Ichiro Wada (id:yumejitsugen1)さんの以下の記事を読んだ。
ポジティブにやる? ネガティブに考える? - ICHIROYAのブログ
http://kyouki.hatenablog.com/entry/2013/09/20/083423
この記事を読んで思い出したのは、自分が会社を辞めるという決断を下した時のことだ。そろそろ会社を辞めようかな、と思い始めたあたりから、僕の中では毎日のようにポジティブな自分とネガティブな自分の議論大会が開催されていた。
ポジティブな自分は、「会社を辞めてもきっとなんとかなる、そのほうが楽しい。やりたいこともやれる。貴重な時間を、やりたくないことに無駄にするなんてもったいない」といったように、辞めても大丈夫だ、辞めたほうがこんなにいいことがあるんだ、と主張する。
一方でネガティブな自分は、「会社を辞めたら、きっと再就職は難しい。クレジットカードも作れなくなるし、家も借りられなくなる。辞めて数年はなんとかなるかもしれないけど、いつまでもフリーで稼げるとは限らない。第一、歳を取ったらどうするつもりなんだ」といったように、辞めるとマズい、辞めるとこんなに不利益があるぞ、と主張する。
最終的には、ポジティブな自分が勝って僕は会社を辞めたわけだけど、これは僕が元々楽観的な考えの持ち主で、ネガティブな意見を考えないことにした、というわけではない。基本的には、楽観的に生きていたほうが人生は間違いなく楽しいと思うのだけど、一応人生の重要な意思決定をする際には、ネガティブなことともそれなりに向き合う必要がある。
例えば、僕は以下のような一応の解決策を考えた上で、辞めるという判断に至った。
- 会社を辞めたら、きっと再就職は難しい→自分は一応ソフトウェアエンジニアでもある。プライベートプロジェクトの成果物で技術力が証明できれば、職歴が途絶えても再就職は可能ではないか。
- クレジットカードも作れなくなるし、家も借りられなくなる→クレジットカードは会社を辞める前に作る。家も同様。それでしばらくは問題ない。
- 歳を取ったらどうするつもりなんだ→タイムリミットを設けて、そこまでに目標とする事業ポートフォリオと収入額が達成できなかったら再就職も視野に入れる。あと、そんなに先のことはどうせ会社員をやっていてもわからない。
もちろん、これだってさらにネガティブな側面から再度反論し続けることは可能だと思うのだけど、ネガティブ面について、向き合うのと無視するのとでは大きな違いがある。むしろ、ネガティブな面を考えないというやり方は、逆に不安を生むことにすらつながる。ネガティブな側面も考慮に入れて、一応の解決策を考えた上で、あとは楽しい方向に考える、というぐらいのメンタリティで物事に臨むのが怪我もなく、楽しい毎日が送れるのではないかと個人的には思う。
世の中のほとんどの物事には、ポジティブな面とネガティブな面の両方がある。100%ポジティブのみとか、100%ネガティブのみというのはあんまりない。そういうわけなので、何かを決める際には必ず両方を見るようにしたほうがいい。これは楽観論者にも、悲観論者にも同じことが言える。楽観的に考えすぎる人は、ネガティブな面も一応検討する必要があるし、悲観的に考えすぎる人は、ポジティブな面にも目を向けたほうがいい。そもそも、意思決定が気分や性格に大きく左右されるというのはあまりよろしくない。少なくとも自分の中では、そういう結論に至ったと説明可能な論理を持っておくことは、後々後悔しないためにも大切なことなのではないだろうか。

そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか
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