各所で話題沸騰中なので、もうプレイしてみた人も多いかもしれないが、iPhoneアプリの『iNeet』がとても面白いので紹介したい。先ほどAppStoreで見たら、ゲームカテゴリの無料アプリランキングで1位になっていた。
iNeetは、ニートを育成するゲームである。プレイヤーはニートに食事を与えたり、漫画を読ませたりゲームをさせたりすることで、ニートを育てることができる。一定条件を満たすと、ニートは新たな形態に姿を変える。基本的にはこれだけなのだが、結構面白くてハマってしまう。絵柄がとても味わい深く、可愛いと思うかは置いておくとして、センスがあると言ってよいだろう。
昨日は風邪を引いてしまって一日寝込んでいたのだが、結局布団の中でこればかりやっていた。アプリ全体から漂う脱力感が、妙に心地よかった。
ボールペンのキャップをひたすらハメる内職ミニゲームはちょっと難易度が高いのだが、これはきっと次のアップデートで改善されことだろう。
個人的に一番ウケたのは、しばらく放置していたら、「ニートが壁ドンをしています」というプッシュ通知が来たことである。世の中のニートのお母さんたちも大変だなぁ、と思わずにはいられなかった。
開発者自ら開発経緯を語っているが、興味深い(と言ったら失礼なのかもしれないのだけど)のは、開発者が現役のニートだということだ。プログラミングを1年勉強して、このアプリを作ったとのことである。これは本当にすごいし、色々と参考になる事例だと思う。
プログラミングは、弁護士になるとか会計士になるとか、大学に行って就職活動をして一流企業に就職するとか、そういうことに比べると、参入のハードルがだいぶ低い。開発に必要なマシンと勉強のための書籍があればとりあえずモノは作れるし、実際に作ったものをマーケットで売るにしても、参加料はとても安い(AppleのiOS Developer登録は99ドル、Android Marketだったら25ドルぐらいだ)。勉強する気持ちがあれば、誰にでもチャンスがあると言えるだろう。ネイティブのアプリを作るのに困難を感じるのであれば、Titanium Mobileのような選択肢もある。
社畜から逃げ出したいという人は、週末を使ってちょっとチャレンジしてみるのもよいと思う。僕も本職はプログラマなのだけど、仕事ではなく趣味で誰にも邪魔されずに自分の好きなものを作るという行為はそれだけで結構楽しい。もちろん、向き不向きがあるので全員に薦めるわけではないが、とりあえず自分が向いているかどうか試してみるのは悪くないだろう。意外と文系出身の人でもプログラミングの楽しさに目覚める人は多いので、「自分は文系だから」という理由で敬遠しないでやってみるとよい。
もっとも、完成まで至らずに終わるというアプリは思いの外多い。iPhoneアプリを作りたい、と思っている人で、実際にストアに公開できる人は10分の1にも満たないんじゃないかと僕は思う。しかも、ランキング1位なんてそう簡単に取れるものじゃない。そういう意味で、この作者は本当にすごい。
現在、iNeetはアップデート版とAndroid版の製作が進行中らしい。iNeetも、この作者の次回作も含めて、今後の展開が注目される。
JavaScriptとTitaniumではじめる iPhone/Androidアプリプログラミング 【Titanium Mobile SDK 2.1 & Titanium Studio 2.1 対応】
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