog://entry/17680117127210122941 2019-06-28T20:30:00+09:00 2019-06-28T20:12:10+09:00 こちらを読んで。 この記事には反対意見も多く、僕自身も賛同できなかったのでツイッターにちょろっと意見を書いた。基本的に、僕は「転職しないほうがいい」という意見を強く言う人をあまり信用していない。もちろん、過剰に転職することを煽る人も同程度にはあやしいのだが、人間が働く上で環境は無視できない要素であり、その環境を大きく変える手段である「転職」という選択肢はいつだって有効である。 世の中の会社が全部似たような場所なら「どこに行っても同じ」という意見は成り立つが、幸い、会社にはそれぞれ多様性があって、規模や仕事内容、カルチャー、所属する人間一つ一つが違うわけなのだから、今の会社が合わなくても他の会社… <p>こちらを読んで。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="人事のプロが「不満があっても、ほとんどの人は転職すべきではない」と主張する理由|新R25 - 20代ビジネスパーソンのバイブル" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fr25.jp%2Farticle%2F692972442312833191" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p> </p> <p>この記事には反対意見も多く、僕自身も賛同できなかったので<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C4%A5%A4%A5%C3%A5%BF%A1%BC">ツイッター</a>にちょろっと意見を書いた。<strong>基本的に、僕は「転職しないほうがいい」という意見を強く言う人をあまり信用していない。</strong>もちろん、過剰に転職することを煽る人も同程度にはあやしいのだが、人間が働く上で環境は無視できない要素であり、その環境を大きく変える手段である「転職」という選択肢はいつだって有効である。</p> <p> </p> <p>世の中の会社が全部似たような場所なら「どこに行っても同じ」という意見は成り立つが、幸い、会社にはそれぞれ多様性があって、規模や仕事内容、カルチャー、所属する人間一つ一つが違うわけなのだから、<strong>今の会社が合わなくても他の会社に行ったらうまくいくということは十分考えられる。</strong>僕の周囲でもそういう例の転職で成功した人はたくさんいるし、僕自身も数社ほど経験した身だが、やはりそこで幸せに働けるかは会社次第という印象が強かった。</p> <p> </p> <p>よく、ポジティブな理由以外での転職を否定する人がいるが、これは基本的には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%B8%A5%B7%A5%E7%A5%F3%A5%C8%A1%BC%A5%AF">ポジショントーク</a>なので鵜呑みにする必要はない。この手の意見については、過去に何度も反論を書いている。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="転職のきっかけはネガティブなものでも全く問題ない - 脱社畜ブログ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fdennou-kurage.hatenablog.com%2Fentry%2F2019%2F02%2F04%2F204059" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="「逃げ」の転職で何が悪い - 脱社畜ブログ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fdennou-kurage.hatenablog.com%2Fentry%2F2015%2F07%2F23%2F210207" frameborder="0" scrolling="no"></iframe></p> <p> </p> <p>冒頭の記事の主張も基本的にはその亜種で、「成果」という言葉をキーワードに、ポジティブな転職ならともかく、ネガティブな転職をする人は「負け組」であるとしている。ただし、ひとつ重要な指摘もしてはいるとは思う。ネガティブな転職をした後、つまり評価をリセットした後の動きが重要だというのは、僕も同意する。転職が最終目的なのではなく、手段だということは忘れるとたしかに痛い目にあう。</p> <p> </p> <p>ところで、冒頭に上げた記事には「職場の不満の多くは成果を出せてないのが原因」と書いてあり、それがこの記事の主張を支える大前提になっているが、これは果たして本当なのだろうか。<strong>むしろ、不満は「成果を出しても評価されない」ことや、「人間関係」のような必ずしも成果と関連するとは限らないことから来ることもかなり多いのではないだろうか。</strong>このあたりの論理展開があやしいので、冒頭の記事はやはり読んでいるともやもやする。</p> <p> </p> <p>もっと言うと、<strong>「成果」というのはわかったようでわからない言葉である。</strong>日本に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%AE%B2%CC%BC%E7%B5%C1">成果主義</a>を根付かせようという意見はかなり前からあるが、うまく根付いているという企業はほとんどない。これは第一に、「成果」を測定することの難しさから来ている。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%ED%A5%B0%A5%E9%A5%DE%A1%BC">プログラマー</a>の成果を足されたコードの行数で測るようなことをすればたちまちプロジェクトは崩壊するし、売上だけを「成果」の指標にすると、先行投資的なプロジェクトに携わっている人はいつまでたっても評価されないことになる。「成果」の指標設定を間違えば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%EB%A5%AC%B6%E4%B9%D4">スルガ銀行</a>のように不正を誘発するおそれもある。「成果」の実態はあやふやで、時にはそのあやふやさが、多くの混乱を生むことになる。</p> <p> </p> <p><strong>転職を検討するなら、「成果」のようなわかりづらいものを持ち出すよりも、シンプルに「自分の気持ち」に従うことを考えたほうが良い。</strong>人間にはある程度の共感力が備わっているとはいえ、究極的には、自分の気持ちは自分にしかわからない。自分が今の環境をどうしても嫌だと思うのであれば、その感覚は基本的に正しい。仕事が楽しくないという感覚も、自分が心からそう感じたのであれば、やはり正しい。もちろん、他人に相談して意見を聞くことも大切だ(ただし、相手は会社の人事担当者でないほうがいいのは言うまでもない。基本的に、自分が転職しようとしまいと、それに利害関係がない人を相談相手には選ぶべきだ)。しかし、最終的に決断を下すのはやはり自分である。</p> <p> </p> <p>実際に転職するかどうかは別として、どんな場合でも選択肢の中に「転職」というオプションはつねに確保しておくようにしたい。特に若い人は、これから一生、同じ会社で働き続けるというのはあまりにも現実的ではない。いつかはどこかで、必ず会社を離れる時が来ると思っておいたほうがいいだろう。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B073J1FVYB/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="一生、同じ会社で働きますか?" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61ghJV1wSzL._SL160_.jpg" alt="一生、同じ会社で働きますか?" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B073J1FVYB/packet0a-22/">一生、同じ会社で働きますか?</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%BA%EA%B8%B5">山崎元</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%B6%C1%BC%D2">文響社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/07/01</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B073J1FVYB/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> dennou_kurage 「これからの飲み会のカタチ」という座談会に参加しました hatenablog://entry/17680117127151387357 2019-05-20T18:37:40+09:00 2019-05-20T18:38:10+09:00 先日、こちらの座談会に参加させていただきました。 nomikatakaikaku.com 飲み会については、過去にこのブログや東洋経済オンラインなどでも書いたことがあるんですが、僕は基本的に会社で「強制的に」飲み会を開催することについては否定的です。 dennou-kurage.hatenablog.com toyokeizai.net もっとも、僕は飲み会すべてを否定しているわけではありません。実際、会社員時代もよく有志で飲みに行ってましたし、今でも仲のいい人たちと飲みに行くことはあります。ブログのイメージが強いのか「日野は飲み会嫌いらしいから誘わないでおこう」という悲しい勘違いをされている… <p>先日、こちらの座談会に参加させていただきました。 </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="これからの飲み会のカタチ|飲み方改革スペシャル|都内のコワーキングスペースにて座談会を開催" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fnomikatakaikaku.com%2Fspecial%2Fforum1904.html" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://nomikatakaikaku.com/special/forum1904.html">nomikatakaikaku.com</a></cite></p> <p>飲み会については、過去にこのブログや<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%CD%CE%B7%D0%BA%D1">東洋経済</a>オンラインなどでも書いたことがあるんですが、僕は基本的に会社で「強制的に」飲み会を開催することについては否定的です。</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="「職場の飲み会で親睦が深まる」という幻想 - 脱社畜ブログ" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fdennou-kurage.hatenablog.com%2Fentry%2F2013%2F09%2F18%2F204721" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2013/09/18/204721">dennou-kurage.hatenablog.com</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="「飲み会も仕事のうち」は、社会人の常識? | あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Ftoyokeizai.net%2Farticles%2F-%2F25887" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://toyokeizai.net/articles/-/25887">toyokeizai.net</a></cite></p> <p><strong>もっとも、僕は飲み会すべてを否定しているわけではありません。</strong>実際、会社員時代もよく有志で飲みに行ってましたし、今でも仲のいい人たちと飲みに行くことはあります。ブログのイメージが強いのか「日野は飲み会嫌いらしいから誘わないでおこう」という悲しい勘違いをされていることがよくあるのですが、飲み会自体が嫌いなわけでは決してないので、知り合いの方はぜひ今後も誘っていただければと思います。</p> <p> </p> <p>座談会では、今まで漠然と飲み会にもたせていた機能も、最近はマネージャーとの1on1ミーティングやSlackなどのチャットなどで代替できはじめてるのではないか、などといった話をさせていただきました。</p> <p> </p> <p>ご一読いただけますと幸いです!</p> dennou_kurage 選挙カーで名前を連呼する行為は法律で禁止にすべき hatenablog://entry/17680117127060275508 2019-04-20T17:06:15+09:00 2019-04-20T17:16:14+09:00 統一地方選が近い。僕の住む地域でも区議会議員と区長の選挙があるので、連日のように選挙カーを見かける。そして、運動員や候補者が熱心に名前を連呼している。正直なところ、これはなかなか鬱陶しい。家の中にいても聞こえるので、心の平穏が乱される。 前々から、この手の「名前を連呼する行為」に得票率を上げる効果があるのか疑問に思っていた。個人的には、名前を連呼していた候補者にはむしろネガティブな感情のほうが高まっているので、逆に投票したくなくなる気がする。そこで候補者名の連呼と得票率の関係について調べてみたら、以下のような記事を見つけた。 www.asahi.com そう、困ったことに名前の連呼には効果があ… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%FD%B0%EC%C3%CF%CA%FD%C1%AA">統一地方選</a>が近い。僕の住む地域でも区議会議員と区長の選挙があるので、連日のように<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>を見かける。そして、運動員や候補者が熱心に名前を連呼している。正直なところ、これはなかなか鬱陶しい。家の中にいても聞こえるので、心の平穏が乱される。</p> <p> </p> <p>前々から、この手の「名前を連呼する行為」に得票率を上げる効果があるのか疑問に思っていた。個人的には、名前を連呼していた候補者にはむしろネガティブな感情のほうが高まっているので、逆に投票したくなくなる気がする。そこで候補者名の連呼と得票率の関係について調べてみたら、以下のような記事を見つけた。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="選挙カーの名前連呼、効果どれほど? 教授が実際に研究:朝日新聞デジタル" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.asahi.com%2Farticles%2FASKCF6S66KCFPIHB02Z.html" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.asahi.com/articles/ASKCF6S66KCFPIHB02Z.html">www.asahi.com</a></cite></p> <p> </p> <p><strong>そう、困ったことに名前の連呼には効果があるのである。</strong>先の記事によると、名前の連呼は候補者の高感度を上げることには寄与しないが、得票率を上げることには寄与するらしい。これは、なんとなく想像がつかないこともない。いざ投票所に行ってみたものの、特に投票しようと思える候補者がいない。そんな時は適当に入れることになるが、無意識的にせよ名前を聞いたことがある人に投票してしまうというのはいかにもありそうなことだ。</p> <p> </p> <p>ただ、果たしてこれを選挙活動と言ってよいのだろうか。<strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>がやったことと言えば無意識下にその人の名前を刻み込んだだけであり、政策を訴えたわけでも今までの実績をアピールしたわけでもない。</strong>候補者に対して、政策をアピールする場を保証することは大切だろう。しかし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>で名前を連呼することは、政策をアピールするのとは違う。ただ単に名前を人の脳に刻み込んでいるだけなので、やっていることはバニラの求人トラックと同じである。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>での名前連呼をNGにしても政策をアピールする場が減るわけではないのだから、騒音公害などの問題を考えると、これはもう禁止にしたほうがよいと思う。</p> <p> </p> <p>そもそも、なぜ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>は名前を連呼するのだろうか。これは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%F8%BF%A6%C1%AA%B5%F3%CB%A1">公職選挙法</a>にこんな規定があるからだ。</p> <p> </p> <blockquote> <p>(車上の選挙運動の禁止)<br />第141条の3 何人も、第141条 (自動車、船舶及び拡声機の使用) の規定により選挙運動のために使用される自動車の上においては、選挙運動をすることができない。ただし、停止した自動車の上において選挙運動のための演説をすること及び第140条の2第1項 (連呼行為の禁止) ただし書の規定により<strong>自動車の上において選挙運動のための連呼行為をすることは、この限りでない。</strong></p> </blockquote> <p> </p> <p>つまり、<strong>走行中の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>の上で許される選挙運動は連呼行為のみなのである。</strong>「せめて政策を訴えてほしい…」と思っても、走行中の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>から選挙演説をすることは禁止されているからそれをやったら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%F8%C1%AA%CB%A1">公選法</a>違反になってしまう。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%F8%C1%AA%CB%A1">公選法</a>のこのあたりの条文を読んでみると、思った以上に選挙運動には融通がきかないことがわかる。</p> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>上の名前連呼は、それが法律で許された数少ない選挙運動手段であることと、得票のために一定の効果があるという事実に鑑みると、残念ながら多くの候補者はやらざるを得ないということになってしまうだろう。選挙は票の総数がすべてであるから、仮に100人に「うるさい、迷惑」と思われても、その行為によって票が200票増えるというのであればやるという判断をすることになる。