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脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

「体育会の部活型組織」に未来はない

就職活動
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「会社って要するに、体育会の部活なんですね!」:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130329/245846/?rt=nocnt

 

僕は根っからの文化系で体育会的な集まりには近づかないことを第一の行動原理としてこれまでの人生を送ってきたので、記事のタイトルを見た時は思わず震えたものだが、読んでみると結構面白かった。

 

確かに、今までの「ニッポンの会社」はこの「体育会の部活」と同じようなシステムで動いている会社が少なくなかった。新卒入社後の社員はひたすら下働きで、先輩のいうことにはそれがどんなに理不尽であっても逆らわずに従う。それが社会人のオキテだと教えられる。自分の意見を主張するような新人はとにかく疎まれ、出世するのはただただ素直で、礼儀正しい人である。仮に個人的に能力が高くても、協調性に欠ける人間が報われることはほとんどない。

 

このような、「体育会型」の会社運営は、昔であれば非常に有効だったと考えられる。日本にまだまだ経済成長の余地があった時代は、とにかく「めんどくさくない」人を大量に集めて、効率的に労働集約していくことが、会社を成長させるベストな戦略だったのだ。理不尽だろうとなんだろうと、会社の言うことを素直に実行できる人をたくさん集めて、約束されたビジネスモデルの上で必死に働かさせれば、会社は成長することができた。そして、社員の側からしても、理不尽に耐えるだけの見返りが昔はあった。昔は「ニッポンの会社」が「体育会の部活」になるだけのメリットが会社と社員双方にそれなりに存在していたのである(もっとも僕は、そんな時代に生まれていなくて本当によかったと思うが)。

 

しかし、現代はもはやこの「体育会の部活型組織」はその利点をだいぶ失ってしまった。今の日本には昔のような経済成長の余地は残っていない。今はもう人をたくさん集めて軍隊のように命令に従わせて働かせたとしても、昔のように会社を大きくすることができるとは限らない。ここからさらに会社を成長させるには、いわゆる「イノベーション」が必要だが、イノベーションは「新人は黙って先輩の言うことを聞け」型の軍隊式の発想とは遠いところに存在している。理不尽だろうとなんだろうと、先輩や会社の言うことなんだからという理由で素直にハイハイ聞いていたら、会社と共倒れになってしまった、というのは普通にありえる話である。

 

そもそも、忘れてはならないのは「理不尽に耐える」こととか「上司や先輩の命令に素直に従う」ということは、ビジネスの本質とはまるで関係がないということである。いくら理不尽に耐えても、命令に唯々諾々と従っても、何ら「価値」は生まれない。「価値」が生み出せなければ会社は潰れるしかない。素直で物分かりのいい人間だけが集まった会社が仮にあったとしても、そういう会社が今後利益を上げ続けていけるのかには大いに疑問がある。

 

未だに「体育会の部活」のような会社は少なくないと思うが、そういう会社は遅かれ早かれ失速し、場合によっては墜落するだろう。そういう会社に入るのに「有利」だったとして、どれだけ意味があるのだろうか。「体育会だから就活に有利!」という捉え方は、昔ならともかく今は単純すぎやしないだろうかと思わずにはいられない。

 

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

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