脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

書評

『サルたちの狂宴』:成功譚では語られないスタートアップのリアルを知る

実は、スタートアップを扱った本があまり得意ではない。すべての本にあてはまるわけではないが、綺麗事ばかり並べている本が多いと感じるからだ。もちろん、成功譚は読んでいてそれなりに面白いし、時にはそれを読んで自分も頑張ろうという気持ちになったり…

『僕たちはもう帰りたい』:「もう帰りたい」と思えるのは、今よりも良い場所を知っているから

こちらの本をお送りいただきました。ありがとうございます。 僕たちはもう帰りたい(ライツ社) 作者: さわぐちけいすけ 出版社/メーカー: ライツ社 発売日: 2019/03/16 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 『僕たちはもう帰りたい』。この本のタイ…

『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』:大企業でもスタートアップでもない、第三の道

NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方 作者: ジェイソンフリード,デイヴィッドハイネマイヤーハンソン,Jason Fried,David Heinemeier Hansson,久保美代子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2019/01/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) こ…

晩婚化・非婚化と少子化について:『少子化論―なぜまだ結婚、出産しやすい国にならないのか』

こちらのニュースを見て、そういえば少し前に、少子化について下記の本を読んだことを思い出した。 少子化論―なぜまだ結婚、出産しやすい国にならないのか 作者: 松田茂樹 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2013/04/01 メディア: 単行本 この商品を含むブ…

『保育園を呼ぶ声が聞こえる』を読んで日本人の「権利意識」を恥ずかしく思った

『保育園を呼ぶ声が聞こえる』という本を読んだ。はじめに断っておくと、僕にはまだ子どもがいないので保育園のことで具体的な問題に直面したことはない。つまり、当事者としてはまだ離れた立場にいるのだけど、それでも本書はとても勉強になったし、読んで…

『聞き出す力』:いい質問ができないのは、そもそも相手に興味がないからかもしれない

特に誰かから何かを聞き出す予定はないのだけど、なぜか先日こんな本を読んだ。 聞き出す力 作者: 吉田豪 出版社/メーカー: 日本文芸社 発売日: 2014/12/19 メディア: 新書 この商品を含むブログ (21件) を見る 著者の吉田豪さんはインタビューのプロで、過…

出版不況の原因は「活字離れ」ではない:『「本が売れない」というけれど』(永江朗)

本郷三丁目駅の近くに、ブックス・ユニという小さな本屋がある。学生時代、たまにこの本屋で雑誌を買って退屈な授業中に読んだりしていたのだけど、今日前を通りかかったら9月30日で閉店という張り紙がしてあった。本を買ったことがある本屋が閉店するいうニ…

『情報の文明学』(梅棹忠夫)の予言は現在も着々と実現されている

アルビン・トフラーが1980年に『第三の波』によって情報化社会の到来を予言する17年前、日本で既に情報化社会の到来を予言していた人がいた。民族学・比較文明学者の梅棹忠夫である。その世界的に見ても歴史的だといえる論文「情報産業論」が、本書『情報の…

読書が好きな人にこそ読んでもらいたい『読んでいない本について堂々と語る方法』

ピエール・バイヤールの『読んでいない本について堂々と語る方法』という本を読んだ。 読んでいない本について堂々と語る方法 作者: ピエール・バイヤール,大浦康介 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2008/11/27 メディア: 単行本 購入: 17人 クリック: 30…

恋愛指南書に見せかけた「人とのつきあい方」の指南書――『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』

サイボウズ式でご一緒させていただいている桐谷ヨウさん(旧ファーレンハイトさん。id:fahrenheitize)がいよいよ本を出版された。 仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。 作者: 桐谷ヨウ 出版社/メーカー: ワニブ…

何かをしないと決めることは、何かをすると決めるのと同じ価値がある――『しないことリスト』

編集者の方経由でいただきました、ありがとうございます。 しないことリスト 作者: pha 出版社/メーカー: 大和書房 発売日: 2015/12/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (5件) を見る 本書は『ニートの歩き方』でおなじみのphaさんの…

『今すぐ中国人と友達になり、恋人になり、中国で人生を変える本』書評

特に周囲に中国人がいるわけでもなく、中国に旅行に行く予定もないのだけど、本屋で見かけて面白そうだったので買って読んでみた。 今すぐ中国人と友達になり、恋人になり、中国で人生を変える本 (星海社新書) 作者: 井上純一 出版社/メーカー: 講談社 発売…