もっと言うと、その場では「うるさい」と思った人でも、いざ投票に行くと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%F8%BA%DF%C5%AA">潜在的</a>にその人の名前を覚えていて(でも「うるさい」と思ったこと自体は忘れていて)名前を書いてしまう、なんてことは普通にあると思われる。</p> <p> </p> <p>こういう構造になっている以上、やはり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>で名前を連呼する行為は法律で禁止にしてしまうべきだ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%AD%B8%A2%BC%D4">有権者</a>に実害はないし、禁止になってしまえば候補者だってやらなくてすむ。140条の2第1項の本文では禁止されているのだから、ただし書を削除すればいい。禁止にしたところで、政策をアピールする機会が奪われるわけではない。もっというと、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%A5%AB%A1%BC">選挙カー</a>自体を廃止にしてもいいのではないか。そのかわりとしてたとえば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%AA%B5%F3%B8%F8%CA%F3">選挙公報</a>を充実させるなど、候補者がもっと政策の中身をアピールできるような選挙に変えていったほうが候補者だって、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%AD%B8%A2%BC%D4">有権者</a>だって得をすると僕は思う。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167711036/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="町長選挙 (文春文庫)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51f186HsnlL._SL160_.jpg" alt="町長選挙 (文春文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4167711036/packet0a-22/">町長選挙 (文春文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%FC%C5%C4%B1%D1%CF%AF">奥田英朗</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%E9%BA%BD%D5%BD%A9">文藝春秋</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2009/03/10</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">購入</span>: 8人 <span class="hatena-asin-detail-label">クリック</span>: 50回</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4167711036/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (157件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 校則がアホらしいということはたぶん教師もわかっている hatenablog://entry/17680117127030731883 2019-04-15T21:21:29+09:00 2019-04-15T21:22:46+09:00 こちらを読んで。 headlines.yahoo.co.jp 校則によく現れる謎の文言に「〜らしい」とか「〜にふさわしい」というものがある。僕が通っていた公立中学校の生徒手帳にも、「中学生にふさわしい服装」とか「中学生にふさわしい髪型」といった表現が頻出していて、中学生の時は大いに反感を覚えた。この手の玉虫色の表現を使えば、反抗的な生徒をいかようにでも指導することができる。こういう校則を一方的に押し付けてくる教師は、とんでもなくズルい存在だと当時は思った。 その頃からもう約二十年ぐらいが経過したことになるが、いま思い返しても、やはりこの手の校則はアホらしいと思う。冒頭に挙げた記事を読んで、真っ… <p>こちらを読んで。</p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="ツーブロックはダメ?校則に疑問の声 学校「高校生らしくない」(西日本新聞) - Yahoo!ニュース" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fheadlines.yahoo.co.jp%2Fhl%3Fa%3D20190415-00010000-nishinp-soci" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190415-00010000-nishinp-soci">headlines.yahoo.co.jp</a></cite></p> <p> </p> <p>校則によく現れる謎の文言に「〜らしい」とか「〜にふさわしい」というものがある。僕が通っていた公立中学校の生<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%CC%BC%EA">徒手</a>帳にも、「中学生にふさわしい服装」とか「中学生にふさわしい髪型」といった表現が頻出していて、中学生の時は大いに反感を覚えた。この手の玉虫色の表現を使えば、反抗的な生徒をいかようにでも指導することができる。こういう校則を一方的に押し付けてくる教師は、とんでもなくズルい存在だと当時は思った。</p> <p> </p> <p>その頃からもう約二十年ぐらいが経過したことになるが、いま思い返しても、やはりこの手の校則はアホらしいと思う。冒頭に挙げた記事を読んで、真っ先に湧き上がってきたのは「まだやってたのか」という呆れと、現役の中学生や高校生に対する同情だ。それと同時に、<strong>僕は生徒だけでなく、教師に対しても同情した。</strong>中学生だった頃の僕は教師一人ひとりが本気でこの手の校則の妥当性を信じ込んでいて、それを生徒に対して一方的に押し付けてきているという図式でしか事象を理解できていなかったが、そういう単純な話ではないということは、もう年齢的には彼らの側にいるのでわかる。<strong>この手の校則がアホらしいなんてことは、教師自身もたぶんわかっているはずだ。</strong>もちろん、本気で校則の妥当性を信じ込んでいる教師だっていると思うが、少なくとも教師全員が校則を心から妥当だと思っているわけではないことは容易に想像できる。</p> <p> </p> <p>このように、個人の見解と組織の見解に相違が生じることは、別に教師という職業に限ったことではない。たとえば、顧客からの質問に個人的に考えていることとは違う「会社としての公式回答」を使って返事をしたり、あるいは就活生からの質問に対して、人事の指導の下で「その会社の人間としてふさわしい」回答を作り上げたりすることはよくある。組織で働く以上、自分の考えたことや思ったことをそのまますべて好き勝手に話すわけにはいかない。これは時に大きなストレスの原因になる。</p> <p> </p> <p>特に教師という職業の場合、一人の先生が勝手に校則の妥当性を判断して「あれには意味がない」などと言うことは絶対に許されないだろう。そんなことをすれば生徒指導の先生の顔を潰すことになる。もしかしたら生徒からは人気が出るかもしれないが、その分、職員室には居づらくなる。同僚に疎まれながら仕事をし続けるのはどんな職業であってもつらい。だから、多くの教師は組織としての見解を遵守するほうを選ぶ。今だからわかるが、<strong>教師は別に生まれながらにして教師だったわけではなく、頑張って教師という役割を演じているのだ。</strong>だから硬直的で、アホらしい校則を生徒に押し付けなければならない。これは結構、かわいそうな役回りだと思う。</p> <p> </p> <p>もっとも、だからと言ってアホらしい校則をアホらしいと批判するなと言っているわけではない。<strong>むしろ、大いに批判したほうがいいと思う。</strong>なぜなら「一般人(学校の外にいる人)も大勢批判している」という事実は、教師が組織の規則に立ち向かう際に、強い材料になりうるからだ。一個人が組織の見解に反旗を翻すには、相応の武器がないと難しい。単に「私はどうかと思います」と言うだけでは(特に若い先生が言っただけでは)決定権のある年配の先生たちを説得することはできないだろう。でも、そういった勇気ある教師の背後にいる「その他大勢」の存在を感じさせることができれば、規則が動く可能性もある。</p> <p> </p> <p>だから、今日も声を大にして、アホらしい校則には文句を言おう。もしかしたら、それが生徒を助けるだけでなく、先生を助けることにつながるかもしれない。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06X9BH1XD/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="教師の心が折れるとき 教員のメンタルヘルス 実態と予防・対処法" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/410Y5JvkoPL._SL160_.jpg" alt="教師の心が折れるとき 教員のメンタルヘルス 実態と予防・対処法" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B06X9BH1XD/packet0a-22/">教師の心が折れるとき 教員のメンタルヘルス 実態と予防・対処法</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 井上麻紀</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 大月書店</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/03/23</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B06X9BH1XD/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage ブラック企業に入っても実力はつかない hatenablog://entry/17680117127004667986 2019-04-02T20:20:15+09:00 2019-04-02T23:51:22+09:00 以前、ものすごく技術力が低い開発会社と一緒に仕事をしたことがある。詳細な話は書くことができないのでぼかして書くが、その会社はコードの品質が低いことはもちろん、一切テストしていないものを「できた」と言い張って納品してきたり、危険な本番オペレーションを手順書も予行演習もなしに実行して障害を出しまくったりするなど、およそ褒められるところが見つからない会社だった。 あまりにもひどいので、どうしてこういう会社が未だに会社として存続できているのか疑問に思い、その会社のウェブサイトや求人情報などを興味本位で見てみた。まず驚いたのは、給与の低さだ。その会社は東京にある会社だったが、この給与では社員は東京ではま… <p>以前、ものすごく技術力が低い開発会社と一緒に仕事をしたことがある。詳細な話は書くことができないのでぼかして書くが、その会社はコードの品質が低いことはもちろん、一切テストしていないものを「できた」と言い張って納品してきたり、危険な本番オペレーションを手順書も予行演習もなしに実行して障害を出しまくったりするなど、およそ褒められるところが見つからない会社だった。</p> <p> </p> <p>あまりにもひどいので、どうしてこういう会社が未だに会社として存続できているのか疑問に思い、その会社のウェブサイトや求人情報などを興味本位で見てみた。まず驚いたのは、給与の低さだ。その会社は東京にある会社だったが、この給与では社員は東京ではまともに暮らせないだろう。思わずVokersなどの口コミも見てしまったが、入社後も低賃金はずっと続くようである。彼らの稼働状況を見る限り、彼らは休日や深夜もずっと働いてるように見えたので、労働時間はものすごく長そうだ。<strong>一言で言えば、その会社は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>だったのである。</strong></p> <p> </p> <p>そういう会社にありがちなこととして、案の定、求人には「未経験者歓迎」と書いてある。それで色々と納得が行った。いま現場に出てきている人たちの大半は、おそらく未経験者なのだろう。それならひどいコードを書いたり、無茶なオペレーションをしたりしてしまうこともわからないではない。しかし、仕事には許容できる最低水準というものがある。このままでは仕事にならないので、とりあえず経験者をプロジェクトに何人か入れてもらって、まずは社内で品質保証をして欲しい旨をPM経由で伝えることになった。</p> <p> </p> <p>先方は「わかりました」と答えたが、残念なことに、状況が改善されることはなかった。たしかにシニアっぽいメンバーが追加されはしたものの、そのシニアもスキル的には五十歩百歩で、やはり仕事上許容できる最低水準は下回っていた。その状況になって僕は、その会社にはそもそもシニアと呼べるレベルのエンジニアがひとりも在籍していないことを悟った。できるエンジニアはきっとみんな全員辞めてしまったのだろう(あるいは最初からそういう人は一人もいなかったのかもしれない)。こういう環境では、いま未経験で働いている彼らが今後成長してできるエンジニアになる未来もたぶん訪れない。</p> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>についての言説でたまに目にするものとして、<strong>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>は実力をつけるには悪くない環境だ」</strong>というものがある。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>はたしかに薄給かもしれないが、仕事はたくさんあるので、そういう状況に身を置けば嫌でも自分を短時間でパワーアップできる、若いうちの苦労は買ってでもするものだ、というのがこの言説の趣旨だと思うが、<strong>上述の経験から僕はこれはウソだと実感した。</strong></p> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>にはたしかに仕事がたくさんあるかもしれないが、まともなやり方を教えてくれる人は一人もいないし、仮にいたとしてもそういう人はすぐに辞めて他の会社に行ってしまう。言い換えると、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>ではまともな指導は受けられないし、まともな業務経験を積むこともできない。そして、まともでない業務経験は、まともな会社ではほとんど活きることはない。<strong>つまり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>で培った経験を他の会社で活かそうと思っても、そういう経験が活きるところは結局のところやはり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>なので、ずっとブラックな働き方から抜けられないことになる。</strong></p> <p> </p> <p>思うに、<strong>まっとうに実力を伸ばそうと思ったら、やはり業務のゆとりはどうしても必要だ。</strong>ゆとりがなければ指導なんて受けられるわけがないし、ゆとりがない環境で覚えた技はどうしてもその場しのぎで、短絡的なものになる。まともでない環境には、残念ながら優秀な人は寄り付かない。だからまともな師を選ぶこともできない。当然ながら、心や身体を壊すリスクも尋常ではないので、あらゆる点で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>で働くメリットはない。</p> <p> </p> <p>「まずはブラックな環境でもいいからとりあえず我慢してまずは実力をつけよう」という考え方は、一部の職人的な世界ならともかく、会社員の場合はまったく妥当ではない。中には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>からキャリアをスタートして実力を上げながら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%EF%A5%A4%A5%C8%B4%EB%B6%C8">ホワイト企業</a>にたどり着いたという人もいるかもしれないが、それを可能にしたのは間違っても「最初に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>に入って実力をつけたから」ではないだろう。そういう優秀な人は、もっとまともな企業からキャリアをスタートさせたならばさらによい職業人生を歩めた可能性がある。そういう人が過去の苦労を語るのは、一種の認知的不協和でしかない。</p> <p> </p> <p>これから会社を選ぼうとしている学生さんなどには、修行目的で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>を選ぶようなことは避けてほしいと思う。修行は別に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>でなくてもできる。<strong>苦労することと学習することはイコールではない。</strong>そこを勘違いしてはいけない。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086801086/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51qq-kYd6DL._SL160_.jpg" alt="ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4086801086/packet0a-22/">ブラック企業に勤めております。 (集英社オレンジ文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 要はる,藤ヶ咲</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%B8%B1%D1%BC%D2">集英社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/11/18</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4086801086/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (2件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> dennou_kurage 「給与は前職を考慮して決める」という奇妙な習慣 hatenablog://entry/17680117127000293371 2019-03-27T20:30:00+09:00 2019-03-27T20:55:45+09:00 Googleに入社した人が「どうやってGoogleに入社したのか」を記事にするというのが流行っているようで、最近そういうブログ記事をいくつか読んだ。 