長時間労働しないと仕事はできるようにならない
http://anond.hatelabo.jp/20130815000121
この記事はおそらく釣りなんだけど、いわゆる「若いうちはワークライフバランスなんて気にするな」的な主張をする人はたしかに大勢いて、根底にある理屈は同じなんだと思う。
元記事でスポーツや音楽の例を出しているけど、この手の話で1万時間の法則というものがある。
"天才"に生まれ変わる「10000時間の法則」
http://matome.naver.jp/odai/2135372857393394401
「何かに熟達するために相応の時間をかけなければならない」というのは確かにまあその通りなのだけど、これと同じ理屈が仕事に適用できるかと言われると、かなりあやしい。
長時間労働しなければ仕事ができるようにならないという理屈に決定的に欠けているのは、仕事の「効率」という観点だ。仕事で大事なのは、単位時間あたりのアウトプットだ。この単位時間あたりのアウトプットが大きい人こそ、仕事が「できる」人に他ならない。こういった高効率は働き方は、むしろ時間内に仕事を終わらせようという意識があるからこそ、身についていく。最初から長時間労働するものだ、というつもりで働いていては生産性を上げようという意識は働かない。むしろ疲労が蓄積し、その疲労で頭がまわらなくなった状態で無理して働きつづけて、「頑張っているけど生産性は低い」というなんとも残念な状態ができあがる。
何かに慣れるためには確かに時間が必要だが、 1日8時間で5日間の週40時間労働で足りないなんてことはない。仮に仕事ができる人になりたいというのであれば(別にならなくてもいいと思うんだけど)、この「週40時間」という制約条件の中でどれだけ生産性を上げられるか、というチャレンジをして自分を鍛えていったほうが断然いいだろう。
むしろ、若いうちから残業前提の働き方を覚えてしまうと、あとで困ることになる。時間外労働というのは言わば最後の砦で、緊急事態以外はそんな頻繁に使うべきものではない。日頃からあたり前のように使っていると、本当の緊急時に何も使えなくなってしまう。
なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか? 6時に帰る チーム術
- 作者: 小室淑恵
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2008/12/24
- メディア: 単行本
- 購入: 8人 クリック: 175回
- この商品を含むブログ (69件) を見る