脱社畜ブログ

仕事観・就職活動・起業についての内容を中心に、他にも色々と日々考えていることを書き連ねていきます。

世間が面白くない時は勉強に限る

どうも3月に入ってぐらいから、浮いたニュースがなくて世の中がどんよりしているように感じる。

 

新型コロナウイルスのせいで多くのイベントが中止・延期になり、ニュースはほとんどその話題で独占されている。コロナの影響は当然経済にも及んでおり、株価は歴史的な下落を見せ、巷では「リーマンショックの再来」だとか「いよいよ景気後退が始まる」とか言われ始めている。これらの予想が本当に当たるのかどうかは現段階では誰にもわからないが、少なくとも日に日に未来の不確実性は増しているように思える。

 

とにかく今は毎日毎日暗いニュースが多く、そういう状況の中、不確実な未来についてあれこれと心配しているとそれだけでものすごく心が疲れてしまう。こういう時には、インターネットをずっと眺めているのはよくない。ネットは良くも悪くも「いま起こっていること」をみんなで共有するという性質があるので、世の中の雰囲気が悪い時にネットばかり見ているとどんよりとした気持ちになってしまう。同じような理由で、テレビもよくない。テレビもやはり「いま起こっていること」が視聴者の一番の関心事で、送り手側はそれを一生懸命伝えようとする。世の中が楽しい雰囲気なら、そういった「いま起こっていること」に注目するのもいいのだけど、こういう状況だと世の中の暗い雰囲気がダイレクトに受け手の気持ちに影響してしまう。

 

では、こういう時はどうするのがよいのか。そこで僕が思い出したのは、ドイツ語学者である関口存男先生の以下の言葉だ。

 

 

このTwitterアカウントは、関口存男先生の名言をひたすらつぶやくbotである。多くの方は、関口存男って誰だよと思ったかもしれないが、そういう方はとりあえず以下のサイトを見てみてください。

 

www.sanshusha.co.jp

 

僕は大学時代の第二外国語がドイツ語だったので、大学で指定されたテキストとは別に、関口存男先生の下記の参考書を使っていた。

 

CD付 関口・初等ドイツ語講座〈上巻〉

CD付 関口・初等ドイツ語講座〈上巻〉

  • 作者:関口 存男
  • 発売日: 2005/07/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ちょうど新版が出たばかりの頃に本屋で立ち読みして、「これは……!」と思い、そのままレジに上中下巻の3冊を持っていった。 これがかなり良い本で、見た目はすごく硬派なのだが、説明は丁寧でごまかしがなく、僕にはとても合っていたのだ。関口先生は1894年生まれで1958年に亡くなっているので、僕とは何世代も前の方なのだが、そういう方の書いた本で勉強をするという経験も新鮮でまた面白かった。

 

さて、そんな関口先生が「世間が面白くない時は勉強に限る」と言っている。世間が面白くない時って、まさに今のような状況の時ではないだろうか? たしかに社会の状況は不安だが、実は個人レベルでやれることは思いのほか少ない。それならば「いま起こっていること」を注視して一喜一憂するよりも、ひとりで黙々と勉強したほうが心の安寧は保てそうだ。

 

ということで、ちょっと世間がコロナばかりで疲れてしまったと感じている人は、黙々と勉強をしてみてはどうだろうか。もちろん、ここでいう勉強というのは、受験勉強のような「いかにも」な勉強でなくてもよいだろう。たとえば、本を読むとかでもよいと思う。世の中の動きとは特に関係がない、ずっと昔に出た小説を読んでみるとかはいいかもしれない。大事なのは、「いま起こっていること」とある程度遮断されたコンテンツに触れることだ。

 

そうやって足をためることで、また世の中が面白くなってきた時に、全力で走れるようになると思う。

 

世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法

世界記憶力グランドマスターが教える 脳にまかせる勉強法

  • 作者:池田 義博
  • 発売日: 2017/03/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

「コロナで強制リモートワーク」が日本の会社にもたらしたもの

以下を読んで、これはなかなか面白いことが起こっているなと思った。

 

togetter.com

 

新型コロナウイルスの影響で、今までリモートワークを「補助的な」ものに位置づけていた企業が、相次いで「全面的な」リモートワークの導入に踏み切っている。もちろん、リモートワークに移行する難易度は業体によって異なるので、今でも普通にオフィスで働いている人たちも多いとは思うが、概してIT系などはリモートワークとの親和性が高く、実際に僕も今はリモートで仕事をしている。

 

リモートワークについては普段から賛成派/反対派による様々な意見を聞くが、こんなにも多くの人が一斉にリモートワークを試すことになったのは、日本ではおそらく初だろう。

 

冒頭で紹介した記事は基本的に肯定的な声だけをまとめたものなので、そういう意味では多分にバイアスがかかっているのだが、それでも喜びの声を読んでいくと面白い。ここで主に挙げられているリモートワークによって得られたメリットには、たとえば以下のようなものがある。

 

  • 満員電車に乗らなくてよい
  • 無駄な会議が入らない
  • 会議が早く終わる
  • 無駄な仕事を振られることがなくなった

 

満員電車に乗らなくてよいというのは、通勤という行為自体がなくなるので当然として、興味深いのは「無駄な会議が入らない」「会議が早く終わる」といった項目だ。

 

ZoomにGoogleハングアウト、Slackコール、Skypeなどなど、ビデオ会議に利用できるツールは山程あるし、実際やってみると画面共有などもできて対面の会議よりも便利だったりするのだが、それでもビデオ会議は「気軽に開催しづらい」「なんだか居心地がよくないのですぐに終わりたい」という印象を利用者に抱かせるらしい。一見するとそれらはビデオ会議のデメリットのように感じらるが、実際にはこれが多くの人にメリットとして受け止められている。日本の会社には無駄な会議が多いという愚痴はよく聞くが、まさかそれがこんな形で解消されることになるとは予想していなかった。

 

思うに、ビデオ会議系ツールはこれまで、できるだけ実際の対面会議に近づけるという方向で進化してきた。カメラを通じて話者の表情が伝わりやすいようにするとか、カレンダーと連携してスケジュールに会議の予定を入れやすくするとか、日に日に便利になってきている。でも、その進化も実はこのぐらいにしておいたほうがよいのかもしれない。これ以上進化して、リアルでオフィスにいる時のように無駄な会議を気軽に開催できるようになってしまったら、逆に生産性は落ちてしまいそうだ。

 

もちろん、「強制リモートワーク」は始まったばかりなので、これが企業活動にどういう影響を与えたかは、もう少し長い期間やってみないと評価を下すことはできないだろう。実際にはデメリットだってそれなりにあるとは思う。それでも、せっかく大規模に実験する機会を得たのだから、この知見はぜひ前向きに活かして欲しいと思う。「コロナが終息したので、今まで通りに戻します」だけで終わってしまい、何も振り返ることなく一夜の夢として終わってしまうのはもったいない。

 

個人的には、コロナ終息後も「週に数日はリモートワークで働く」という習慣を残してみてはいいのではないかと思う。これなら「フルリモートはちょっと」と考えている企業だって気軽に導入できる。たまにはオフィスに行って人と対面で仕事をするのもよいとは思うが、毎日である必要はたぶんあまりない。オフィスの家賃や通勤定期券代は日割りにするのが難しそうなので、コスト面ではデメリットもあるのだが、それよりも生産性向上や社員の健康維持といったメリットのほうが大きいのではないだろうか。

 

全国の社長の皆様は、ぜひ検討を。