kumagi.hatenablog.com この記事の中で、特に印象に残ったのが以下のくだり。 当時の年収の653万という数字にいくらか積み増しをして 僕「うーん、コミコミで800万貰えれば…」G「じゃあ1350万でどう?」僕「謹んで入社させていただきたく存じます(土下座)」 というやりとりを経てGoogleに入社した。 これなら優秀な人は当然Google に転職するよね、と思わせる箇所である。「日系の大企業を辞めてGAFAに行く」という流れはた… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a>に入社した人が「どうやって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a>に入社したのか」を記事にするというのが流行っているようで、最近そういうブログ記事をいくつか読んだ。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="こうしてGoogleに入社した(kumagi編) - Software Transactional Memo" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fkumagi.hatenablog.com%2Fentry%2Fhow-i-enter-google" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://kumagi.hatenablog.com/entry/how-i-enter-google">kumagi.hatenablog.com</a></cite></p> <p> </p> <p>この記事の中で、特に印象に残ったのが以下のくだり。 </p> <p> </p> <blockquote> <p>当時の年収の653万という数字にいくらか積み増しをして</p> <p>僕「うーん、コミコミで800万貰えれば…」<br />G「じゃあ1350万でどう?」<br />僕「謹んで入社させていただきたく存じます(土下座)」</p> <p>というやりとりを経て<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a>に入社した。</p> </blockquote> <p> </p> <p><strong>これなら優秀な人は当然<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a> に転職するよね</strong>、と思わせる箇所である。「日系の大企業を辞めて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GAFA">GAFA</a>に行く」という流れはたびたび話題になるが、給与面で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%B7%CF%B4%EB%B6%C8">日系企業</a>が明らかに競り負けていることは間違いない。もちろん、負けている要素はそれだけではないと思うが、この部分を改善できない限り、今後も人材流出は続くだろう。少なくとも、やるべきことは以下の記事で言われているような<span style="color: #333333; font-family: 'Hiragino Kaku Gothic ProN', 'ヒラギノ角ゴ ProN W3', Meiryo, メイリオ, Osaka, 'MS PGothic', arial, helvetica, sans-serif; font-size: 16px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: left; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">『押しかけ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%B0%A5%D3%A1%BC">ラグビー</a>』なる謎の企画を実施することではない。</span></p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="GAFAに人材流出防げ NTTコムの新キャリアパス|出世ナビ|NIKKEI STYLE" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fstyle.nikkei.com%2Farticle%2FDGXMZO42715110Q9A320C1000000%2F" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://style.nikkei.com/article/DGXMZO42715110Q9A320C1000000/">style.nikkei.com</a></cite></p> <p> </p> <p>ところで、転職の求人を見ていると、よく給与の欄に<strong>「前職の給与を考慮」</strong>と書いてある募集を見かける。実際、転職活動を続けていき、いざ内定が出て給与交渉に突入すると前職(あるいは現職)の年収を質問されることは多い。上のやり取りふうに書くなら</p> <p> </p> <blockquote> <p>求職者「現在は653万円もらってます」</p> <p>転職先「じゃあ700万円でどう?」</p> <p>求職者「(うーん、本当は800万円ぐらい欲しいんだけどなぁ…)はあ、じゃあそれでお願いします」</p> </blockquote> <p> </p> <p>みたいなのが、よくあるやり取りではないだろうか。</p> <p> </p> <p>いや、この場合「よくある」というのはウソだ。このやり取りはかなりうまく行っているケースで(なぜなら、年収アップを勝ち取っている)、<strong>実際には現在の年収据え置きということは少なくない</strong>し、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%F3%A5%C1%A5%E3%A1%BC">ベンチャー</a>などだと「うちは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%F3%A5%C1%A5%E3%A1%BC">ベンチャー</a>だから」という<strong>よくわからない理由で現職の年収から1割程度削った額を提示される</strong>ことだってある(それでいて、別に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>がもらえるとかそういうこともない)。日本の転職者はこういう交渉にうんざりしているものの、パワープレイに負けていやいやながら従っているので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a>のように「前職の給与を考慮していない」額を提示されれば、土下座して入社したくなるのも当然だ。</p> <p> </p> <p>そもそも、<strong>給与交渉の際に「給与は前職を考慮して決める」というのは奇妙な話ではないだろうか。</strong>この方式で決めるとすれば、仮にまったく同じ能力を持っていたとしても前職の給料が低ければその人の年収は低くなるし、高ければ高くなる。<strong>これは、給与の決定を能力に基づいて行っていないという証拠でもある。</strong>これではなんのために面接で色々と職務経歴を聞いたり難しい質問をしたりして能力を見極めようとしているのかわからない。</p> <p> </p> <p>実際に働いてもらうまでその人の本当のパフォーマンスはわからないので、いったんの仮の給与を相場に基づいて決めているのだ、という言い分はあるかもしれないが、<strong>そういうことを言う会社に限って実際に働き始めても給料は上がらない</strong>。これは結局、給料を決定するロジックを会社が持っていないので、前職の基準に相乗りしているというのが実情だろう。</p> <p> </p> <p>(上の引用部分を見る限り)<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a>ではこのような方式では給与交渉は行われていない。彼らが少しでも値切ろうという思いをもっているなら、それこそこのケースなら「コミコミで800万」で決着してしまいそうなものだ。前職の給与を訊いてそれに基づいて給与交渉をしようとするのは、「うっかり払いすぎないようにしよう」という気持ちもあるはずで、求職者からすればたまったものではない。こういう気持ちは見透かされる。そして今日も優秀な人材は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%B7%CF%B4%EB%B6%C8">日系企業</a>を見限って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GAFA">GAFA</a>に流れるのだ。</p> <p> </p> <p>改善点は多々あれど、まずは堂々と給与の額を「能力に応じて決定」できるような会社が増えてほしいと思う。誰だって、自分の能力を評価してくれないところで働きたいとは思わない。優秀な人材を正当に報いるというのは、人材を惹き付けるための基本中の基本である。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532198348/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント (日経ビジネス人文庫)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41gqN3EvXAL._SL160_.jpg" alt="How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント (日経ビジネス人文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532198348/packet0a-22/">How Google Works(ハウ・グーグル・ワークス) 私たちの働き方とマネジメント (日経ビジネス人文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%EA%A5%C3%A5%AF%A1%A6%A5%B7%A5%E5%A5%DF%A5%C3%A5%C8">エリック・シュミット</a>,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E9%A5%EA%A1%BC%A1%A6%A5%DA%A5%A4%A5%B8">ラリー・ペイジ</a>,土方奈美</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CB%DC%B7%D0%BA%D1%BF%B7%CA%B9%BD%D0%C8%C7%BC%D2">日本経済新聞出版社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/09/02</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4532198348/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 「異動させること」自体を目的にした人事異動が日本の生産性を下げている hatenablog://entry/17680117126999969578 2019-03-26T20:28:47+09:00 2019-03-26T21:23:25+09:00 3月・4月は人事異動の季節である。 インターネット業界のような歴史の浅い企業で働いている人にはあまりなじみがないかもしれないが、日系の大企業や公務員などの場合、3月に内示が出されて4月に異動という形でごっそりと人が動くというところは多い。もしかしたら、これを読んでいる人の中にもそういった形の異動によって4月1日から新しい部署に異動するという人もいるかもしれない。 学校の入学式なども4月だし、新卒の社員が入社するのも多くの場合は4月である。そういうこともあって、日本人にとって「4月に一斉に異動」というのは見慣れた光景なのかもしれないが、よく考えてみるとこれはかなり非効率な慣習でもある。 まず、こ… <p>3月・4月は人事異動の季節である。</p> <p> </p> <p>インターネット業界のような歴史の浅い企業で働いている人にはあまりなじみがないかもしれないが、日系の大企業や公務員などの場合、3月に内示が出されて4月に異動という形でごっそりと人が動くというところは多い。もしかしたら、これを読んでいる人の中にもそういった形の異動によって4月1日から新しい部署に異動するという人もいるかもしれない。</p> <p> </p> <p>学校の入学式なども4月だし、新卒の社員が入社するのも多くの場合は4月である。そういうこともあって、日本人にとって「4月に一斉に異動」というのは見慣れた光景なのかもしれないが、<strong>よく考えてみるとこれはかなり非効率な慣習でもある。</strong></p> <p> </p> <p>まず、<strong>この慣習は「異動すること」自体が目的になってしてしまっている。</strong>本来、人の配置は理由があってするものだが、この手の定期的な人事異動は特に具体的な目的があるわけではなく、「○○さんはそろそろ3年同じ部署で働いたから異動」といったような年数だけに基づいて行われる。だから、チームに必要な人だって時間が経てば強制的に異動の対象になるし、逆に、特にチームへの貢献が期待できないような人が定期的な人事異動の波に乗って異動してくることがある。</p> <p> </p> <p>もちろん、完全に乱数で異動先を決めているわけではない(と思いたい)ので、多少は部署のニーズや本人の希望なども考慮される余地はある。が、<strong>一気に大量の人を動かさなければならない以上、すべての人を満足させることは最初から無理だ。</strong>特に、<strong>個人の希望は蔑ろにされやすい。</strong>その結果、「特に理由があるわけではないが、4月からとりあえずあの部署に行ってくれ」と言われる人が大量に発生する。多くの場合、これは働く人のモチベーション低下を招く。</p> <p> </p> <p>また、当然ながら新しい業務を始めるためには、キャッチアップの時間が必要だ。つまり、異動した人は最初のうちはなかなかチームに貢献できない。<strong>定期的な人事異動では一気に大量の人が動くことになるが、この大量の人たちが一定期間、チームに貢献できない状態で働くことになる。</strong>その結果、定期異動直後4月の生産性は、組織全体では相当下がっているはずである。</p> <p> </p> <p>これだけの非効率が発生することは誰でも予想がつきそうだが、それではなぜ日本ではこのような定期異動という謎の慣習が未だに行われているのか。よくされる説明では、(1)人員の固定化による癒着防止、(2)ジョブローテーションによってゼネラリストを育成、(3)マンネリ化によるモチベーション低下の防止、の3つが挙げられるが、果たしてこれはどのぐらい妥当なのか。</p> <p> </p> <p>まず(1)の癒着防止だが、<strong>公務員などの不正はこのような定期異動制度が定着している現代でも依然として存在しており、本当に効果があるかは疑問</strong>である。また、すべての業務でこのような癒着による不正のおそれがあるというわけではないはずだ。そうであれば、たとえば癒着が起きやすい業務を行っている部署だけに対象を絞るなどの方法を考えてもよさそうなものである。そもそも、不正防止のために定期的に異動をするというのは対策としては迂遠だ。もっと直接的な不正対策をしたほうがよい。</p> <p> </p> <p>(2)については、そもそも定期的な異動でゼネラリストが育成できるのかという疑問がある。2〜3年ぐらいで新しい業務をつまみ食いしたところで、「幅広くなんでもできる人」になれるという保証はない。せいぜい、「なんでもちょっとは浅くできる」という人材が育成されるだけで、これは結局のところ「何もできない人」とそこまでの差はない。個人的には、<strong>広さというのは深さがあってこそのもの</strong>だと思うので、この手の育成方針は時代にあっていないと思う。</p> <p> </p> <p>(3)については、たしかにマンネリ化は防げるかもしれない。しかしモチベーション低下という意味で言うなら、<strong>それまで積み上げてきた能力などを放棄して、理由もなく他の仕事をしろと言われたほうがモチベーション低下を招くのではないか。</strong>自分なりにキャリアの一貫性が実感できるならいいのかもしれないが、定期的な人事異動ではとにかく動かすことが目的なので、個人の意志はあまり尊重されない。あるいは、どうせ数年で異動するんだから、今の仕事をそんなに真剣にやっても意味がない、という投げやりな気持ちを誘発する可能性もある。メリットよりもデメリットのほうが大きいだろう。</p> <p> </p> <p>勘違いしてほしくないのは、僕は一切の人事異動がよくないと言っているわけではないということだ。必要があって人事異動をするのは別によいと思うし、そうやって組織のメンバーや自分の仕事に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%AE%C6%B0%C0%AD">流動性</a>が出ることはいいことだ。しかし、異動自体を目的化してしまうのはいただけない。世の中には「玉突き人事」などという言葉もあるが、<strong>そうやってパズルのピースを嵌めることだけを目的に異動させられる人の被害は甚大である。</strong></p> <p> </p> <p>日本人の生産性は低い低いとよく言われるが、こういうことを未だに改めずにやっているのだから、低いのは当然だ。まずはこういうわかりやすいところから改善すればいいのにと思う。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478101574/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41xr5W4HfjL._SL160_.jpg" alt="生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478101574/packet0a-22/">生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 伊賀泰代</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%A4%A5%E4%A5%E2%A5%F3%A5%C9%BC%D2">ダイヤモンド社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/11/26</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4478101574/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (13件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 職場の近くに住んでみたら想像してたよりも何倍も人生がはかどった hatenablog://entry/17680117126999489006 2019-03-25T19:58:47+09:00 2019-03-25T20:01:13+09:00 こちらを読んで。 anond.hatelabo.jp 職住近接について、世の中にはいろんな意見がある。賛成派は、近くに住めば移動時間がなくてとてもいいと言う。一方で反対派は、近くに住むと逆に遅くまで会社に居残ることになって意味がない(「終電」というタイムリミットがなくなる)とか、生活圏に職場が含まれてしまうとプライベートとの切り分けができなくなって逆につらくなるとか、そういう意見を言う。 実は、最近まで僕はずっと職住近接には反対派だった。