脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

日本で働いている外国人に日本の労働観について聞いてみた

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僕がいま働いている会社の部署には、日本人だけでなく外国人も結構いる。こういう環境で働いていて常々知りたいと思っていたのは、外国から来て日本で働いている人は、日本の職場環境や労働観について、どのように感じているのだろうかということだ。いま僕が働いている会社は外資系の企業というわけではないので、基本的には日本式の職場環境や仕事観により運営されているが、こういうのは彼らの常識から照らすと、かなり不合理なものに見えるに違いない。

 

先日参加した会社の飲み会で、オーストラリア出身の方と話す機会があったので、ちょっとこの問題について聞いてみることにした。予想通りの答えなのだけど、直接聞くと「あぁ、やっぱりそうだよねぇ」と思わずにはいられない。以下に、一問一答形式で話した内容をまとめる。

 

Q:日本人の働き方についてどう思う?

A:働き過ぎ。ものすごく忙しい。こんなのはオーストラリアでは考えられない。

 

Q:オーストラリアでは仕事は忙しくない?

A:基本的にはみんな残業しないで帰る。人によってはたまに残業する人もいるけど、そういう人たちだってどんなに遅くとも21時には帰る。終電がどうとか、徹夜がどうとか言っている日本の人は明らかにおかしい。

 

Q:オーストラリアにいた時は、仕事が終わった後の時間はどうしてた?

A:僕は友だちと遊んでた。日本に来て驚いたのは、友達と平日に遊ぶ約束をするのに、1ヶ月ぐらい前から予定を合わせないと遊んだりできなかったこと。平日の仕事が終わった後の時間で遊びに行くのに、なんでそんなに手帳を見たりとか事前に予定をおさえたりとかがいるんだろう?オーストラリアにいた時は、仕事終わったら、その時の気分で一緒に遊びたいなぁと思う人にその場で電話すれば、大抵は一緒に遊びに行ける。余裕がなさすぎ。

 

Q:日本で働いていて「これはおかしい」と思ったこと、何かある?

A:体調壊してまで働いている人がいるのはおかしい。健康より大事なものなんて普通ないよ。体を壊したらもう終わりなのに、なんでそこまで必死に働くのか、ちょっと理解できない。

 

Q:逆に、日本で働いていて「よかった」と思ったこと、ある?

A:日本の漫画は面白い。あと、治安がいいですね。

(※労働環境についてのよい点はひとつも聞けず)

 

他にも色々話したのだけど、会社固有の突っ込んだ話などなのでその部分は省略させていただく。

 

彼が「おかしい」とか「驚いた」と言っていることは、実は僕たち自身も本当はおかしいと思っているのではないだろうか。心では「おかしい」とか「理不尽」と思っているものの、「でもみんな、我慢して働いているからなぁ」という理由でこの手の真っ当な意見は心の外に出ることなく消え去っていく。たまに、声を大にして違和感を叫んだ人がいたとしても、「社会人の常識がない」と周囲から叩かれ圧殺されてしまう。日本の職場環境を「我慢大会」と言ったりすることがあるけど、これは本当にうまいたとえだと思う。

 

もうこんな国は捨てて海外脱出しよう、とアジテートする気は全然ないのだけど(海外脱出についての僕の考えはこちら)、日本の労働環境が完全にガラパゴス化していて、他所の国の人から見るとだいぶ奇妙に見えるものだということは、もうみんな認識しておくべきだろう。日本で「たかが仕事」とか言うと奇異の目で見られるが、海の向こうでは仕事が「たかが仕事」なのは言うまでもなく当たり前だ。「たかが仕事」にそこまで熱心になれないと言う方は、むしろそれがグローバルスタンダードだと思うぐらいでよいのではないかと思う。