最近は、暖かくなったと思ったらまた急に寒くなったりして、そのせいでうっかり風邪をひいてしまった。風邪をひくと色々と活動が停滞する。頭がボーっとするので、難しいことは考えられない。しかたがないので、布団の中でマンガばかり読んで過ごしていた。
読んでいたのはこれ。

- 作者: カント,バラエティアートワークス
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2011/07/31
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カントの『純粋理性批判』の「まんが版」で、要は学習まんがみたいなやつである。この前、飲み会で大学時代の友人にこのシリーズの本をいくつか勧められたので、その後に何冊か買ってみたものを読み始めたのだけど、これが思っていた以上によかった。わかりやすかったし、俄然カントに興味が湧いてきた。
最近まで(主に学生時代まで)、僕はこの手の「まんが版」みたいなやつをバカにしていた。「原典を読むのが一番いいに決まっている、この手の本は邪道である」という考え方に頭が支配されていたのだ。就職して忙しくなったあたりから、考え方が変わった。今でも原典が読むのが一番いいという考え方にかわりはないのだけど、一方で「原典にあたらなければダメ」という考えに支配された結果、何も読まなくなるぐらいだったらまんが版でもいいからとりあえずは読んだほうがいいと思うようになった。人生は短いし、特に仕事をするようになると時間の捻出は難しくなる。あえて「原典にあたらない」という選択だって、時にはアリなのではないだろうか。
そもそも、いきなり原典にあたってそれで本当に理解できるのかという問題もある。たとえば何の予備知識もない状態で『純粋理性批判』を岩波文庫あたりでカッコつけて買って読んだとして、内容は本当にアタマに入るのだろうか。結局は「読んだ」という事実だけが残り、内容としてアタマに残っているのは「まんが版」を読んだ場合よりもさらに少ないなんてことにもなりそうな気がする。いつかは原典にあたるにしても、そのための導入としてまんが版を読むこと自体は効率的なやり方だと言える。
もちろん、「まんが版」には罠もある。まんが版は他人の解釈が介在しているので、そういう意味で正確さは犠牲にされている。よいダイジェストとして機能するかどうかは、作者次第だと言える。実際、上述の「まんがで読破」シリーズにも微妙なものは多いようだ。そのあたりは差っ引いて考える必要がある。
個人的には、漱石とか太宰とか、「小説」をこのシリーズで読むのには抵抗がある。これらの文学作品の価値は単にストーリーだけでなく、文章も含めた全体に作品としての価値があるからだ。漫画だと、そのあたりも含めて「別物」になってしまう。そもそも、漫画で読まなければならないほど難しい内容ではないはずなので、時間が許せばやはり原典を読んだらよいと思う。
最後に、『純粋理性批判』以外にもこのシリーズで読んで面白かったものをいくつか並べておく。「名前は聞いたことあるけど、原著を読んだことはない」という人にとりあえずおすすめ。

- 作者: マルクス・アウレリウス,バラエティ・アートワークス
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- 作者: ジークムントフロイト,バラエティアートワークス
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