『定時帰宅』という本にも「あんまり近くに住みすぎるのもどうかと思う」という意見を書いた。ところが最近、ひょんなことから実際に職住近接的な働き方をすることになり… <p>こちらを読んで。</p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="職場の隣に引っ越したい" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fanond.hatelabo.jp%2F20190321172542" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://anond.hatelabo.jp/20190321172542">anond.hatelabo.jp</a></cite></p> <p> </p> <p>職住近接について、世の中にはいろんな意見がある。賛成派は、近くに住めば移動時間がなくてとてもいいと言う。一方で反対派は、近くに住むと逆に遅くまで会社に居残ることになって意味がない(「終電」というタ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%E0%A5%EA">イムリ</a>ミットがなくなる)とか、生活圏に職場が含まれてしまうとプライベートとの切り分けができなくなって逆につらくなるとか、そういう意見を言う。</p> <p> </p> <p><strong>実は、最近まで僕はずっと職住近接には反対派だった。</strong><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479794506/packet0a-22/">『定時帰宅』</a>という本にも「あんまり近くに住みすぎるのもどうかと思う」という意見を書いた。ところが最近、ひょんなことから実際に職住近接的な働き方をすることになり、いざやってみたらこれが想像していたよりも悪くなかった。<strong>いや、正直に言うと、想像していたよりも何倍も何倍もよかった。</strong></p> <p> </p> <p>ちょっと前から友人の会社の手伝いを始めたのだが、その職場が僕の家から歩いて3分ぐらいの場所にある。冒頭で挙げたエントリのように「隣」というわけではないのだが、家を出て大きな道を横断するともう職場である。なので、仕事に行く日も朝は基本的に9:00ぐらいまでは布団の中にいても十分に間に合うし、定時に上がれば19:05ぐらいにはもう家に着いている。なので、平日でも頑張れば本の一冊ぐらいは読み切ることができる。毎日、筋トレをする時間もできた。<strong>何より電車に乗らないというだけで精神的な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%E8%CF%AB">疲労</a>感に驚くほど差が出る。</strong></p> <p> </p> <p>では、恐れていたデメリットはないのか。これについては、やり方次第ということになると思う。まず、生活圏に職場が含まれてしまって気が休まらない問題については、僕の場合、<strong>意図的に職場の方角を生活圏から外すことで対処している。</strong>つまり、プライベートではなるべく職場のある方角とは逆方向のコンビニやスーパーを利用するようにしている。あと、仮に会社のある方角に買い物などに行ったとしても、実はそんなに頻繁に職場の人と遭遇するわけではない。休日はそもそも会社は休み(のはず)で社員は来ていないはずだし、近くに住んでいる人同士でも、お互いに避け合おうという気持ちが働くのか、遭遇したことは数えるほどしかない。会ったとしても、「いやー、会ってしまいましたか」とか言いながら苦笑いしていれば切り抜けられる。</p> <p> </p> <p>では、終電という概念がなくなることで事実上青天井に遅くまで会社に残されてしまう問題についてはどうか。これについては、正直、僕は問題の捉え方自体を間違っていたと思う。<strong>こういうことが頻繁に起こってしまうのは、そもそも職住近接が悪いのではなくて、単に働いている企業がブラックなだけなのである。</strong>仮に、職住近接することで毎日毎日遅くまで会社に残され、疲弊するようなところで働いているのだとしたら、<strong>まずすべきことは会社の近くに引っ越すことではなく転職することだ。</strong>そういう会社で働き続けるのは、会社の近くに住んでいようと遠くに住んでいようと、一様におすすめできない。</p> <p> </p> <p>ある意味では、<strong>職住近接を積極的にしたいと思えるかどうかで、いま働いている企業がどれだけ自分にとっていい企業かどうかがわかる</strong>とも言える。「会社の近くに住む」ことを想像した時に、マイナス面ばかりが頭に浮かぶのであれば、その職場は自分にとってよい職場であるとは言えない。逆に、職住近接のメリットが享受できると考えるなら、そこまで悪い職場であるとは思えない。</p> <p> </p> <p>職住近接のデメリットとして、通勤時間にやっていたルーチン(読書や勉強)ができなくなるということを挙げる人もいる。これはたしかに人によっては弱点だと思うが、たとえば代わりに必ず朝はカフェに行って1時間本を読むとか、そういった別のルーチンを組み込むことができればなんとかなる。ルーチンが組めるのは電車の中だけに限らない。</p> <p> </p> <p>個人的には、通勤電車は空気が悪くかならず毎シーズン風邪を引くので、それを避けるためだけでも徒歩圏や自転車圏から通勤するのはありだと思う。職場から近すぎるのが嫌なら、徒歩15分圏とか徒歩20分圏でも十分<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/QOL">QOL</a>は上がる(むしろ、このぐらい離れていると通勤時間が運動になっていいかもしれない)。家賃が高くなってしまうということも少なくないかもしれないが、それを超えるだけのメリットがある場合は少なくない。機会がある人はぜひご検討を。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07MCXWQLR/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="週刊東洋経済 2019年2/16号 [雑誌](最強の通勤電車)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51d89AzOk9L._SL160_.jpg" alt="週刊東洋経済 2019年2/16号 [雑誌](最強の通勤電車)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07MCXWQLR/packet0a-22/">週刊東洋経済 2019年2/16号 [雑誌](最強の通勤電車)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%CD%CE%B7%D0%BA%D1%BF%B7%CA%F3%BC%D2">東洋経済新報社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/02/09</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 雑誌</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B07MCXWQLR/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 『サルたちの狂宴』:成功譚では語られないスタートアップのリアルを知る hatenablog://entry/17680117126998366109 2019-03-23T20:19:43+09:00 2019-03-23T20:29:56+09:00 実は、スタートアップを扱った本があまり得意ではない。すべての本にあてはまるわけではないが、綺麗事ばかり並べている本が多いと感じるからだ。もちろん、成功譚は読んでいてそれなりに面白いし、時にはそれを読んで自分も頑張ろうという気持ちになったりしないこともないが、世の中はそんなに美しい話ばかりで構成されているわけではない。実際、ほとんどのスタートアップは失敗するし、成功したスタートアップだって内部から見ればグチャグチャな部分が少なからず残っている。揉め事だって多い。スキャンダルもある。学生の時ならともかく、いざ会社で働き始めると、そういう綺麗事ではない、生々しいリアルな部分のほうが気になるようになっ… <p>実は、スタートアップを扱った本があまり得意ではない。すべての本にあてはまるわけではないが、綺麗事ばかり並べている本が多いと感じるからだ。もちろん、成功譚は読んでいてそれなりに面白いし、時にはそれを読んで自分も頑張ろうという気持ちになったりしないこともないが、世の中はそんなに美しい話ばかりで構成されているわけではない。実際、ほとんどのスタートアップは失敗するし、成功したスタートアップだって内部から見ればグチャグチャな部分が少なからず残っている。揉め事だって多い。スキャンダルもある。学生の時ならともかく、いざ会社で働き始めると、そういう綺麗事ではない、生々しいリアルな部分のほうが気になるようになってくる。</p> <p> </p> <p>そこで、本書である。<strong>この本は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%EA%A5%B3%A5%F3%A5%D0%A5%EC%A1%BC">シリコンバレー</a>をこれでもかというほどリアルに描写している。</strong>もし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%EA%A5%B3%A5%F3%A5%D0%A5%EC%A1%BC">シリコンバレー</a>を扱った本で好きな本を1冊だけ選べと言われたら迷わず僕は本書を挙げる(上下巻なので2冊になってしまうが)。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152097752/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="サルたちの狂宴 上 ーーシリコンバレー修業篇" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Ke7%2BUZyeL._SL160_.jpg" alt="サルたちの狂宴 上 ーーシリコンバレー修業篇" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152097752/packet0a-22/">サルたちの狂宴 上 ーーシリコンバレー修業篇</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> アントニオガルシアマルティネス,Antonio Garcia Martinez,石垣賀子</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%E1%C0%EE%BD%F1%CB%BC">早川書房</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2018/06/19</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4152097752/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152097760/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="サルたちの狂宴 下 ――フェイスブック乱闘篇" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41IcIpZhiqL._SL160_.jpg" alt="サルたちの狂宴 下 ――フェイスブック乱闘篇" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152097760/packet0a-22/">サルたちの狂宴 下 ――フェイスブック乱闘篇</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> アントニオガルシアマルティネス,Antonio Garcia Martinez,石垣賀子</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%E1%C0%EE%BD%F1%CB%BC">早川書房</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2018/06/19</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4152097760/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>本書の著者、アントニオ・ガルシア・マルティネスは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B4%A1%BC%A5%EB%A5%C9%A5%DE%A5%F3%A1%A6%A5%B5%A5%C3%A5%AF%A5%B9">ゴールドマン・サックス</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%AA%A5%F3%A5%C4">クオンツ</a>として働いていたが、ある日、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EA%BB%F1%B6%E4%B9%D4">投資銀行</a>での業務に疑問を感じ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%EA%A5%B3%A5%F3%A5%D0%A5%EC%A1%BC">シリコンバレー</a>のスタートアップ企業に転職する。その後、アントニオはY<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%F3%A5%D3%A5%CD%A1%BC%A5%BF">コンビネータ</a>ーの支援を取り付け(元いる会社から仲間を2人ほど引き抜いて)独立、さらにその企業は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C4%A5%A4%A5%C3%A5%BF%A1%BC">ツイッター</a>に買収され、アントニオ自体は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%A4%A5%B9%A5%D6%A5%C3%A5%AF">フェイスブック</a>に入社するーー全体の話の流れとしてはこんな感じである。</p> <p> </p> <p>あらすじだけ見ると成功譚っぽく見えなくもないが、本書はそういう類の本とは違う。まず、<strong>著者の書きっぷりには一切の遠慮がない。</strong>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EA%BB%F1%B6%E4%B9%D4">投資銀行</a>のセールスの人間はIQが二桁しかない」といった悪口を軽やかに書きまくるし、嫌な思いをさせられた相手については、有名人だって実名でこき下ろす。それでいて、ただ斜に構えているだけというのとも違う。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A1%BC%A5%EB%A1%A6%A5%B0%A5%EC%A5%A2%A5%E0">ポール・グレアム</a>にはしっかり心酔しているあたり、やはり心の底には熱いスタートアップ魂が存在していると見える。</p> <p> </p> <p>本自体の紹介文にも書かれているが、この感じは『ライアーズ・ポーカー』に似ている(ちなみに、この本もかなり面白い)。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%EA%A5%B3%A5%F3%A5%D0%A5%EC%A1%BC">シリコンバレー</a>版ライアーズ・ポーカーとでも言えばいいだろうか。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415050394X/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="ライアーズ・ポーカー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/510bDVv3--L._SL160_.jpg" alt="ライアーズ・ポーカー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/415050394X/packet0a-22/">ライアーズ・ポーカー (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> マイケルルイス,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Michael%20Lewis">Michael Lewis</a>,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%B9%BE%B0%EC%B5%AA">東江一紀</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%E1%C0%EE%BD%F1%CB%BC">早川書房</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2013/10/04</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 新書</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/415050394X/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (6件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p>『ライアーズ・ポーカー』の場合は舞台が1985年前後の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A6%A5%A9%A1%BC%A5%EB%B3%B9">ウォール街</a>なので、今読むとさすがに色々古いなぁと感じるのだが、 『サルたちの狂宴』の舞台は数年前の話なので、十分に「現在の話」として読める。</p> <p> </p> <p>本書の下巻でアントニオは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%A4%A5%B9%A5%D6%A5%C3%A5%AF">フェイスブック</a>に入社することになるのだが、彼の目から見た<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%A4%A5%B9%A5%D6%A5%C3%A5%AF">フェイスブック</a>の描写は非常に興味深い。この本で書かれている時期の後に、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A7%A5%A4%A5%B9%A5%D6%A5%C3%A5%AF">フェイスブック</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B1%A5%F3%A5%D6%A5%EA%A5%C3%A5%B8">ケンブリッジ</a>アナリティカへの漏洩スキャンダルを起こし、その後も色々と「やらかす」わけだが、これらの火種はアントニオが在籍していた時期から既にあったようにこれを読む限り思える。