「むかし起業していたことがある」と言うと、よく働くのが好きだと勘違いされることがあるのだけど、基本的に僕は働くのがあんまり好きじゃない。
僕は基本的に非活動的なので、図書館で本を借りて読んだり、TSUTAYAで映画をレンタルして見ていればそれで概ね満足だ。そういう日常を、この上なく愛している。
そんな思想の持ち主なので、phaさんの『ニートの歩き方』は共感の嵐だった。この本はすごくいい本だ。

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は、全ての人が無理に働かなくていいということに気づかせてくれる。
ここでいう「働く」というのは、お金を稼ぐという意味ではない。本を読むと分かると思うが、pha さんはアフィリエイトやせどりで最低限生活を維持するための利益は得ているので、お金は稼いでいる(そういう意味では、phaさんは厳密なニートではなく、いわゆるネオニートに分類されるのかもしれない)。ここでいう「働く」というのは、「正社員として雇用される」ということだ。真面目に会社員として働く、ということを指している。
そして、インターネットが普及した現代では、真面目に正社員になって週五日働かなくても、なんとか食べていくぐらいは稼ぐ手段がある。働くのがあんまり好きじゃない人は、そういう生き方を選んでもいい。確かに日本でよいとされている生き方とは違うけど、楽しく生きられればそれでいいじゃないか。そういうことに、この本を読むとそのことに気づく。
また、この本ではすごくゆるーい感じの相互扶助社会が提案されている。みんなが自由にニートになって、働きたくなったらまた働く。働かない人を別に責めたりもしない。これはとても素敵な社会だ。
毎日、漫然と会社に行く生活に、行き詰まりを感じている人も少なくないだろう。馬車馬のように働かされて、疲れ果てている人もいると思う。そんな人達に、僕はこの本を薦めたい。そして、本当に辛いなら無理に働かなくたっていい、そのことを伝えたい。
また、僕はこの本を仕事が好きで好きでしょうがない、いわゆるワーカホリックな人たちにも読んでもらいたい。普段読んでいる自己啓発本とかビジネス書を一旦脇において、この本を読んでみて欲しい。そして、こういう価値観もあるってことを知ってもらいたい。
仕事が好きな人も、嫌いな人も、仕事について考えたことがある人は、読んでみてはいかがだろうか。何より、phaさんは面白い文章を書くので、きっと楽しい時間を過ごせるはずだ。