「明日やろうは馬鹿野郎」なんて言葉もあるように、「先延ばし」は基本的によくないこととされている。
実際、「先延ばし」で損をすることは少なくない。夏休みの宿題を先延ばしし続けた挙句、最終日間際になって「なんで早くやっておかなかったんだろう」と泣きながら片付けるというのはもはや夏の風物詩ですらある。中間テストや期末テストの勉強を直前まで先延ばししたせいで、結局試験範囲を全部勉強することができずに試験日を迎えてしまったという話もよく聞く。「先延ばし」はしないほうがいいと頭では分かっていても、僕たちはついつい「先延ばし」をしてしまう。
先日、『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』という本を読んだのだが、この本を読むと「先延ばし」が単なる怠けではなく、DNAレベルで人間に刻まれたものだということがわかる。そういうことなので、自分の「先延ばし癖」をあまり責めてもしょうがない。特に意識をしない限りは、人間は先延ばしをしてしまう生き物なのだ。

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そんな「先延ばし癖」を克服するためにどうすればいいかという話は、上の本も含めてたくさんの書籍やライフハック記事で語られている。なので、ここには書かない。むしろ、今日書きたいのはそれとは逆の話だ。色んなところで「ダメなこと」の代表として語られている「先延ばし」だが、時には「先延ばし」をしたほうがいい結果に結びつくことがある。
僕が「先延ばし」にいい面があると思い始めたのは、会社に就職して働くようになってからだ。ある日、とある仕事を振られたのだが、僕はその仕事にやる意義を見出すことができなかった。その仕事はおそらく、組織にとっても、僕個人にとっても必要性が低いものだった。そういう気の進まない仕事こそさっさと済ませて心の外に出してしまったほうがいいとも考えられたが、やる気のないものはいかんともしがたく、結局僕はその仕事をギリギリまで「先延ばし」することにした。
そうやって「先延ばし」をしていたら、ひょんなことから状況が変化し、その仕事はやらなくてもいいことになってしまった。この体験で味をしめた僕は、気の進まない仕事はできるだけ「先延ばし」をするようにした。そうすると、気が進まずに先延ばしした仕事は結構な頻度でうやむやになったり、状況が変わったりしてやらずに済んでしまうことがわかってきた。
「夏休みの宿題」や「定期テストの勉強」は、いくら先延ばししてもそれ自体が消滅することは少ない。一方で、「仕事」は状況が時々刻々と変化するので、「先延ばし」するとそれ自体が消えて無くなることも少なくない。特に、「あんまり重要そうじゃない気がする」という理由で先延ばしした仕事は、しないで済んでしまう場合が割と多い(重要じゃないので、催促もそんなに熱心にはされない。いずれうやむやになる)。会社で働くなら、馬鹿正直に「すぐやる」ことだけが正解ではない。
やった仕事が丸々無駄になったり、やらなくていいことを延々やらされることほどつらいものはない。そして、それは組織で働く場合には結構よく起こることである。仕事にとりかかる前には、まず「本当にいますぐやらなければならないのか?」と自問してみるといい。ちょっとでも違うと思ったら、とりあえず先延ばしにしてしまったほうが、案外無駄のない仕事ができる。
もちろん、すべての仕事を先延ばしすることは当然できない。だから、このやり方が効果的なのはあくまで仕事の一部に対してでしかない。それでも、なんだかわからないが仕事が山積みという状況は避けられる。うまく「先延ばし」を利用して、効率よく働いて欲しい。

あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。
- 作者: 日野瑛太郎
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
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