</p> <p> </p> <p>そういえば、本書にはアントニオが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SQL">SQL</a>で直接<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Facebook">Facebook</a>のデータを更新しようとするシーンが出てくるが(アントニオはエンジニアではない)、それはさすがにデータ管理がガバガバすぎやしないか、あの規模で本当にそんなことってあるのか、と読みながら訝しく思った。ところが、こんなニュースが出ているのを見かけて「ありうる……」という気持ちになった。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="Facebookが数億人のパスワードを平文で保存していたと認める | TechCrunch Japan" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fjp.techcrunch.com%2F2019%2F03%2F22%2F2019-03-21-facebook-plaintext-passwords%2F" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://jp.techcrunch.com/2019/03/22/2019-03-21-facebook-plaintext-passwords/">jp.techcrunch.com</a></cite></p> <p> </p> <p>そんなわけで、本書は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Facebook">Facebook</a>の裏側に興味を持っている人はもちろん、将来は起業したいと思っている人から、スタートアップのような小さな会社で働いてみたいと思っている人にまで、幅広くおすすめできる一冊だ。<strong>特に、今後の人生でスタートアップに関わりたいと思っている人は、とりあえず一読することをおすすめする。</strong>スタートアップに関わることの楽しいことも、そしてその何倍もあるつらいことも、本書を読めばそれなりに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%C9%C2%CE%B8%B3">追体験</a>できる。これを読んで、「それでもやってみたい」と思えるのなら、たぶんそういう道に進んでも大丈夫だと思う。</p> dennou_kurage 「結束力のあるチーム」が良いチームだとは限らない hatenablog://entry/17680117126997593705 2019-03-22T20:00:00+09:00 2019-03-23T12:19:19+09:00 「結束力」という言葉は、基本的にポジティブなものだと捉えられている。それこそ日本では小学校ぐらいから「クラスが一丸となって」何かをやり遂げることは良いことだと教えられるし、会社に入ってからも「部署内の結束力を高めるため」と称して飲み会が行われることがある。チームワークとはすなわち結束力のことである、という信念を抱いている人は少なくない。 僕この考え方に少し異議を唱えたい。たしかに、チームの構成員がひとつの目標に向かって一致協力している状態は、チームの熱量という観点では悪くないのかもしれない。チーム内の雰囲気もいいだろう。自分たちのやっていることについて誰も異論を唱えたりしないから、あとはまっす… <p>「結束力」という言葉は、基本的にポジティブなものだと捉えられている。それこそ日本では小学校ぐらいから「クラスが一丸となって」何かをやり遂げることは良いことだと教えられるし、会社に入ってからも「部署内の結束力を高めるため」と称して飲み会が行われることがある。チームワークとはすなわち結束力のことである、という信念を抱いている人は少なくない。</p> <p> </p> <p>僕この考え方に少し異議を唱えたい。たしかに、チームの構成員がひとつの目標に向かって一致協力している状態は、チームの熱量という観点では悪くないのかもしれない。チーム内の雰囲気もいいだろう。自分たちのやっていることについて誰も異論を唱えたりしないから、あとはまっすぐと、各自が精一杯手を動かしていけばいい。</p> <p> </p> <p><strong>問題は、この「誰も異論を唱えたりしない」という点だ。</strong>チームが一丸となって何かに取り組んでいる時に、「でもさあ、これってホントにやる意味あるのかなぁ」と異論を唱えるのは、チームの結束力を乱すことに繋がる。その「ホントにやる意味あるのかなぁ」という意見が実はかなり鋭い指摘だったとしても、多くの人は空気が読めないやつだと思われてしまうことを恐れて、思っても口にしないようにする。<strong>もともとのチームの結束力が高ければ高いほど、チーム内で形成された空気に反するような意見は言えなくなる。</strong>このことは、分野によってはチームの致命的な弱点になりかねない。</p> <p> </p> <p>たとえば、イベントでも映画でも「内輪ノリだけで突き進んでしまった作品」と言えるようなものがある。作っていた当人たちは面白がっているのかもしれないが、いざ世の中に出てみると、そのノリがさっぱり理解できないので面白くもなんともない。当然、そういう作品は興行的には失敗する。このような作品ができてしまうのは、チームの結束力が必要以上に高まりすぎてしまって、「異論が言えない」空気がチーム内で醸成されてしまうことにひとつの原因がある。</p> <p> </p> <p>「これ、自分たちは面白いけど、世間の人も面白いと思うかなぁ?」とチームの誰かが思いつくこと自体は、そんなに難しいことではない。しかし、それを堂々と表明して、しかもそれがチーム内で受け入れられて建設的な議論に発展するようなケースは残念ながらあまり多くない。お気づきの方もいると思うが、これはまさに近年話題の<strong>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B4%CD%FD%C5%AA">心理的</a>安全性」</strong>の問題だ。そして、<strong>単にチームの結束力が強いというだけでは、チームの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B4%CD%FD%C5%AA">心理的</a>安全性は高まらない。むしろ、マイナスに作用することだってある。</strong></p> <p> </p> <p>チームが取り組んでいる課題が単純なものであれば、結束力は概ねポジティブな影響をもたらすだろう。たとえば、みんなでひたすら折り鶴を折るとか、大量のアンケートを集計するとか、そういうものであれば広くメンバーから意見を募って議論する必要もないので、あとはチームの熱量だけの勝負になる。しかし、昔ならともかく、今や会社でそういう仕事にだけ取り組んでいるチームは稀だ。チームが直面する課題は複雑で、何が正解なのかは誰にもわからない。<strong>そういう複雑な高難易度の課題に取り組む時に、チームメンバーがひたすら場の空気を読むことに徹していたのでは、到底いい結果は出せない。</strong></p> <p> </p> <p>そろそろ、結束力や団結力を至高と考える価値観から転換する必要があると僕は思う。心理学の分野では「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%B8%C3%C4%BB%D7%B9%CD">集団思考</a>」という言葉もあって、組織の結束性がしばしば負の影響をもたらすことが知られているが、こういうことはまだ世間一般にはそんなに広がっていない。たとえば、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google">Google</a>で「結束力」というキーワードで検索してみるとわかる。一般的には、やはり結束力=絶対的に善なのだ。もちろん、烏合の衆に成り下がったチームがいいわけではないことは当然だが、過度に結束しすぎていない、異論が歓迎されるようなチームが今後は求められるのではないだろうかと思う。</p> <p> </p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761828/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41Ps5v4v1JL._SL160_.jpg" alt="チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4862761828/packet0a-22/">チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> エイミー・C・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%C9">エド</a>モンドソン,Amy C. Edmondson,野津智子</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%D1%BC%A3%BD%D0%C8%C7">英治出版</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/05/24</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4862761828/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (3件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 『僕たちはもう帰りたい』:「もう帰りたい」と思えるのは、今よりも良い場所を知っているから hatenablog://entry/17680117126996939428 2019-03-21T10:28:02+09:00 2019-03-24T11:27:20+09:00 こちらの本をお送りいただきました。ありがとうございます。 僕たちはもう帰りたい(ライツ社) 作者: さわぐちけいすけ 出版社/メーカー: ライツ社 発売日: 2019/03/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『僕たちはもう帰りたい』。この本のタイトルを見ると真っ先に、会社員時代の通勤時のことが思い出された。 基本的に僕はいつだって帰りたかったのだが、特に一番帰りたいという気持ちが強くなるのが、家を出て通勤のための駅に向かう道のりだったりする。一度、事故か何かで電車が止まってホームに人が入り切らず、行列ができていたことがある。その時は、自分もみんなと同じように行列に並びながら… <p>こちらの本をお送りいただきました。ありがとうございます。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4909044191/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="僕たちはもう帰りたい(ライツ社)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51USizYJxAL._SL160_.jpg" alt="僕たちはもう帰りたい(ライツ社)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4909044191/packet0a-22/">僕たちはもう帰りたい(ライツ社)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> さわぐちけいすけ</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> ライツ社</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/03/16</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4909044191/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>『僕たちはもう帰りたい』。この本のタイトルを見ると真っ先に、会社員時代の通勤時のことが思い出された。</p> <p> </p> <p>基本的に僕はいつだって帰りたかったのだが、特に一番帰りたいという気持ちが強くなるのが、家を出て通勤のための駅に向かう道のりだったりする。一度、事故か何かで電車が止まってホームに人が入り切らず、行列ができていたことがある。その時は、自分もみんなと同じように行列に並びながら会社に「遅れます」というメールを送ったが、内心ではもう「帰りたい」という気持ちで心がいっぱいになってつらかった。おそらく、同じことを考えながらあの行列に並んでいた人はたくさんいたと思う。なんで僕はこうやって行きたくもない場所に行くために必死に頑張っているのだろうか。ああ、もう帰りたい。</p> <p> </p> <p>本書は、そんなふうに一度でも「もう帰りたい」と思ったことがある人の心に刺さる一冊になっている。本書の登場人物は年齢、性別、立場の点で多様だが、とにかく「帰りたい」という一点では共通している。テーマがテーマだけに、一歩間違うと救いがない暗い内容になってしまいそうだが、どの話も最後には希望がある。</p> <p> </p> <p>本書を読んで「なるほど」と思ったことがひとつある。本書では、<strong>「もう帰りたい」という気持ちが沸き起こるのは、少なくとも今よりも良い場所が存在しているからだ</strong>ということを指摘している。言われてみればあたりまえのようだが、実はものすごく前向きでいい考え方だと思う。会社から「もう帰りたい」と思っている人には、少なくとも帰る場所は存在している。よくある「そんなに家に早く帰って何をするんだ」的な指摘は、結局のところ帰りたい場所がないということなのかもしれない。</p> <p> </p> <p>「もう帰りたい」と思える人は、ぜひともその帰った先を大切にしてほしいと思う。ある意味、みんなが健全に「帰りたい」という気持ちを抱けたのであれば、みんながその気持を実現するために一致協力し、業務を効率化して、もっとよい職場を作ることにだって繋がるかもしれない。<strong>だから、「帰りたい」という気持ちを消す方向で頑張ってはいけない。</strong>そこから「帰りたくない」職場なんて、絶対に嫌である。</p> <p> </p> <p>一点、書き忘れたが本書は全編マンガなので、それこそ仕事でヘトヘトに疲れて活字を追うことができない人でも読むことができると思う。会社から帰りたいのに帰れない、そんな人は一度、本書を読んで自分の「帰りたい」という気持ちと向き合ってみてはいかがだろうか。</p> dennou_kurage 給料目当てでスタートアップに転職するのはあまりよくないという話 hatenablog://entry/17680117126996604395 2019-03-20T20:01:12+09:00 2019-03-21T17:18:32+09:00 本日の日経新聞朝刊の記事を見て、少し違和感を覚えた。 www.nikkei.com 記事によると、スタートアップの年収相場が直近7年間で4割増えて、平均で年収720万円になったとのこと。勘違いして欲しくないのだが、僕は別に給与水準が高くなっていること自体をよくないと思っているわけではない。むしろ、日本のハイレベル人材の給与水準は世界的に見ても低いので、それは大いに上昇するべきだし、上がらなければならないと思う。 ただ一方で、そもそもスタートアップはそういった「高年収」が売りの会社とは違うのではなかろうか、という気がしている。上の記事を隅から隅まで読んでみたが、ストックオプションについての話は一… <p>本日の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%B7%D0%BF%B7%CA%B9">日経新聞</a>朝刊の記事を見て、少し違和感を覚えた。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="スタートアップ転職、年収720万円超 上場企業越え" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXMZO42688030Q9A320C1MM8000%2F" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42688030Q9A320C1MM8000/">www.nikkei.com</a></cite></p> <p> </p> <p>記事によると、<strong>スタートアップの年収相場が直近7年間で4割増えて、平均で年収720万円になった</strong>とのこと。勘違いして欲しくないのだが、僕は別に給与水準が高くなっていること自体をよくないと思っているわけではない。むしろ、日本のハイレベル人材の給与水準は世界的に見ても低いので、それは大いに上昇するべきだし、上がらなければならないと思う。</p> <p> </p> <p>ただ一方で、<strong>そもそもスタートアップはそういった「高年収」が売りの会社とは違うのではなかろうか</strong>、という気がしている。上の記事を隅から隅まで読んでみたが、<strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>についての話は一言も書かれていない。</strong>正直なところ、スタートアップの給料なんて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>に比べれば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D1%A5%AF">インパク</a>トは小さい。<strong>仮に年収が4割増えたとしても、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>がもらえていないならスタートアップに転職するメリットはほぼないと言っていい。</strong></p> <p> </p> <p>よく知らない人のためにいい加減な説明をしておくと、基本的にスタートアップにはゴールが存在する。上場するか、買収されるかだ。ここまでやってようやく創業者や投資家は株式を売却して、巨額の富を得ることができる。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>とは、その投資に初期段階で一枚かませてもらう権利のようなものだと思っておけばいい。一般的には、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>を付与されると、その付与時点の株価で将来、その株を買うことができる。</p> <p> </p> <p>たとえば、付与時の株価が100円で、上場時の株価が10,000円だったとすると、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>を持っている人は上場時に100円払って株を得て10,000円で売ることで差額の9,900円儲けることができる。仮にこのオプションを10,000株付与されていれば、上場した時点で大体1億円ぐらい得られることになる(もっとも、実際にはロックアップがかかっているのが普通で、上場したら直ちにすべてのSOを売り抜けて億万長者になれるというわけではないのだが、この例では単<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%E3%B2%BD">純化</a>のためそういうことにしておく)</p> <p> </p> <p>スタートアップでは一般的に、早い段階で入社した社員ほど<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>を多めに付与してもらうことが多い。これは、それだけリスクを負っているからであると説明される。ほとんどのスタートアップは上場もしなければ買収もされずに終わるわけで、そういった不確かな状態で会社に参加して働くには相応の見返りが必要である。