就職して、会社に入ると、大学生のような自由な生活は送りづらい。拘束時間も学生のころに比べるとおそろしく長く、たとえ定時で退社したとしても1日最低8時間くらいは会社に捧げなければならない。実際には、通勤や残業、付き合いの飲み会などもあるので、拘束時間はもっと多い。酷い場合になると、平日はすべて会社によって潰される。休日も、平日の疲れを回復するがやっとだ、という人もいるだろう。
このような、現代日本の基本的な労働観に従うと、一度就職してしまったが最後、次に好きなことがゆっくりできるようになるのは定年後ということになる。
さて、定年後に自由になったとして、果たしてそれで幸せといえるのだろうか。定年後にはもう60歳を過ぎていて、人によっては体の自由も効かなくなっていることだろう。若いころのように遊ぶことは到底できない。そんな状態で、好きなだけ休んでいいと言われても、果たして満足できるのだろうか。
こういう事態にならないために、自分が人生でやりたい、と思っていることがあるのならば、会社なんかに時間を捧げずに、とりあえずやってみたほうがいい。キャリアに空白があると日本では不利だと言われるけれど、そんなことを気にしすぎて、老人になってしまったのでは何のための人生だったのかわからない。
Amazonの創業者であるジェフ・ベゾスが言うには、人生の最大のリスクは、死ぬ間際になって「人生を後悔すること」だそうだ。ジェフ・ベゾスのように世界企業を起こせとは言わない。ただ、大きいことでも小さいことでも、やりたいことがあるのなら、やれるうちにやったほうがいい。(それはもちろん、仕事である必要は全然ない。どこかに旅行に行く、とかでもなんでもいい)。定年まで社畜に徹して、死に際で、「やっぱり、やっておけばよかったなぁ」と嘆いても遅い。会社に人生を奪われるのなんて、悲惨極まりない。
人生はあまりにも短い。会社なんかに、無駄な時間を使わないことを切に願う。

- 作者: リチャード・ブラント,滑川海彦(解説),井口耕二
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