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脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

若者もワークライフバランスを求めていい

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結構前の記事になってしまうのだが、以下の記事についての感想を聞かれたので、ちょっと書こうと思う。

 

若者にワークライフバランスなんていらない
http://toyokeizai.net/articles/-/12808

 

この手の意見は、割とよく聞く。すごく大雑把に要約すると、「若いうちはワークライフバランスなんてことは考えず、とにかくガムシャラに働いてスキルやよいポジションを得るようにしないと、立派なビジネスマンになれない。それが結果的に、歳を取ってからのワークライフバランスに影響する」という感じの意見である。

 

この主張は、完全に間違っているというわけではない。外資系金融やコンサルティングファームで活躍する「エリートサラリーマン」になろうというのであれば、新卒で入社した直後から毎日定時に帰ってプライベートを充実させつつ働き続けるというのは残念ながら難しい。この手の会社でも通用するような知識やスキルを身につけるたいのであれば、若いうちからある程度プライベートを犠牲にして、仕事にコミットしないとしないとさすがに厳しいと思われる。これは別に日本に限った話ではなく、コンサルティングファームや外銀で働いている人であれば、どの国でも大体一緒である。

 

ただ、忘れてはならないのは、これはほんの一部の人だけに当てはまる話であって、このような働き方を日本の若者全員に押し付けるのは適当ではないということだ。日本人の多くは「立派なビジネスマン」になることが人生の目的ではないはずだし、仕事以外にも、もっと大切に思っているものがあってしかるべきである。「若いうちに頑張らないと、エリートになれないぞ」と言われても、「別になりたくありません」というのが大半の人の回答ではないかと思う。

 

あまりこういうことは言いたくないけど、「若いうち」は体も頭も歳をとってからよりも自由が効くという側面は少なからずあるわけで、この貴重な若いうちの時間を「仕事」に使うべきかは各人の価値観によって決めるべきだ。「若いうち」にガムシャラに仕事をして、歳をとってからやりたいことをやる時間が作れても、その時に若いころと同じように体や頭が動くという保証はない。「若いうちに、あんなに仕事ばかりせずに本当にやりたいことをやっておくんだった」と後悔することは十分にありえる。こういう後悔をするぐらいだったら、若いうちからワークライフバランスを追求して、余暇にやりたいことを「思いっきりやる」というのも悪くない選択なのではないだろうか。

 

また、仮にエリートとしてのキャリアを歩みたいという意志があったとしても、ただガムシャラに、ワークライフバランスを気にせず「ワーク・ワーク」で働けばそれだけでよいかというと、そういうわけでもない。仕事の内容にある程度普遍性があり、「働くこと」がすなわち「スキルアップ」につながる職場でガムシャラに働けば、確かにエリートの道に近づくことができるのかもしれない。しかし、仕事の内容が特定の会社でしか通用しないスキルを使うものだったり、あるいはルーチンワークのようなものだった場合には、いくらガムシャラに働いたところで、「エリート」にはなれない。「どんな仕事でも、ガムシャラに働けば必ず得るものがある」という話は大嘘である(ブラック企業に、3年も我慢して勤める価値はない参照)。

 

以上をまとめると、「若いうちにワークライフバランスを求めずに働くこと」が正当化できるのは、「その人自体がエリートビジネスマンを目指していて、かつ、職場での業務が将来的なキャリア形成にきちんと役立つこと」が成立している限定的な場合に限られるということになる。これを一般化して、「若者にワークライフバランスはいらない」と言ってしまうのは、乱暴以外の何物でもない。

 

多くの若者はワークライフバランスを当然求めてもいいし、求められないような状況はそもそもおかしい。若いとか若くないとかに関係なく、人は仕事のためだけに生かされているわけではないはずであり、仕事とプライベートのバランスを求めることに、何の問題があるのだろうか。そもそも、ワークライフバランスを求めていいとか、求めるべきでないとか、そういう議論が出てくること自体がおかしいと僕は思う。

 

外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

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