『星降る夜は社畜を殴れ』:"社畜ライトノベル"の誕生

著者の高橋祐一さんから本をお送りいただきました。ありがとうございます。 星降る夜は社畜を殴れ (角川スニーカー文庫) 作者: 高橋祐一,霜月えいと 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2014/07/31 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見…

『企業家サラリーマン』:四半世紀以上前の脱社畜小説

「社畜」という言葉は、一説によると安土敏氏の造語だと言われている。安土敏氏は大学卒業後住友商事に入社し、後にサミットストアに出向、1981年に経済小説家として作家デビューしている。安土氏のデビュー作『小説スーパーマーケット』は、伊丹十三監督の…

『となりのクレーマー』書評:クレーム対応というエクストリームスポーツ

クレームをつける人の心理が知りたくて以下の本を読んだのだけど、なんだかものすごく面白かったので純粋に「面白かった」という書評を書くことにする。出版は2007年なので5年以上前の本なのだが、今でも十分内容は通用する。 となりのクレーマー―「苦情を言…

思想書をマンガで読んだら意外とよかった

最近は、暖かくなったと思ったらまた急に寒くなったりして、そのせいでうっかり風邪をひいてしまった。風邪をひくと色々と活動が停滞する。頭がボーっとするので、難しいことは考えられない。しかたがないので、布団の中でマンガばかり読んで過ごしていた。 …

『いじめ問題をどう克服するか』書評

昨日に引き続き、いじめに関する本をもう一冊読んだ。 いじめ問題をどう克服するか (岩波新書) 作者: 尾木直樹 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2013/11/21 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る テレビを見る習慣が全然無いので知人に教え…

『いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか』

『いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか』(内藤朝雄)という本を読んだ。 いじめの構造―なぜ人が怪物になるのか (講談社現代新書) 作者: 内藤朝雄 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2009/03/19 メディア: 新書 購入: 37人 クリック: 550回 この商品を含むブ…

日本の会社でリモートワーク(在宅勤務)が普及しそうにない理由

前回のエントリで、37シグナルズの新刊『強いチームはオフィスを捨てる』を紹介した。この本はとてもよい本なのだが、ではこの本で紹介されているようなリモートワークを中心にした働き方を未来ではみんながするようになるのかというと、それはまた別の問題…

『強いチームはオフィスを捨てる』:満員電車と決別するための一冊

Ruby on RailsやBasecampの開発元であり、このブログでは度々紹介している『小さなチーム、大きな仕事』(原題:Rework)で有名な37シグナルズがまた働き方についての本を出した。原著が出たという話は知っていたのだけど(ちなみに原題は『Remote』)、こん…

「やりがい」というインセンティブ

先日、『ヤバい経済学』という本を読んだ。

『お笑いジェンダー論』:「専業主婦」と「社畜」の密な関係

瀬地山角先生の『お笑いジェンダー論』という本を読んだ。

『ウェブはバカと暇人のもの』:バカと暇人にならないために。

中川淳一郎さんの『ウェブはバカと暇人のもの』 を今更ながら読んだ。

『リーン・スタートアップ』を読んで職業選択について考えた

起業やベンチャーに興味がある方にはお馴染みの『リーン・スタートアップ』を先日読んだ。

『経済成長神話の終わり』を読んで

最近、「成長」についてよく考えている。といっても、僕が最近よく考えている「成長」は、自己啓発的な「成長」のことではなくて、「経済成長」のことだ。

『独立国家のつくりかた』:様々なレイヤーから社会を見る

坂口恭平氏の『独立国家のつくりかた』を読んだ。

「やりがいのある仕事」という幻想

森先生は、現在仕事量は1日1時間で、あとは「模型製作」に没頭しているという。素敵な生き方だと思う。人生は、やりたいことをやればいい。そして、やりたいことは仕事と関係なくてもいい。自分にとっての「模型製作」が何なのか、それを一度じっくりと考え…

『ベンチャーファイナンス実践講義』はかなりの良書だった

「会社を作って、上場させるということはどういうことなのか」をわずか200ページ強で概観できるというのは結構すごいことだ。

『憲法と平和を問いなおす』:民主主義と立憲主義、そして平和主義について

今日は憲法記念日である。色んなブログを眺めていると、憲法に関するエントリもチラホラ見受けられる。twitterで盛んに憲法改正だ、いやいや護憲だと戦っておられる人たちもいるようだ。

今更ながら『拝金』を読んだ

ホリエモンこと堀江貴文氏による小説。彼が収監される前に発売されたもので、出版はもう3年ぐらい前である。最近になって文庫化された。旬は過ぎてしまったように思えるのだけど、この前読んだらとても面白かったので一応紹介しておきたい。