ノー残業デーという制度が会社によってはあったりする。今日はこの制度について少し考えてみたい。
定時で帰宅できる日を週に最低一回でも設けようというこの制度は、社員のワークライフバランスを維持するために、効果的なように見える。
しかし、現実にはノー残業デーを設けることで、他の日に残業をすることを暗黙に認めてしまっているケースが少なくないと思う。これでは本末転倒だ、と僕は思う。
そもそも、週一回だけのノー残業デーというのは、だいぶ目線が低い話だ。残業自体が本来イレギュラーな存在のはずである。「定時が原則、残業が例外」のはずだ。例外だから残業をする日は週に一回だけにしましょう、というのならだいぶわかるのだけど、週に一回だけ、原則を維持しましょう、というのはだいぶおかしい。原則と例外が逆転している。
もちろん、原則に戻るための第一歩として、段階導入的に週1回のノー残業デーから始めるというのは悪くないと思う。週1に慣れてきたら、週2、週3というふうに増やしていって、最終的には残業自体を無くしていく。ただ、こんなふうにやっている会社は日本にはほとんど無いだろう。労働時間を減らすことに対して、使用者は当然興味がないし(法律に違反さえしなければ)、従業員も夢物語だと思っている節がある。
はっきり言って、日本人の労働観は狂っている。先ほど定時が原則、残業が例外と書いたけど、発言小町あたりでこんなことを書いたら残念ながら袋叩きにあうだろう。お前は社会がわかっていないと言われるかもしれない。
会社よりプライベートを優先する若者をシュガー社員とかいうセンスのない名前を付けてディスってるおばさんがいるけど、仕事よりプライベート優先なんて当たり前じゃないか。このブログではよく書いてるけど、仕事のために生きているんじゃなくて、生きるために仕事をしているということを忘れてはいけない。この国では、当たり前のことを当たり前だと言えない不思議な雰囲気がある。特に労働関係で顕著だ。
残業はそもそもイレギュラー、例外だということを強く心に刻もう。
なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか? 6時に帰る チーム術
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