脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

「社会人なら体調管理はできて当然」とか簡単に言うな

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11月も、もうすぐ終わりである。気温もだいぶ低くなり、今年も風邪が蔓延する季節が到来しようとしている。このブログを読んでいるみなさんも、どうか風邪には気をつけて欲しいと思う。万が一引いてしまった時は、無理をせずに体を休めて欲しい。

 

さて、今日はそんな体調管理についての話を書きたいと思う。書きたいのは、「体調管理は社会人の常識」という言葉についてだ。僕は、この言葉に全力で違和感を感じている。

 

これは、突然仕事を休んだりすると周りに迷惑をかけるので、社会人なら体調管理には常に気をつけなければいけない、という趣旨の言葉である。確かに、突然休んでしまったりすると、仕事上の問題が発生することもあるのは事実だ。そういう事態は、もちろんないほうがいいに決まっている。

 

しかし、風邪を引いたり体調を崩したりすることについて、本人の帰責性はそんなに強いものなんだろうか。体力は人それぞれだし、体調管理をどんなにしていても、風邪を引いてしまうことはある。大体、ウイルスが蔓延する満員電車で通勤するしかないのに、体調管理をしまくったところで風邪をひく時は風邪をひく。この言葉は、「体調管理」というものをしっかりやっていれば100%風邪や病気が防げる、と言っているようで現実と大きく乖離している。精神論に近いものを感じる。

 

僕は、「社会人なら体調管理はできて当然」なんて、簡単に言うべきではないと思う。風邪を引いたり、病気になって苦しいのは何よりも自分である。そういう人に対して、他人がムチを打つ資格なんてない。自分だっていつ風邪を引いたり、病気になってしまうかわからないんだから、多少仕事上の不利益を被ったとしても、「お大事に。こっちのことは気にせずゆっくり休んで」とやさしい言葉をかけて上げるべきなんではないだろうか。そういう風にすれば、いつか自分が逆の立場になった時も、助けてもらえる。

 

酷い会社になると、連日の深夜残業や休日出勤を強要しておきながら、同時に「体調管理をしっかりしろ」とふざけたことを言ってくるから開いた口がふさがらない。この手の会社は、「体調管理したいので、定時に帰ります」とか「体調管理のため、土日は一切働けません」という主張を許す覚悟があって言っているのだろうか。「社会人の常識」というフレーズを使えば何を言っても許されると思っているのだったら、大きな間違いだ。

 

日本では労働者は風邪を引いたりしないことが前提になっているフシがある。海外には、有給休暇とは別に、病欠用の「シックリーブ」という休暇があり、体調不良の際には有給ではなくこちらを使用することになっている。人間が常に健康であり続けるわけはなく、たまには体調を崩したり病気になったりしうる、ということがシステムに織り込まれているわけだ。どんなに体調管理を頑張っても、人間は風邪を引く時は風邪を引くのである。

 

体調管理は当然できたほうがいいが、風邪を引いたり病気になったりした人が、社会人失格だということは全くない。むしろ、これを咎める人間のほうが社会人失格であると僕は思う。

 

かぜの科学―もっとも身近な病の生態

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