僕は残業が心から嫌いである。できることならば一秒だって残業はしたくない。毎日定時に帰って、家で自分の趣味の読書や映画鑑賞、プログラミングなどをして過ごしたい。休日出勤なんて論外だ。休日は一秒も会社のことなんて考えたくない。
では、このような条件を求めて、転職をしようと思ったとする。残念なことに、日本にはこのような条件で就労できる仕事はほとんど見つからない。正社員ならもう絶望的だ。もしかしたらどこかにはあるのかもしれないが、特殊なコネとか運がないとそういう職業にはつくことができない。
発言小町などで、「給料は激安でいいから、正社員で残業ゼロの仕事につきたい」という相談をしている人がいる。この質問をしている人の気持が、僕は痛いほどよく分かる。しかし、悲しいことに回答は「甘えるな」の大合唱だ。「あなたみたいな人を、企業が雇うメリットがあると思いますか?」という、辛辣な言葉まで浴びせられ、どうしてそんなことまで言われなければならないのだという気持ちになる。
このような条件を要求することは、果たして「甘え」なんだろうか。僕にはそうは思えない。以前にも書いたが、そもそも残業とは例外的な出来事であるはずで、仕事は定時に終了するのが大原則のはずである。例外が50時間とか100時間というのは、どう考えてもおかしいだろう。「週に1日だけ3時間くらい働いて、あとは寝ているだけで月20万くらいください」と言ったらそれは甘えと言われても仕方がないと思うのだが、週に5日、毎日8時間くらいは労務を提供すると言っているのに甘えと言われるのはあんまりだ。
また、僕のような趣味の時間が欲しいとかのんびり暮らしたいという理由ではなく、出産や子育てと仕事を両立させたいとう理由でこのような働き方を人生のあるフェーズで求めることは決して不思議なことではない。そういうオプションを、堂々と求める手段が今の日本にはない。こんな状況では、少子化になるのは当たり前だろうと言わざるをえない。
ちなみに、このような働き方はカナダやドイツでは余裕である。だから、こういう働き方をしつつ社会を回していくことが人類に不可能だということは全然ない。日本だって、目指そうと思えば目指せるはずなのだ。
残業が嫌な人は、残業がない会社で働ける。そういう社会にしていったほうが、幸せな人が増えていい国になると思うのだが、いかがだろうか。

なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか? 6時に帰る チーム術
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