脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

「成長のため」にブラック企業に入社するのは正しいか

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以下の記事を読んだ。

 

渡邉美樹は嫌い」でも、ワタミ労働で「得られたもの」もある
http://careerconnection.jp/biz/backsituation/content_1005.html
ブラック企業で働くメリット
http://tano.blog.jp/archives/53089408.html

 

これらの記事に出てくる人たちが、ブラック企業における業務経験を自分のキャリアップに活かしたというのは純粋にスゴイことだと思う反面(僕ならすぐにギブアップするだろう)、やはり僕はこれらの理由をもってしてブラック企業を肯定することはできないと思った。

 

上の記事では、ワタミ労働のメリットとして「チームマネジメントの実践的なノウハウが身につく」ということが挙げられている。仮にワタミにそういう環境が本当にあったとして、それをワタミで学ぶ必要があるかはどのぐらいあるのだろうか。「チームマネジメントの実践的なノウハウ」であれば、別にワタミ以外の会社でも学べるのではないだろうか。この人は、『渡邉前会長のお説教を「スルーする能力」』を持ち合わせていたために心身を病まずにスキルアップができたわけだけど、それができない人にとっては、やはりワタミは「危険な職場」に他ならない。下の記事に関しては、「精神安定剤」なんてワードが出てくる時点で既に一線を超えている。「心を病んだり体を壊して脱落していく人も多かった」とあり、普通の人はそちらのルートを辿る可能性のほうが高い。

 

基本的に、ブラック企業で「成長できた」と言っている人たちは、元々タフで優秀な人たちなのだと思う。こういう人たちは、劣悪な環境でも「学び、成長する」ことができるかもしれないが、普通の人たちはこのような環境では成長する前に壊れてしまう。壊れてしまえば、ずっと遠回りをしなければならなくなるし、時には元に戻れないことだってある。特殊な経験を一般化してはいけない。ブラック企業を自分のためにうまく利用できる人はほんの一握りにすぎない。ブラック企業の利点として「成長」を挙げるのは、「成長できなかった人は自己責任」という論調にもつながりやすく、あまり褒められたものではないと思う。

 

仮に、このような「ブラック企業で成長できた」と言っている方々が普通の会社に入っていたとしたら、むしろもっと成長できたのではないかという気もしないではない。ブラック企業からですら「何かを得る」ことができる人たちなのだから、まともな会社からであればもっと色々なものが吸収できたのではないだろうか。そういう意味では、このような人たちもやはりブラック企業に入って損をしているということになる。

 

「成長」は、別にブラック企業でなければできないということはない。むしろ、普通の法令遵守が行き届いた会社に入ったほうが、心身を病む可能性も低く、その分「成長」の成功率も高まると考えられる。仮に仕事がヌルいと感じるのであれば、業務時間外に自主的に勉強すればいい。心身が健康である限り、成長の道はいくらでも残されている。

 

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