脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

僕が海外脱出を画策しない理由

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「日本の労働環境は酷い」という話をしていると、「もう、こんな国は見限って海外に脱出しよう」という話がセットでついてくる場合がある。今はもう閉鎖してしまったが、かつて日本の労働観批判で一世を風靡した「ニートの海外就職日記」の海外ニートさんなんかはその急先鋒だったような気がするし、こう言いたい人の気持はよく分かる。僕も、海外の労働観や就労システムを知って、羨ましくなることはよくある。

 

しかし、僕自身は(今のところ)海外脱出を具体的には画策していない。今日は、なぜ僕が海外脱出を積極的に考えていないのか、その理由を書いてみようと思う(念の為に言っておくと、これは僕の個人的な話である。海外脱出を画策する人に水を指したりする趣旨ではないことを最初にお断りしておく)。

 

食べ物の問題

まず、まっさきに挙げたいのが食べ物の問題だ。日本の食べ物は、世界一美味しいと僕は思っている。海外に行ってしまうと、これらを自由には食べられなくなる。日本食を扱っているスーパーなどは海外にもあると思うが、実際に日本に住む場合と比べるとやはり限界がある。僕はつけ麺が好きで、行きつけのつけ麺屋がいくつかあるが、海外脱出をしたらもうしばらくは食べられない。これは辛い。

言葉の問題

第二に、言葉の問題がある。海外に行ったら、ずっと日本語を話し続けるわけにはいかない。ちなみに、僕は英語が話せないということはない。おそらく、日本人の中ではできる方の部類だと思う。ただ、「英語が話せる・使える」ということと、「積極的に英語を話したい・使いたい」というのは別な次元にある。やはり英語で読み書きや会話をすれば疲れるし、ずっと日本語が使えないのは僕にとってはストレスだ。できるなら避けたい。

治安の問題

言うまでもなく、日本の治安は世界的に見ると抜群によい。海外にも治安がよい場所はあると思うが、日本にはなかなか敵わないだろうし、よく海外就職の候補先に挙げられる国の治安は、基本的によくない。生命や財産を危険に晒すのは、結構な覚悟がいる。僕には今のところ、そういった覚悟はない。

日常の問題

僕は日本での生活を、仕事以外の面に関してはこの上なく愛している。例えば天気のいい日に谷根千あたりを散歩をすると心が洗われるような気持ちになるし、たまに日帰り温泉や銭湯に行ったり、図書館で好きな本を借りて読むのも好きだ。こういった愛すべき日常が失われるのは、やはり嫌である。海外には海外の愛すべき日常があるのかもしれないが、これは日本の愛すべき日常生活に飽きてからでもよいと思っている。

友人の問題

僕は生まれてからずっと日本で育ってきたので、友人の多くは、当然ながら日本に住んでいる。海外就職したら彼らとはしばらく会えなくなる。 海外では海外の友人ができるのかもしれないが、その人達と日本の友人たちと同様の良好な関係になれるという保証はない。

 

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以上の理由で、僕は今のところは、積極的に海外脱出をしようとは思っていない。日本の仕事環境は酷いが、とりあえずは日本を見捨てずにこの仕事環境をどうにかするというアプローチを取ってみるべきだと思っている。結局、僕は日本が好きなんだろうなと思う。

 

もっとも、もうこの国はどうしようもない、となった時にはさっさと逃げようといった考えに変わることも十分にありえる。また、冒頭でも書いたようにこれは僕個人の話であり、例えば自分の価値観に照らして海外に逃げたほうがよいと確信している人はそうしたほうがよいだろう。海外脱出を目指すかどうかは、個人が決めたらよい問題だとは思う。

 

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