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脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

経営者として、社員の「採用」について考える

起業 仕事観
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今までブログに投稿してきた記事を見ると、その多くは「会社員」という雇われる側の目線に立ったものである。僕も今は会社員として働いているので、自然にこういった記事が多くなったのだけど、昔は一応会社経営をしていたことがあり、「雇われる」立場ではなく、「雇う」立場にいた。そこで今日は、視点を変えて経営者という立場から、社員の「採用」について書いてみたいと思う。

 

いきなり結論を述べてしまうと、僕の採用に対する考え方は非常にシンプルで、一言で言うなら、基本的には雇わない」ということになる。いきなり前提をひっくり返した感じがするが、これは結構大事な考え方だと思っている。今の日本のベンチャー企業は、気軽に人を雇い過ぎる。特に、新卒を採用することには、もっと慎重になるべきだ。

 

僕が「基本的には人を雇うべきではない」と思う一番の理由は、人を雇うということには、大きな責任が伴うと考えているからだ。社員を雇えば、毎月給料を払わなければならない。会社の業績なんてお構いなしに、契約した分のお金は払う責任がある。自分や共同創業者が対象であれば、「自分たちのこと」として給料の支払いと止めるという選択もできるが、「採用」した社員と会社の関係は、あくまで契約関係なので、取引先に対する支払いのように考える必要があると僕は思っている。給料が払えないなら、それはもう会社を潰すしか無い。

 

雇った社員に対する責任が及ぶのは、給料のことだけではない。例えば、会社での仕事が原因で、社員の健康が害されるようなことがあってはならない。また、日本では転職の際に職歴が重視されることを考えると、これから自分の会社で働いた場合に、その人の後の人生にどのような影響を与えるかも考慮する必要がある。こうやって考えると、とてもではないが「新卒」を雇うことはできない。一部のブラック企業がやっているような、新卒を大量に雇って使える人間だけ残す、というやり方は非常に不誠実であり、避けなければならない。

 

また、「責任」という観点以外だけでなく、純粋に「経営」という観点からも人を雇うことには慎重になったほうがよいと言いたい。人を増やせば増やすほど、コミュニケーションコストは増えていくし、人件費を定期的に払っていくことは、創業間もなく不安定な状態の会社には荷が重い。人件費は一人雇うごとに線形で増えていくが、アウトプットは人を増やしても線形では増えない。自分で2人分の仕事ができるなら、しばらくはそうしたほうがよいだろう。そもそも、あなたがやろうとしている事業が人をどんどん増やして行かなければスケールしないような事業だったとしたら、それは事業内容自体を考えなおしたほうがよいのかもしれない。

 

勘違いされないように付け加えておくと、僕は「会社を常に一人でやれ」と言っているわけではない。それでは単なる個人事業主ということになってしまう。僕は、どうしても人が必要な時には「従業員」ではなく「共同経営者」を見つけるべきだと思っている。創業間もない会社で仕事をする場合には、どうしてもリスクがつきまとう。これらのリスクを正当化するには、給料ではなく成功時の大きな見返りを約束することが絶対に必要だ。具体的には、株の持分やストック・オプション、レベニューシェアの形で、きちんと分前を約束する必要がある。このような手厚いリターンを保証してはじめて、会社へのコミットは正当化できる逆に、この手のリターンの保証がない状態で、ベンチャー企業で人を働かせるのは「搾取」や「詐欺」である。

 

そして、こういった「共同経営者」をさがす際には全身全霊を傾け、慎重の上に慎重を期して臨まなければならないことは言うまでもない。公募をかけて、何回か面接をして決定、のような普通に社員を雇うようなやり方では絶対ダメなのはわざわざ書かずともわかるだろう。僕が好きな『小さなチーム、大きな仕事』という本には、「会社を「知人のいないパーティー」にしない」といったことが書かれているが、これは本当にその通りだ。「とりあえず◯◯をする人が必要だ」という考えで、人をどんどん増やしていってそのまま潰れた会社を僕はいくつも知っている。

 

経営という観点からも、雇った人への責任という観点からも、「採用」にはとことん慎重にならなくてはならない。強力な経営基盤ができるまでは、しばらくは手を出さないほうが得策だ。

 

 

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