だから、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>をもらう。本当の初期メンバー、つまり創業者だったりするとオプションではなく株自体を付与されたりすることもあるのだが、そういう話は例外なのでいったん置いておく。</p> <p> </p> <p>以上はかなり雑な説明なので、興味を持った方はぜひご自分でも調べていただきたいのだが、ひとつ言えることは、<strong>この手の報酬を付与されずにスタートアップに参加するのは愚の骨頂である</strong>、ということだ。そして、おそろしいことに日本のスタートアップを名乗る企業の多くは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>を一切付与せずに社員を雇い入れたり、あるいは雀の涙みたいな<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%C3%A5%AF%A5%AA%A5%D7%A5%B7%A5%E7%A5%F3">ストックオプション</a>しか付与しない場合も少なくない。<strong>基本的に、スタートアップは激務である。この激務は、年収720万円とかそのぐらいの話では正当化されないと個人的には思う。</strong></p> <p> </p> <p>前述の記事の「年収720万円超」という数字を見たときに、僕の頭には、この人達はそもそもSOはもらっているのだろうか?という疑問が浮かんだ。SOを一切もらわずに、年収が増えたといって喜んでいるのだとしたら、なんというか、騙されてるのではないか。あるいは、スタートアップとは名ばかりで、実際には上場することも買収されることもない中小IT企業の年収相場が上がっているというだけの話なのだろうか。記事には別にSOのことは一切書いてないので、実はもらったのかもしれないが、記者がこれだけ無関心な以上、ろくにもらってない可能性は高いと思う。</p> <p> </p> <p>別にSOをもらったからと言っても、実際にはExitできずに激務だけで終わることのほうが圧倒的に多いのだが、それでも馬券は買わなければあたらない。<strong>どうせ必死に働くなら、たとえ僅かだったとしても大きなリターンの可能性がある状態で働いてほしいと思う。</strong></p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822259757/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="起業の科学 スタートアップサイエンス" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51Hu9MIXTvL._SL160_.jpg" alt="起業の科学 スタートアップサイエンス" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822259757/packet0a-22/">起業の科学 スタートアップサイエンス</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 田所雅之</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%B7%D0BP">日経BP</a>社</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/11/02</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4822259757/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (3件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』の中国語繁体字版が出版されました hatenablog://entry/17680117126985633532 2019-03-01T19:13:43+09:00 2019-03-01T22:46:13+09:00 拙著『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』が韓国語版に続いて、中国語繁体字でも翻訳されて出版されたようです。主に台湾、香港、マカオで売られているようです(本土での発売はまあ内容的にも無理でしょう)。 韓国語版の時もそうでしたが、実際に現地の書店に行ってみたわけではないので本当に本屋に並んでいるのかはよくわからないのですが、とりあえず見本が届きました。 ハングルと違って、こちらは漢字なので中国語知識ゼロの僕でもなんとなく意味はわかるような気がします。残業代はあちらでは「加班費」と言うんですね。やりがいは「工作意義」でしょうか?Google翻訳にかけたら「仕事の意味」で翻… <p>拙著『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』が<a href="http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2016/06/14/203453">韓国語版</a>に続いて、中国語<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%CB%C2%CE%BB%FA">繁体字</a>でも翻訳されて出版されたようです。主に台湾、香港、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%AB%A5%AA">マカオ</a>で売られているようです(本土での発売はまあ内容的にも無理でしょう)。</p> <p> </p> <p>韓国語版の時もそうでしたが、実際に現地の書店に行ってみたわけではないので本当に本屋に並んでいるのかはよくわからないのですが、とりあえず見本が届きました。</p> <p> </p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:dennou_kurage:20190301190558j:plain" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/d/dennou_kurage/20190301/20190301190558.jpg" alt="f:id:dennou_kurage:20190301190558j:plain" /></p> <p><br />ハングルと違って、こちらは漢字なので中国語知識ゼロの僕でもなんとなく意味はわかるような気がします。残業代はあちらでは「加班費」と言うんですね。やりがいは「工作意義」でしょうか?<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Google%CB%DD%CC%F5">Google翻訳</a>にかけたら「仕事の意味」で翻訳されましたが、なんかニュアンスとしては近いような微妙に違うような気も……。</p> <p> </p> <p>韓国版が出た時は韓国の方から英語でメッセージをもらったりして、韓国の労働事情も日本の事情も対して変わらないことがわかったんですが、はたして台湾・香港・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%AB%A5%AA">マカオ</a>でこの話がどの程度通じるのかはちょっとわからないところもあります。いずれにせよ、国に関係なく仕事で苦しんでいる人に届けば嬉しいと思っています。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00HPRQK9Q/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/513m9ctkMSL._SL160_.jpg" alt="あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00HPRQK9Q/packet0a-22/">あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 日野<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%CD%C2%C0">瑛太</a>郎</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%CD%CE%B7%D0%BA%D1%BF%B7%CA%F3%BC%D2">東洋経済新報社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/01/10</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B00HPRQK9Q/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (4件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 「叱られ方」を学べという本末転倒な発想 hatenablog://entry/17680117126974726761 2019-02-21T20:09:41+09:00 2019-02-21T20:52:03+09:00 Twitterを見ていたら、NHKの「おはよう日本」でこんな特集をやっていたことを知った。 www.nhk.or.jp 特集では、大正大学で内定を取った4年生向けに行っている研修の内容が紹介されている。この研修で学ぶのは「叱られ方」だ。「叱り方」ではなく「叱られ方」である。普通、この手の研修であるのは管理職向けの「叱り方」研修だが、内定者に対して「叱られ方」を教えるというのはほとんど聞いたことがない。 もしかして、これは入社後に起こりうるパワハラに備えて、身を守るための対処法を教えるという研修なのだろうか。それであれば、非常に意味がある研修だ。企業ではなく大学がやるという理由もよくわかる。そう… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>を見ていたら、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/NHK">NHK</a>の「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AA%A4%CF%A4%E8%A4%A6%C6%FC%CB%DC">おはよう日本</a>」でこんな特集をやっていたことを知った。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="“叱られ方”を学べ!|おはBiz NHKニュース おはよう日本" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.nhk.or.jp%2Fohayou%2Fbiz%2F20190219%2Findex.html" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://www.nhk.or.jp/ohayou/biz/20190219/index.html">www.nhk.or.jp</a></cite></p> <p> </p> <p>特集では、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C0%B5%C2%E7%B3%D8">大正大学</a>で内定を取った4年生向けに行っている研修の内容が紹介されている。この研修で学ぶのは「叱られ方」だ。<strong>「叱り方」ではなく「叱られ方」である。</strong>普通、この手の研修であるのは管理職向けの「叱り方」研修だが、内定者に対して「叱られ方」を教えるというのはほとんど聞いたことがない。</p> <p> </p> <p>もしかして、これは入社後に起こりうる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A5%CF%A5%E9">パワハラ</a>に備えて、身を守るための対処法を教えるという研修なのだろうか。それであれば、非常に意味がある研修だ。企業ではなく大学がやるという理由もよくわかる。そう期待して特集内容を読んでいったが、残念ながらそういうものではなかった。</p> <p> </p> <p>詳しくは上のリンクを読んでもらえばわかるが、番組では「最近の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%E3%A4%A4%BF%CD%A4%BF%A4%C1">若い人たち</a>は叱られた経験が乏しくて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%C7%A4%BF%A4%EC%BC%E5%A4%A4">打たれ弱い</a>」とよくある<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%D3%A5%C7%A5%F3%A5%B9">エビデンス</a>なき若者論に言及した上で、叱られる時は「相手の目を見ろ」であるとか「しっかり声を出せ」といった微妙なアド<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%A4%A5%B9">バイス</a>が続く。「相手の目を見て話をする」であるとか「声を出して答える」というのは別に「叱られる」という文脈に限定されないコミュニケーションの一般論でしかないと思うのだが、それはまあいいとして、個人的には、以下のくだりが特に気になった。</p> <p> </p> <blockquote> <p><span style="color: #000000; font-family: 'Hiragino Kaku Gothic ProN', メイリオ, Meiryo, 'MS Pゴシック', 'MS PGothic', Helvetica, Arial, sans-serif; font-size: 16px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">講師を務めたエービーシーエデュケーションの山本みどりさんは「職場の上司は少し声は荒いかもしれないけれど、自分が否定されるというところから入らずに、まず『受け入れてくれている』と思ってほしい」と説きました。</span></p> </blockquote> <p> </p> <p><strong>これはあまりにも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%AD%C1%B1%C0%E2">性善説</a>に立ちすぎてはいないだろうか。</strong>声を荒らげる職場の上司が、常に部下を「受け入れる」つもりで説教をしているという前提に立つのはあまりにも現実に即していない。<strong>実際には、単に機嫌が悪いから、あるいは部下が気に食わないから、という理由だけで声を荒らげている上司も相当数いる。</strong>そうでなければ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A5%CF%A5%E9">パワハラ</a>なんて発生していないことになる。これをバカ正直に信じて、声を荒らげる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A5%CF%A5%E9">パワハラ</a>上司を「これはあくまで自分を否定しているのではないんだ、自分を受け入れてくれてるんだ」と思ってしまうと危険な事態になる可能性だってある。<strong>声を荒らげる相手に対して、真っ先にすべきは「受け入れてくれている」と考えることなどではなく、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A5%CF%A5%E9">パワハラ</a>を疑うことである。</strong></p> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%D4%C6%BB">都道</a>府県労働局などに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A5%CF%A5%E9">パワハラ</a>相談が持ち込まれる件数は年々増加傾向にある(詳しくは <a href="https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/statistics/">https://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/foundation/statistics/</a> などを参照)。この状況を受けてやるべきは、どう考えたって「叱られ方」研修ではなく「叱り方」研修だろう。そして、仮に受け手の側に対して何かをやるとしたら、それは特集のような意味不明な「叱られ方」研修ではなく「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A5%CF%A5%E9">パワハラ</a>からの身の守り方」研修である。</p> <p> </p> <p>たとえば、上司からどういうことを言われたら「指導」ではなく「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A5%CF%A5%E9">パワハラ</a>」にあたるのか、そういう場合にどうやって証拠を集めればいいか(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>で会話を録音する練習などをロールプレイでやってみるのもいいと思う)、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%EF%A5%CF%A5%E9">パワハラ</a>を受けたらどこに相談するべきか、などを専門家から教えてもらうというのはいい考えだと思う。こういう研修をやりたがる企業はあまりないだろうから、大学などがその年の内定者に対して行うというのは役割分担の観点からもいい。</p> <p> </p> <p>思うに、大学は企業に対して都合のいい人材を養成して送り込むだけの存在ではあってはならない。たとえ企業の利益にならなくても、適切に権利行使をして自分の権利を守れる人を教育して社会に送り出すのがその責務ではないだろうか。「叱られ方」研修のような意味不明な研修を内定者に実施するのは、なんでもかんでも最近の若者のせいにする企業のご機嫌取りをしているだけにしか、僕には見えない。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009KZ4606/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="それ、パワハラです?何がアウトで、何がセーフか? (光文社新書)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41Qsi0k1QRL._SL160_.jpg" alt="それ、パワハラです?何がアウトで、何がセーフか? (光文社新書)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B009KZ4606/packet0a-22/">それ、パワハラです?何がアウトで、何がセーフか? (光文社新書)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> 笹山尚人</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> 光文社</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2012/08/31</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B009KZ4606/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 「ある企業がブラック企業かどうかは人それぞれ」という意見の危うさ hatenablog://entry/26003855889477255 2019-02-14T12:51:21+09:00 2019-02-14T12:52:14+09:00 以前、ある企業がブラック企業かどうかの判断は、結局のところ人それぞれだという意見を聞いたことがある。 