意識の高い学生とか、あるいは就職して間もない人とかに多いと思うのだが、やたらと「自己成長」なるあやしげなワードを使う人がいる。
実際、これはかなり便利な言葉のようで、企業の採用活動や、就職サイトのキャッチコピーとして、よく使われているのを目にする。こんなの真に受ける学生はいないだろうと思うのだが、おそろしいことにこういった会社のプロパガンダを真に受けて就職活動に励んでいる学生も少なくないという。ちょっと落ち着いて考えて欲しい。
そもそも、自己成長という言葉は恐ろしく曖昧だ。「成長したい!」というのは「幸せになりたい!」と言っているのとほとんど変わらず、もっと具体的な内容に落とし込まなければ実効性は無い。
この言葉は、実際のところ、理不尽な仕事や、評価方法、給与のあり方、労働環境などを、「自己成長のため」という一言で片付けるための免罪符的な役割しかない。有害ですらある。
大体、もう身長も伸びなくなっている大の大人が成長とかいうワードを口にして恥ずかしくないのが不思議でならない。
こういう言葉は、言わせない空気を作ることが大事だ。僕は、周りにこの手の意識高い人がいた場合は、全力で茶化すことにしている。「◯◯さんは、意識高いっすね!毎日が成長なんですね!」とか言っておけば、さすがに自分が恥ずかしいことを言っていることに気づくようだ。
自己成長したい、と思っている人は、具体的に自分がどのような能力を、どのような手段によって、いつまでに身につけたいと考えているのか、そこまで深く考えてみて欲しい。具体的でない目標に意味は無いのである。
「キャリアアップ」のバカヤロー 自己啓発と転職の“罠”にはまらないために (講談社プラスアルファ新書)
- 作者: 常見陽平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/04/21
- メディア: 新書
- クリック: 28回
- この商品を含むブログ (17件) を見る