ここ数年で、急に「朝活」という言葉を目にする機会が増えた。もっとも、早起きをして朝の時間を有効活用しようというライフスタイル自体はかなり昔から存在していて、「朝活」の内容自体に特に目新しいものは見当たらない。「早起きは三文の徳」ということわざだって大昔からある。要は単なるブームであり、そのうち「朝活」という言葉自体は死語になるだろうと僕は思っている。
朝活論者は、朝の時間活用の利点として、例えば次のようなことを挙げる。
- 朝の時間は、夜の活動に比べて邪魔されることが少ないため、集中して自己研鑚や勉強に励むことができる
- 朝活をすることで、朝食をしっかりと取ることができるようになるため、健康になる
- 早起きして日光にあたると、幸福物質であるセロトニンが放出されるようになる
この主張はごもっともで、反論するつもりは全くない。早起きにそれほど苦痛を感じずに、朝型のライフスタイルが実践できる人は、朝活を続けるとよいと思う。
ただ、朝に無理して起きないで、布団の中で二度寝、三度寝を楽しむというのも、僕にはかなり魅力的なことに感じられる。「春眠暁を覚えず」とはよく言ったもので、朝布団に包まってまどろんでいる時間は、なかなか趣があって気持ちがいいものだ。
そして、朝活のために早起きをすると、この至福の時間が消滅してしまうことになる。朝活によって得られる利点と、朝寝坊によって得られる至福の時間とを比較衡量すると、僕の場合は朝寝坊が勝つ。だから、僕は朝活は別にしなくてもいいかなと思っている。
巷では、朝活だけでなく、睡眠時間を4時間に圧縮して可処分時間を増やそうという短眠術のようなものも、流行っているように見える。僕は、こういった「睡眠時間は無駄な時間で、健康上の問題が無いのならなるべく減らした方がいい」と考える動きには違和感がある。
以前も書いたが、無駄な時間を極力削ろう、削ろうと必死になっても、結局のところ焦る気持ち自体は消えないし、それで人生が豊かになるともあまり思えない。朝が苦手でなかなか起きられないという人は、思い切って朝寝坊の時間を肯定的に捉えるというのも悪くない考え方ではないかと僕は思う。
全員が全員、無理して早起きを頑張る必要は無いのである。朝活は、本当にそれが自分のライフスタイルに合っている、と確信する人だけがやればいいのではないだろうか。少なくとも、他人に強制したり押し付けたりするものではないことだけは確かだ。
朝の時間を朝寝坊に使う人も、朝活に使う人も、どうか気持ちのよい時間を過ごして欲しいと思う。
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