たとえば、激務で残業が非常に多い会社があったとする。この会社は、早く家に帰ってプライベートを充実させたい人にとってはブラック企業に見えるかもしれないが、仕事を通じて成長をしたいと思っている人にとっては「よい環境」であるためブラック企業ではない。「人それぞれ」論者はこういった理由で「ある企業を一方的にブラック企業だと決めつけてしまうのはいかがなものか」と懸念を表明する。 言いたいことはわからないでもない。おっしゃる通り、激務だがそのかわり仕事によって能力が飛躍的に身につくという会社は存在する。外… <p>以前、<strong>ある企業が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>かどうかの判断は、結局のところ人それぞれ</strong>だという意見を聞いたことがある。</p> <p> </p> <p>たとえば、激務で残業が非常に多い会社があったとする。この会社は、早く家に帰ってプライベートを充実させたい人にとっては<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>に見えるかもしれないが、仕事を通じて成長をしたいと思っている人にとっては「よい環境」であるため<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>ではない。「人それぞれ」論者はこういった理由で「ある企業を一方的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>だと決めつけてしまうのはいかがなものか」と懸念を表明する。</p> <p> </p> <p>言いたいことはわからないでもない。おっしゃる通り、激務だがそのかわり仕事によって能力が飛躍的に身につくという会社は存在する。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%B0%BB%F1">外資</a>系<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%F3%A5%B5%A5%EB%A5%C6%A5%A3%A5%F3%A5%B0%A5%D5%A5%A1%A1%BC%A5%E0">コンサルティングファーム</a>やスタートアップにそういった見返りを求めて就職する人はたくさんいるし、この手の会社を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>だと言ってしまうのはたしかに違和感がある。</p> <p> </p> <p>しかし一方で、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>かどうかは結局のところ働く人の主観の問題だ」と言い切ってしまうのは危ういとも思う。この理屈は、実は<strong>圧倒的に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>側に有利</strong>なものになっているからだ。実際、「周りの人はうちのことをよくブラックだとか言ってますけど、社員はみんな自ら進んで楽しく働いていますよ」といった趣旨の発言で自社を擁護する経営者は少なくない。このように「本人がそれでいいと言っているんだから周囲がとやかく言うな」という主張はカルト宗教などもよくするが、いくら本人が同意していても許されないものはある。</p> <p> </p> <p><strong>そもそも、この「同意」というものが曲者なのだ。</strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%BD%C2%E5%C6%FC%CB%DC">現代日本</a>では、基本的にどんな労働者も同意した上で働くことになっている。ある会社で働くかどうかを決めるのは本人の自由意志によるので、たとえば道行く人を無理やり拉致してきて会社で強制的に労働させるようなことはありえない。さらに、労働者には会社を辞める自由もある(とされている。一部では訴訟をちらつかせるなどして「辞めさせない」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>もあると言うがそれはいったん置いておく)。つまり、どんな企業でも従業員は自主的に同意して働いていると言えてしまうわけで、その事実だけで企業が免責されるのだとしたら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>などは存在しないということになる。</p> <p> </p> <p>実際には、<strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>で働くことの「同意」は心からの同意と言えない</strong>ことがほとんどだ。カルト宗教的な手法で「洗脳されて」同意していたり、成長できると「騙されて」同意していたり、辞めたら訴えるぞと「脅されて」同意していたり、この会社を辞めたらもうほかに働ける場所がないからと「しかたなく」同意させられていたりーーいずれも、同意の裏には何らかのからくりがある。</p> <p> </p> <p>やはり<strong>ルールに従わない企業は従業員の主観にかかわらず、アウトだと考えるべき</strong>だろう。たとえば、違法残業などの法令違反はいくら従業員が「残業代はいりません、残業させてください!」と言っていても許すべきではない。そういうことを許せば正直に残業代を払っている企業は競争で不利になるし、残業代放棄の「同意を強制」する企業も相次ぐだろう。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%BD%C2%E5%BC%D2">現代社</a>会において企業は社会的存在であるから、社会のルールに従わない企業の存在は許されない。</p> <p> </p> <p>個人的には、そろそろ「激務と引き換えに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AD%A5%EB%A5%A2%A5%C3%A5%D7">スキルアップ</a>」という考え方も過去のものになっていいのではないかと思っている。何かの能力を身につけるために1日8時間、週40時間で足りないなんてことは果たしてあるのだろうか。このやり方でも、5年も働けば1万時間に達する。つまり、<strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A5%EF%A5%A4%A5%C8%B4%EB%B6%C8">ホワイト企業</a>に入ってもビジネススキルを高めることはできる</strong>はずで、そちらのほうが無理に自分を痛めつけて成長を志向するより、よほど健全なのではないかと思う。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845115441/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="まんがでゼロからわかる ブラック企業とのたたかい方" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/513tqJsABuL._SL160_.jpg" alt="まんがでゼロからわかる ブラック企業とのたたかい方" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4845115441/packet0a-22/">まんがでゼロからわかる ブラック企業とのたたかい方</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%B4%A1%B9%CC%DA%CE%BC">佐々木亮</a>,大久保修一,重松延寿</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%DC%CA%F3%BC%D2">旬報社</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2018/06/26</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4845115441/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 転職のきっかけはネガティブなものでも全く問題ない hatenablog://entry/98012380857764035 2019-02-04T20:40:59+09:00 2019-02-04T20:47:23+09:00 こちらの記事を読んだ。 まず先に態度を表明しておくが、僕はこの記事の内容には全く賛同できない。この記事のような、いわゆる「逃げの転職」を否定する人をよく見かけるが、それはあくまで印象論でしかない。この記事には「今ダメな人は、どこに行ってもダメ」というサブタイトルがつけられているが、これは嘘である。今ダメな人も、環境を変えればうまくいくことは十分ありうるし、実際にそういう転職の成功例を僕はいくつも見てきている。 「もっとバリバリ働きたい」といった前向きな悩みではなく、「頑張っているのに評価してもらえない」「人間関係がイヤだ」「上司が嫌いだ」などと後ろ向きな悩みを持つ場合、8割には転職すべきでない… <p>こちらの記事を読んだ。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="“転職ブーム”に踊らされる人が「浅はか」である、これだけの納得理由 (1/5)" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fwww.itmedia.co.jp%2Fbusiness%2Farticles%2F1902%2F04%2Fnews035.html" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p> </p> <p>まず先に態度を表明しておくが、僕はこの記事の内容には全く賛同できない。この記事のような、いわゆる「逃げの転職」を否定する人をよく見かけるが、それはあくまで印象論でしかない。この記事には「今ダメな人は、どこに行ってもダメ」というサブタイトルがつけられているが、これは嘘である。<strong>今ダメな人も、環境を変えればうまくいくことは十分ありうるし、実際にそういう転職の成功例を僕はいくつも見てきている。</strong></p> <p> </p> <blockquote> <p>「もっとバリバリ働きたい」といった前向きな悩みではなく、「頑張っているのに評価してもらえない」「人間関係がイヤだ」「上司が嫌いだ」などと後ろ向きな悩みを持つ場合、8割には転職すべきでないと伝えています。</p> </blockquote> <p> </p> <p>別に転職をしたくない人にまで今すぐ転職をしろと言いたいわけではないのだが、<strong>今の環境に不満があるなら転職はいつだって有効な選択肢となりうる。</strong>「頑張っているのに評価してもらえない」という悩みは自分が納得できる評価制度を採用している会社に転職すれば解決するし、「人間関係がイヤだ」「上司が嫌いだ」といった悩みも、転職で環境がリセットされれば解決する可能性はある。もちろん、転職はあくまで「環境のリセット」なので問題が解決されることが約束されるわけではないが、だからといって<strong>後ろ向きな理由で転職すると絶対に不幸になるという主張はおかしい。</strong></p> <p> </p> <p>そもそも、「もっとバリバリ働きたい」といったよくあるポジティブな転職理由は、ほとんどの場合、採用されるためのタテマエである。面接その他の場面ではこういったポジティブなことを言っておいて、実際にはそれこそ「人間関係がイヤだ」「上司が嫌いだ」という理由で転職している人は相当数いるだろう。会社員時代に、よく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%C5%D3%BA%CE%CD%D1">中途採用</a>の人と「どうしてうちに来たんですか」という話をしたが、前職についてのネガティブな理由から転職してきたという人は少なくなかった。では彼らが仕事ができなかったのかというと、そんなことは別にない。逆に、ポジティブな理由で転職して来た人が空回りしていて疎まれるというケースも目にしたことがある。結局のところ、転職理由のポジティブ/ネガティブと転職後の仕事のできる/できないにはそれほど関係があるようには思えない。</p> <p> </p> <p>もっとも、この記事からも学べることはある。この記事を見る限り、少なくとも日本で採用に携わる人間は、ネガティブな理由を述べる候補を好まないということはわかる。<strong>だから、転職する時はきっかけがネガティブな理由によるものであっても、とりあえずポジティブな理由を述べるようにするべきだろう。</strong>何もバカ正直に本当のことを言う必要はない。大人はホンネとタテマエを使い分けるのだ。</p> <p> </p> <p>タテマエと言えば、元記事には以下のようなことも書かれてあったが、これこそタテマエの極地である。</p> <p> </p> <blockquote> <p>「給与の決まり方」の基礎を改めてお伝えしておきます。そもそも給与とは、企業側が社員の実力を評価し、それに応じた形で決められるものです。別に転職しなくても、現職の中で成果を出して昇進・異動をして、できる仕事を新しく増やせば、年収は上がるはずですよね。 </p> </blockquote> <p> </p> <p>給与の決まり方について、タテマエとしてこのような説明がなされることが多いが、<strong>実際にはこんなふうに給与の額が決まることはほとんどない</strong>。仮に同じ仕事をしていても、A社では年収800万、B社では年収650万なんていう例はザラにある。</p> <p> </p> <p>元記事では人事Xなる人物が「企業は妥当な給与を支払うことで人材流出を防ぎ、競争力を維持しようとしているから、現在の勤務先から支払われている給料こそが人材の価値を表している」という主張でこれを否定しているが、そういった健全な<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CF%AB%C6%AF%BB%D4%BE%EC">労働市場</a>が機能するのはそれこそ社員がネガティブな理由で簡単に転職するような状態が前提になっているわけで、この説明は自己矛盾している。最近、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%B7%CF%B4%EB%B6%C8">日系企業</a>を辞めて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GAFA">GAFA</a>に転職するというエントリをよく目にするが、こうも簡単に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/GAFA">GAFA</a>に人材を奪われている<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%B7%CF%B4%EB%B6%C8">日系企業</a>が「妥当な給与を支払うことで人材流出を防ぎ、競争力を維持しようとしている」とは到底思えない。</p> <p> </p> <p>実際には、<strong>一度採用されてしまうとそこからの給料は上がりにくく、一番給与交渉が機能しやすいのは転職時というのが現実</strong>である。仮に今いる企業で自分のやっている仕事に見合う給料がもらえていないと思うのであれば、本当に転職するかは別にして、とりあえず一度転職活動をしてみればよい。そこで少し強めに給与交渉をしてみよう(自分で直接交渉したくないなら、給与交渉は転職エージェント経由で行うこともできる)。あなたの認識が独善的なものでなければ、給料は上がるだろう。</p> <p> </p> <p>僕自身は、もっとネガティブな理由で転職する人は増えてきてもよいと思っている。そうすれば「頑張っているのに評価してもらえない」ような会社からは人がどんどん辞めていき、いずれそういう会社は淘汰されるだろうし、「人間関係がイヤだ」「上司が嫌いだ」と思う人が多い環境の会社からも人はどんどん辞めていき、やはりそういった会社は淘汰される。<strong>つまり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%B4%EB%B6%C8">ブラック企業</a>や居心地の悪い企業の淘汰が進む。</strong>そうなれば、本当に企業は人材流出を防ぐために妥当な給料を払うようになるかもしれない。</p> <p> </p> <p>転職はあくまで「勤める会社を変えること」にすぎず、そこに前向きとか後ろ向きとかいう区別を導入したところであまり益はない。結局、転職してよかったかどうかは転職先の企業が自分に合っていたかどうかの一点に左右される。「前向きな理由で転職」をしたところで転職先の企業が自分に合っていなければ転職は失敗だし、「後ろ向きな理由で転職」しても転職先が自分に合っていれば転職は成功になる。</p> <p> </p> <p><strong>だから、転職のきっかけはネガティブなものでも全く問題ない。</strong>もちろん、転職ブームに「踊らされる」ようでは困るが(そもそもこの転職ブームという言葉にはだいぶ違和感があるが)、自分の意志で「転職したい」と思ったのであれば、その理由が後ろ向きなものであったとしても、真剣に検討してみる価値はあると思う。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01DVW3K6O/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41hqE-YrY3L._SL160_.jpg" alt="会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01DVW3K6O/packet0a-22/">会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%BA%EA%B8%B5">山崎元</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B8%C5%DF%BC%CB">幻冬舎</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/04/15</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B01DVW3K6O/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage 『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』:大企業でもスタートアップでもない、第三の道 hatenablog://entry/98012380855366671 2019-02-02T16:47:08+09:00 2019-02-02T17:06:00+09:00 NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方 作者: ジェイソンフリード,デイヴィッドハイネマイヤーハンソン,Jason Fried,David Heinemeier Hansson,久保美代子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/01/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 『小さなチーム、大きな仕事』や『強いチームはオフィスを捨てる』に続く、Basecamp社(旧37signals)の新刊『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』を読んだ。 