参院選が近い。選挙自体の行方も気になるが、僕が最近同じぐらい気になっているのが投票率だ。先日、こんな調査結果が東北大学から発表されていて、話題になった。
「若年世代は1%の投票棄権でおよそ13万5千円の損!?」-年齢別投票率の違いが世代間の格差を拡大している可能性-
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2013/07/press20130712-01.html
この試算が正しいかは置いておくとして、若年世代が選挙に行かないと損だというのは間違いのない事実である。
なぜ若者の投票率は低いのだろう。これは端的に言って、若者世代の政治に対しての関心が低いからにほぼ間違いはないだろう。いざ選挙に行って投票しようにも、誰に入れたらいいのかよくわからない。どうせ投票しても、それで何かが変わるような気もしない。それだったら、貴重な休日の時間を割いてまで、投票に行くのはアホらしい。そう思って、投票に行かないのではないかと推測できる。
若者世代の投票率が低いということになると、今度は政治家の方も若者世代を無視するようになる。どうせあいつらは投票率が低い、選挙に来ない――そう思われたら、若者よりも年寄りを優遇するような政策を優先するようになる。ただでさえこれから少子高齢化が進んで若者世代の頭数がますます少なくなっていくというのに、これで投票率まで低いとなったら、若者に対して何かをするのは本当にアホらしいということになってしまう。
政治家が若者を軽視すると、ますます若者にとって選挙が意味を感じられないものになる。どうせ選挙に行っても何もかわらない、そういう考えが蔓延し、投票率はますます下がる。そうすれば、さらに政治家は若者を無視するようになる。こうやって、悪循環は続き、若者は完全に政治からはじき出される。
僕もおそらくまだギリギリ若者世代に入れてよいぐらいの年齢だと思うので、同世代の人たちに言いたい。確かに、政治はよくわからないかもしれない。僕だって、そんなに詳しい方ではない。毎回、投票所では誰に入れたらいいのかわからなくて迷う。自分の一票で、政治を動かしているというようなイメージをもてというのはちょっと厳しいかもしれない。だから、「もっと政治のことを勉強しよう」とか「毎日、新聞を読もう」とか、そういう社会科の教師みたいなことは言いたくない。
ただ、上でも述べたように若者世代の投票率が低いと、政治家から軽視されるという構造があるのは紛れもない事実だ。「あいつらはどうせ選挙には来ないから」と言われて舐められるのは、悔しくはないだろうか。僕は悔しい。
そこで、全然政治に興味がわかないという若い人は、とりあえずは投票率を上げにいっていると思って選挙に行くのはどうだろうか。若者世代の投票率を上げることは、若者世代が無視されないために若者が政治信条に関係なくできる行動のうちのひとつだ。別に、投票先はどこでもいい(※1)。とにかく、投票に行って投票率を上げよう、話はそれからだ。
※1. もちろん、本当はよくない。いまは政策の比較もネットで簡単にできるので、エネルギーが残っている人は自分の選挙区について調べてみることをおすすめする。
政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ (増補改訂版)
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