個人的な話になるが、僕は就職活動の時に、とにかく毎日残業がな… <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152098333/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51qWVKgBWML._SL160_.jpg" alt="NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152098333/packet0a-22/">NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> ジェイソンフリード,デイヴィッドハイネマイヤーハンソン,Jason Fried,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/David%20Heinemeier%20Hansson">David Heinemeier Hansson</a>,久保美代子</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%E1%C0%EE%BD%F1%CB%BC">早川書房</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/01/22</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/4152098333/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> 『小さなチーム、大きな仕事』や『強いチームはオフィスを捨てる』に続く、Basecamp社(旧<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/37signals">37signals</a>)の新刊『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』を読んだ。</p> <p> </p> <p>個人的な話になるが、僕は就職活動の時に、<strong>とにかく毎日残業がなくて、ストレスなく働けて、給料がしっかりもらえる会社で働きたい</strong>と思っていた。ところが、実際にいくつか会社を調べてみると、そんな都合のいい働き方ができる会社はほぼ存在しないという絶望的な事実を知った。</p> <p> </p> <p>いわゆる大企業は雇用こそ安定しているが、仕事自体は非効率の極みでありストレスなく働ける気がまったくしなかった。このブログでたびたび批判しているような意味不明な慣習が幅を利かせている会社も少なくない。何より、毎日スーツを着て満員電車に揺られて会社に行っている自分のイメージが沸かなかった。</p> <p> </p> <p>では少人数のスタートアップならどうだろうか。たしかにスタートアップなら先進的な働き方を取り入れている会社も多いので、歴史ある大企業に比べればワークスタイルの点でストレスを感じることは少なそうだ。社員数も少ないので、大企業のように決裁をあおいでスタンプラリーをするとか、会議地獄で自分の仕事がまったくできないということもない。職種によるが、服装も自由なところが多い。</p> <p> </p> <p>ところが、スタートアップには忘れてはいけない一面がある。スタートアップは基本的に、上場などのイグジットに向けて爆発的な成長を志向する。<strong>その結果、ほとんど絶対と言っていいほどハードワークになる。</strong>平日の夜はもちろん、土日が潰れることも少なくない。僕も大学院生の時に、そういう小さな会社を友人数名でやっていて、たしかにあの時は楽しくもあったけれど、かなり疲弊もしたので当面は御免こうむりたいという気持ちが強かった(このあたりの話は『脱<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%D2%C3%DC">社畜</a>の働き方』という本に昔書いたので、もし興味があったらそちらを参照してみてほしい)。</p> <p> </p> <p>結局僕は、その中間を狙って、いわゆるメガ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%F3%A5%C1%A5%E3%A1%BC">ベンチャー</a>を中心に就活をしてあるウェブ系の会社に就職することになった。その会社にはスタートアップ並のハードワークと大企業並の理不尽な慣習が同居していて、「とにかく毎日残業がなくて、ストレスなく働けて、給料がしっかりもらえる会社で働きたい」という僕の願いはやはり叶わなかった。</p> <p> </p> <p>前置きが長くなったが、本書はそんな<strong>「とにかく毎日残業がなくて、ストレスなく働けて、給料がしっかりもらえる会社で働きたい」という願望を叶えたい人向けの本である</strong>と言ってよいだろう。本書を読む限り、Basecamp社はまさにそういう会社で、しかもそれを志向して会社のカルチャーやワークスタイルを決めているように思える。</p> <p> </p> <p>ネット上では、大企業と比較してスタートアップが礼賛される傾向が強いが、<strong>大企業で働きたくない人にとってスタートアップが天国かというと、必ずしもそういうことはない。</strong>前述のように、僕はスタートアップのハードワーク体質がどうしても馴染めなかった。服装などの形式には縛られず、ビジネスの本質的な価値を生み出すこと自体に集中できるという点ではすごく魅力的に感じるのだが、プライベートが存在せずすべてを仕事に注ぎ込む生活は自分には無理だった。</p> <p> </p> <p>本書は、そういった<strong>「古いワークスタイルは嫌だが、ハードワークも嫌」という人に対して<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%BB%B0%A4%CE%C6%BB">第三の道</a>を提示する</strong>本であるとも言える。本書で紹介される働き方は、古いワークスタイルが持っていた理不尽さとは無縁だ。それと同時に、スタートアップ的な圧倒的成長も目指さない。賢い人がその自分の賢さを、会社の成長ではなく自分たちが楽をするためにだけ使う方法を紹介しているとでも言えばいいだろうか。</p> <p> </p> <p>いくつか例を挙げると、本書では成長のための目標を立てることや、人材獲得競争をすることのような、従来のスタートアップでは当然のようにやっていることを否定する。そのうえで、会議の時間や集中して仕事をしている時のインタラプトをなくし、仕事の効率を最大限に高めることの重要性が説かれる。<strong>一項目一項目は短いのでサクサク読めるが、ところどころにハッとさせられる文章が混じっており、そういう意味ではこの本自体もだいぶ効率がいい。</strong></p> <p> </p> <p>個人的には、こういう会社がもっと増えて欲しいと思う。もしかしたら、それは資本主義の要請とは微妙にズレたところにあるのかもしれない。だからこそ、本当の幸せはその微妙にズレたところにあるような気もするのだ。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01NCJVL06/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF)" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41SoNO9oknL._SL160_.jpg" alt="小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01NCJVL06/packet0a-22/">小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> ジェイソンフリード,デイヴィッドハイネマイヤーハンソン</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%E1%C0%EE%BD%F1%CB%BC">早川書房</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2016/12/15</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B01NCJVL06/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (1件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JFLJ13W/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="強いチームはオフィスを捨てる" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41yuQfqd1kL._SL160_.jpg" alt="強いチームはオフィスを捨てる" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00JFLJ13W/packet0a-22/">強いチームはオフィスを捨てる</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> ジェイソンフリード,デイヴィッドハイネマイヤーハンソン</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%E1%C0%EE%BD%F1%CB%BC">早川書房</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2014/04/01</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B00JFLJ13W/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログ (3件) を見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage ほとんどの会社員には、業務を効率化するインセンティブがない hatenablog://entry/98012380837966671 2019-01-25T19:45:22+09:00 2019-01-25T19:48:17+09:00 こちらを読んで。 上のリンクはどうも話ができすぎているような気がするが、会社員の業務効率化については、課題が多い。 「働き方改革」の文脈で、残業削減のために業務を効率化して早く帰ろうという主張を耳にすることがある。仕事が早く終わればそれだけ早く帰れるようになるのは自明に思えるので、一見、この主張はまっとうに思える。ところが、実際に社員として仕事をしている側の立場で考えてみると、必ずしもそういう単純な話にはならない。 まず「仕事が早く終わればそれだけ早く帰れるようになる」という前提が実際にはかなり疑わしい。たとえば、ある人が毎日残業しながら10時間かかってこなしていた仕事を、システムで自動化する… <p>こちらを読んで。</p> <p> </p> <p><iframe class="embed-card embed-webcard" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="『定時で帰るから』という理由で派遣社員をクビにした課長→辞めたその子のPCを片付けてたらとんでもない悲劇が判明" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Ftogetter.com%2Fli%2F1312087" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"></cite></p> <p> </p> <p>上のリンクはどうも話ができすぎているような気がするが、会社員の業務効率化については、課題が多い。</p> <p> </p> <p>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%AF%A4%AD%CA%FD%B2%FE%B3%D7">働き方改革</a>」の文脈で、残業削減のために業務を効率化して早く帰ろうという主張を耳にすることがある。仕事が早く終わればそれだけ早く帰れるようになるのは自明に思えるので、一見、この主張はまっとうに思える。ところが、実際に社員として仕事をしている側の立場で考えてみると、必ずしもそういう単純な話にはならない。</p> <p> </p> <p>まず<strong>「仕事が早く終わればそれだけ早く帰れるようになる」という前提が実際にはかなり疑わしい。</strong>たとえば、ある人が毎日残業しながら10時間かかってこなしていた仕事を、システムで自動化するなどの手段によって1時間で終わらせられるような業務効率化に成功したとする。それを成し遂げた人はきっと褒められることになるだろうが、<strong>ではそれによって以後は仕事を毎日1時間だけこなせば退社していい、とは絶対にならない。</strong>業務効率化によって生まれた空き時間で、また別の仕事を課されることになるだろう。むしろ「ちょっとできるやつ」だと思われて、大量に仕事が積まれて逆にもっと早く帰れなくなる可能性するある。<strong>仕事を早く終わらせられるようになったからといって、早く帰れるようになるという保証はどこにもないのだ。</strong></p> <p> </p> <p>では、せめて給料の額ぐらいは増えるのかというと、これも結構疑わしい。業務効率化を推し進めればさすがに査定はよくなるだろうから多少は増えるかもしれないが、<strong>貢献度に応じた額の給料が増えるというのは日本の職場ではまず考えられない</strong>だろう。単位時間あたりのアウトプットを10倍にする業務効率化を成し遂げても、給料が10倍になるわけではない。実際には2倍にもならない。ひどい場合は、査定があるころにはもうその貢献は忘れられており(いわゆる「期末効果」)ほとんど評価されなかったということだってよく起こる。<strong>業務改善を納得の行く形で評価に接続できている職場はほとんどない。</strong></p> <p> </p> <p>思うに、業務改善がそのまま自身の利益に直結するのは、会社員ではなく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%EA%A1%BC%A5%E9%A5%F3%A5%B9">フリーランス</a>だったりする。たとえば、請求書の発行業務であるとか確定申告であるとか、そういう作業を効率化したいと思っていない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%EA%A1%BC%A5%E9%A5%F3%A5%B9">フリーランス</a>はほとんどいないだろう。こういう本業に付帯する事務作業に限らず、本業自体も短い時間で同じ効果が上げられるようになるのなら、残った時間は遊びに回してもいいし、さらなる仕事に回してもいい。このように、<strong>自分のこなす仕事量自体に対する決定権を持っていれば、業務効率化はそのままその人の利益に直結する。</strong></p> <p> </p> <p>ところが、<strong>会社員の場合はこの「自分のこなす仕事量自体に対する決定権」を持っていない。</strong>それゆえ、仕事を「早く終わらせる」ことに対する<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%BB%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%D6">インセンティブ</a>がない。だから実際によくあるのは、怒られない程度の速度で適度にダラダラと仕事をやって業務時間を使い尽くし、空気を読んで角が立たない時間に退社する、という行動になる。これでは生産性なんて絶対に上がるわけがない。これは会社員という雇用形態に内在する欠陥のようにも思える。</p> <p> </p> <p>ではどうすればいいのか。ひとつは、会社員も本当に「自分の仕事が早く終わったら早く帰っていい」ようにするという道が考えられる。本来、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%DB%CE%CC%CF%AB%C6%AF%C0%A9">裁量労働制</a>などはこういう方向の改革と親和性が高いはずだった(実際には、残業代カットの良い理由づけに使われているだけだが)。これを実現するには、従来の時間による労働管理から結果による労働管理に移行する必要があるが、課題は多い。</p> <p> </p> <p>もうひとつの方法は、業務効率化をある程度納得感のある形で評価できるフェアな評価制度を整備することだ。10倍の業務効率化を実現したら給料10倍とまではいかなくても、業務改善をした人がやる意味があると思える程度には報いてあげられる仕組みがほしい。これも、言うのは簡単だが実際にやるとなると相当難しい。</p> <p> </p> <p>結局のところ、現時点で最強なのは「業務は効率化するが、それは隠しておく」ことになってしまっている。実際、僕の知人には毎日の仕事を1時間で終わらせてあとは仕事をするふりをしながら遊んでいるという人もいる。効率化の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%BB%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%D6">インセンティブ</a>がない以上、僕はそういう手段に走る人を非難する気持ちにはなれない。ただ、会社全体や社会全体で見た場合に、その損失の大きさには残念な気持ちになる。</p> <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B071ZLKYJC/packet0a-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="すごい効率化" src="https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/418avNYSYoL._SL160_.jpg" alt="すごい効率化" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B071ZLKYJC/packet0a-22/">すごい効率化</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E2%C0%EE%B8%B2%B6%B5">金川顕教</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">出版社/メーカー:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/KADOKAWA">KADOKAWA</a> / <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%B7%D0%BD%D0%C8%C7">中経出版</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2017/06/02</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> <li><a href="http://d.hatena.ne.jp/asin/B071ZLKYJC/packet0a-22" target="_blank">この商品を含むブログを見る</a></li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> dennou_kurage